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03-09(月)

「ポトスライムの船」 津村記久子



「わかった、貯めよう」 世界一周の費用と年間手取り給が同額だと気づいたナガセは、働く目的として執拗なまでの節約を試みるが…。お金がなくても、思いっきり無理をしなくても、夢は毎日育ててゆける。契約社員ナガセ29歳、自分の年収と同じ世界一周旅行の費用を貯めること、総額163万円なり。



<感想> ★★★★☆

読み終わって感じたのは、アマ○ンには、この作品のどこが芥川賞なんだっ!

とか、つまんない稚拙である。なんていう一方的なカスタマーレビューが埋め

つくされているんだろうな・・ということです。 


さて、主人公のナガセは29才の派遣社員。 恋人もなく、結婚した友人と比較

するなら極めて宙ぶらりんな格好です。 しかし、いわゆる就職氷河期世代の

ナガセにとってそれはモラトリアムではなく着地点です。 

そんなナガセの日常が淡々と語られる本書はジミだし、行間を読むという作品

でもないように感じます。 それを凡庸と捕らえるなら、一方的なレビューを否

定することはできません。 


ただ、私が感じたのは、他の作家ならこの題材をどのように料理するだろうか

ということです。 直木賞系の作家なら、女性同士の人間関係をドロドロに描

いて、それなりのエンターテイメントに仕上げると思います。 また、一人称を

用いれば、主人公の内面に深く入り込んでバリバリの私小説に仕立てること

も不可能ではありません。 ただ、そこにドラマは存在しますがリアルは存在

しません。 私は、あえてリアルな29歳を描くことに拘った著者と、それを最

後まで貫くことの出来る、作家としての力量を評価したいと思います。


つまり、芥川賞とはそういうものなのではないでしょうか?




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Comment


 

Re:「ポトスライムの船」 津村記久子(03/09)

こんばんは!
私が芥川賞作品になじめない原因は、リアルを描ききるかどうかの評価にあるのかなぁ。もし、きたあかりさんの言うようだとすると、腑に落ちる。
私自身は小説に別もの求めているようなので、リアルで押される小説は腰が引けているのかもしれません。
興味深い分析でした。勉強になります。

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは!
>私が芥川賞作品になじめない原因は、リアルを描ききるかどうかの評価にあるのかなぁ。もし、きたあかりさんの言うようだとすると、腑に落ちる。
>私自身は小説に別もの求めているようなので、リアルで押される小説は腰が引けているのかもしれません。
>興味深い分析でした。勉強になります。

必ずしもリアルでなくてもいいと思いますが、安きに流れないと言うか、作者自身のこだわった表現方法で描いて最後まで破綻してない。 ということだと思います。 まぁ~私もあまり馴染めてないんですが・・(笑)

 
 
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