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03-14(土)

「ファミリーポートレイト」 桜庭一樹



あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。『赤朽葉家の伝説』『私の男』―集大成となる家族の肖像。




<感想> ★★★★★

桜庭一樹さんの作品を読むのは7作目になります。 いずれも底流をなすも

のは同じだと思いますが、その傾向はバラエティーに富んでいます。 比較

的笑える『青年のための読書クラブ』 伝奇小説風な『赤朽葉家の伝説』

の第一部。 爽やか系の『荒野』 そして、ぶっ飛んでいる『私の男』。 何を

書かせても巧い作家だという印象がありますが、作家としての方向性を位置

づけるという作品は?と問われれば、答えに窮してしまいます。 そんな読者

に桜庭さんなりに回答を示したのが本書『ファミリーポートレイト』なのではな

いかと思います。 


さて、本書は二部構成です。 

第一部は、犯罪を犯したと思われる母親と逃亡する主人公、コマコの一人称

で語られます。 似た作風だと角田光代さんの『八日目の蝉』がありますが、

終始、子供の目線で描かれた本書は依存しあう母娘の姿が生々しいまでに

描かれています。 『八日目の蝉』の感想で、前半が桐野夏生さんぽいと書い

た記憶がありますが、この作品に関しては桜庭一樹さんのオリジナリティーが

いかんなく発揮されています。 葬式婚礼なんて発想がスゴ過ぎます。(笑) 

とにかくエグいんだけど、それがハンパじゃなくて、読者としては参りましたの

ひと言に尽きます。 とにかくすげぇ~です。(笑)


第二部はコマコが高校生から大人になるまでが語られます。 正直言って圧

倒的な第一部と比較すると前半は中だるみの感が否めませんが、狼に育てら

れた少女がどのように成長するのか?的な面白みと、そこで語られる文学(小

説)の世界は読み応えがありました。 一般の固定観念を覆す文学観は読ん

でいて心地よくもありました。

小説というのは地下世界の文化だから、普段は世間全般の注目を浴び

るようなことはない。 ごく少数の、本を読む人たちだけに認識されてい

る向こう側の異世界だ。



縦軸には家族、横軸には文学を配しながら語られるコマコ28年間の物語は

桜庭一樹さん以外描くことの出来ない世界。 本書で桜庭一樹ワールドは確

立されたように思います。

ラストで、コマコが永遠に失われた時間のために泣くさまが印象的でした。


かなりエグい作品なのですべての方におススメとは言えませんが『私の男』

比較するなら格段に読みやすいと思います。 さらにつけ加えるなら、文学は

高尚である
とか、読んだ本の数が教養に結びつく。とお考えの方にとって桜

庭さんの文学観は違和感を覚えるかもかもしれません。 
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Comment


 

Re:「ファミリーポートレイト」 桜庭一樹(03/14)

こんばんは。桜庭一樹さんの新作読んだんですね。うらやましいです。
私も読みたいのですが、図書館で借りるのは難しそうです。
前に住んでいた田舎の図書館と違って、引っ越して来た都会?の図書館は新作の貸し出し予約数がハンパないです・・・。二桁は当たり前で、「ハリポタ」に至っては、三桁の世界。

感想読ませていただいて増々読みたくなりました。
はぁ~。借りるより買ったほうがいいのか、悩んでます。

 

ぷるんつさん

おはようございます♪

>こんばんは。桜庭一樹さんの新作読んだんですね。うらやましいです。
>私も読みたいのですが、図書館で借りるのは難しそうです。
>前に住んでいた田舎の図書館と違って、引っ越して来た都会?の図書館は新作の貸し出し予約数がハンパないです・・・。二桁は当たり前で、「ハリポタ」に至っては、三桁の世界。

そりゃ「一票の格差」みたいなものですね!!人口の多い自治体は同じ本をたくさん購入するべきです。(笑)

>感想読ませていただいて増々読みたくなりました。
>はぁ~。借りるより買ったほうがいいのか、悩んでます。

万人向けとは言い難い感がありますが、読み応えは充分あると思います。 1700円ですからね・・私も悩みましたぜ。

 
 
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