プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
文芸書中心の読書日記です。
読書傾向はフリーエリアの円グラフを見てください。 サイトのご案内

フリーエリア
ひとこと掲示板
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

-----(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
03-09(月)

「日の名残り」 カズオ・イシグロ


品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々。過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。


<感想> ★★★★★

突然ですが、ステイングの"Englishman In New York"という曲ををご存知で

しょうか? ニューヨークに暮らしながらも英国流の格式と伝統にこだわり、

それを貫き通そうとする英国人のことを歌っています。 


同じ言語を使う米国と英国ですが、その文化は異なります。小説(文学)の

世界に目を転じてみると、その違いをありありと感じることができます。 

エンターテイメント系においてもその違いは顕著で、やたらとまどろっこしい

英国流にはしばしば辟易とさせられることが多くて、ついつい敬遠してしま

います。 


さて、名家に仕える老執事(バトラー)の一人称で語られる本書の舞台は1

956年。 旅に出ることになった彼がその折々に過去の出来事を語る設定

で、あらすじを読む限りでは、英国流臭さがプンプンしてきます。 

ところが読み始めると冒頭からグイグイと引っ張られます。 執事という仕

事の特殊性はもちろんですが、主人公のキャラクター造形がピカイチです。 

上流社会独特の品格に拘り、生真面目で融通が利かない・・・。 彼は忠実

なる執事という立場で封建的な社会に生きる典型的な英国人ですが、さら

に言うなら古い体質の大英帝国そのものです。 しかし、著者は英国の風

刺小説にありがちなネガティヴな側面でそれ語ろうとはしません。 執事と

して生きてきた彼の半生。 それを振り返るときに彼が感じる後悔と、それ

に伴う微妙な心の揺れを静かに、そして終始温かな視線で描いていきます。 

特にラストの桟橋でのシーンは秀逸かつ感動的です。 


米作品は読むけど英作品はイマイチ苦手という方。 よくわかないけど執事

ってカッコよくない?
と近頃お思いの方。 ちょっと違うと思うけど『メイちゃん

の執事』
で執事にハマっているという方にもおススメします。


   
関連記事
スポンサーサイト
 

Trackback

URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 

Comment


 

し、執事…っ!

こんにちはー☆おぉ星5つ!
イギリスの本てクリスティとハリポタしか読んだことないかもです。恥ずかしながら「ブッカー賞」も初めて知りました。
品格・格式・伝統なんてカッコいいですね!
“執事”というとわたしはどうしてもメイちゃんの執事系の方しか浮かびませんが・・・笑

 

まる811さん

こんばんはぁ~♪

>こんにちはー☆おぉ星5つ!
>イギリスの本てクリスティとハリポタしか読んだことないかもです。恥ずかしながら「ブッカー賞」も初めて知りました。

イギリスものって、やたら○○卿やら××婦人が出てきたりするじゃないですかぁ~基本的に日本にない制度なんでそのあたりがダルダルなんですよね。 ハリポタシリーズは未読ですが、クリスティーOKなら余裕で読みこなせると思いますよ。 

>品格・格式・伝統なんてカッコいいですね!
>“執事”というとわたしはどうしてもメイちゃんの執事系の方しか浮かびませんが・・・笑

ホンモノの執事はすげぇ~ハードだということがわかりました。 『メイちゃんの執事』はドラマで見てますぜ!!

 
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。