今日はどんな一日だった? 4年ぶりに再会した弟が綴るのは、嘘と事実が入り交じった私の観察日記。立ちこめる湯気の中、私は冷たい肌が温まっていくのを感じている……。『ひとり日和』で芥川賞を受賞した著者が描く、OLのやさしい孤独。
<感想> ★★★★☆
青山七恵さんの芥川賞受賞後第一作です。
授賞から二年経っていますが、アッサリした文章は健在です。
さて、本書の主人公は内向的なOLです。 青山七恵さんご自身も旅行会
社に勤務するOLさんのようですが、なんとなく他人と距離を置いてしまう若
い女性の姿をリアルに描いています。 特に大きな出来事はありませんが、
突然同居するようになった破天荒な弟を触媒にして、少しづつ変わっていく
主人公の姿が印象的です。 サラリと読めてしまいますが、主人公の吐くた
めいきはやたらと琴線にふれてきます。
文章自体が凝っているワケでもないし、ストーリーも平板と言えば平板です。
ただ、青山七恵という作家には、読者の心を作品に向かい合わせる力があ
るような気がします。 だからこそ読者は最小限の文章で魅了されるのかも
しれません。 なんとなくだけど
『ひとり日和』はヨカッタなぁ~という方にオス
スメします。
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