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09-27(日)

「戦前のこわい話」  志村有弘編


本書に収録した作品は、全て事実談である。─明治時代から戦前までにあった、怪談、不可解な物語、猟奇事件を生なましく伝える、怪奇と恐怖のアンソロジー。陰の世界に住む死霊、猫の祟り、探偵趣味溢れる首なし事件といった、都会や村の民間伝承に取材した、おそろしい話を集める。怪異、因縁、宿業、凄惨。



<感想> ★★★☆☆

雑誌のジャンルのひとつに実話誌というのがあります。 「本当にあった

○○」などと題してコンビニで売られているやたらと安っぽいアレです。

怪奇譚に加え、暴力や性を扱うこともあるので有害図書に指定されるこ

とも多いようですが、この実話誌の歴史は古く、終戦直後に数多く発行

されたカストリ雑誌の流れを汲んでいるといわれています。 さらに遡れ

ば昭和初期のエロ・グロ・ナンセンスブームにまで至ります。


さて、前置きが長くなりましたが、本書に収められている大正12年から

昭和33年の間に書かれた7つの短編もその流れの中にある作品です。 

それゆえ芸術性などは皆無で、実際にあった犯罪(猟奇事件)をいか

に興味本位で描くかに終始しています。 しかし、そこには書かれた当

時の風俗や文化が色濃く映し出されているのは言うまでもありません。 


時代に淘汰されずに残っている文学作品はまぎれもない名作ですが、

そうではない大衆小説にはそれなりの味わいがあります。 特に一番

最後の『生肝殺人事件』(原題・「生肝質入裁判」)は、私の想像してい

たカストリ雑誌のイメージにぴったりと符合する作品でした。 


とは言うものの昭和7年に起きた首なし娘事件を小説化した『淫獣』(原

題『乳房を抱く一匹の淫獣』←すげぇタイトル)はそこそこリアルだったし

『闇の人形師』
(原題『白蝋の肌を慕う闇の人形師』←昔の土曜ワイド劇

場っぽいタイトル)はじっくり読ませてくれました。 


あらすじを真に受けると失敗しますが、視点を変えるとするなら貴重な一

冊かもしれません。 できれば旧字・旧かなで読みたいものです。

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