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10-24(金)

「遠い日の戦争」 吉村昭



終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は米軍捕虜を処刑した。 無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。 だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。 戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始る。


<感想> ★★★★★

来月、「私は貝になりたい」という映画が公開になります。 戦時中、上官の

命令によって行った捕虜への虐待により戦争犯罪人として裁かれ、絞首刑

になってしまう理髪師を中居正広さんが演じます。 


さて、戦勝国が敗戦国を一方的に裁く戦争犯罪に関しては、今なお論議が

あるようなので詳しく言及しませんが、敗戦後極東軍事裁判でA級戦犯とし

て訴追を受けたのは27人。 そのうち7人が絞首刑になっています。 しか

し、罪状の異なるBC級戦犯においては正確な訴追人数は把握されていな

いものの実に1,000人以上が死刑判決を受けた(減刑者を含む)とされてい

ます。 その中には上官の命令を忠実に実行しただけの下士官や兵士など

も含まれ、終戦後平穏な日々を送っていた一般人である彼らが、何の前触

れもなく逮捕され絞首刑になってしまうという事例がいくつもあったようです。 


この作品の主人公は年若い将校です。 当然ながら戦時中エリートだった

彼がどのような経緯や背景で捕虜を虐殺してしまったのか?敗戦後一転し

て戦犯として逃げ回らなくてならない主人公の葛藤などが見事に描かれてい

ます。 

このジャンルでは柴田錬三郎賞を受賞した帚木蓬生さんの『逃亡』という作

品が有名です。 逃亡劇というエンターテイメント性では帚木蓬生さんの方が

優れていますが、敗戦時18歳だった著者の経験や心理を色濃く反映した文

章は説得力という点で抜きん出ているように思います。 


敗戦後、日本は民主化され奇跡の経済成長を遂げます。 その延長線上で

生きている私はそれを否定するつもりはありませんが、戦争で負けるという

ことはどういうことなのか?
そんなことを考えさせてくれる一冊です。







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Comment


 

Re:「遠い日の戦争」 吉村昭(10/24)

こんばんは!
私は昭和28年生まれですから、太平洋戦争後の日本の変化のただ中にいたように思います。戦犯として処刑された下級将校や兵たちの苦悩を知るよしもないのですかしっかりふまえて生きていきたいと思ってます。

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは!
>私は昭和28年生まれですから、太平洋戦争後の日本の変化のただ中にいたように思います。戦犯として処刑された下級将校や兵たちの苦悩を知るよしもないのですかしっかりふまえて生きていきたいと思ってます。

28年といえば講和の翌年になりますね。
最近、若い世代が右傾化しているなんて言われますよね。 まぁ~それはそれで仕方ないかなと思うんですが、こういう(BC級戦犯)悲劇を知った上でモノを言っているのかなぁ~?などと思ったりもします。

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