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12-13(木)

「水底の森」 柴田よしき


下町のアパートの一室で、顔を潰された身元不明の死体が発見された。その部屋に住んでいた若い夫婦は行方不明。現場にはエンドレステープに録音されたシャンソンが流れ続けていた。誰が、何のために?歌に込められた犯人のメッセージは何か?やがて第二の殺人が―。所轄刑事の遠野は行方をくらましたその女・風子を追い始める。ノンストップサスペンスの幕があがる。



<感想> ★★★★★

ここしばらく柴田よしきさんの作品を読んできた甲斐がありました。

本書は文庫二冊組の長編で、読み応えも充分な一冊でした。 


二人の刑事が、殺人事件の容疑者と目される「風子」の足跡を辿って、

故郷である日本海側の町を尋ね歩く前半。 彼女はなぜ故郷をあとに

したのか・・靴底をすり減らしながら、細い糸を手繰り寄せる刑事は松

本清張の『砂の器』を彷彿とさせます。


中盤からは「風子」の視点が加わります。 境遇に恵まれないながらも

前向きに生きようとしますが、運命に翻弄されていく彼女は常に不幸を

手にしてしまいます。 こちらは『嫌われ松子の一生』の主人公を思い

起こさせます。


終盤はこの二つの物語が収斂して、意外な方向に話が展開していきま

す。 もちろんミステリーなので犯人は・・・というオチも巧く出来ています

が、それ以上に運命に翻弄され、墜ちていく「風子」の描き方が秀逸で

す。 不確かだと知りながらも、自分の全てを差し出しててしまう「風子」

の生き方は愚かです。  しかし、それは誰かと繋がっていないと壊れて

しまう彼女自身の生存本能と言えます。 そこには、恋愛に限らず常に

誰かと繋がっていたいと願う人間の本質が描かれているような気がしま

す。


全体のトーンも暗いし、余韻を残す結末も明るいものではありませんが、

ズシリとくる重さは、読者の心の中に何かを残します。

前段でも引き合いに出しましたが『砂の器』『嫌われ松子の一生』

お好きな方なら、どっぷりハマることの出来る一冊です。

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Comment


 

Re:「水底の森」 柴田よしき(12/13)

これ、読みたいと思って確保してある本です。
ゆっくり時間のある時にどっぷりハマりたいと思います! 

 

hamutanさん

おはようございますぅ~♪

>これ、読みたいと思って確保してある本です。
>ゆっくり時間のある時にどっぷりハマりたいと思います! 

この本が未読のまま手元にあるというのは、とてもシアワセなことだと思いますぜ!イッキ読みがオススメです★

 

かぶりましたよ!

 私も今日柴田よしきさんUPしました。本のタイトルはちがいますが、かぶりましたね!
 でも私がUPしたのより、こっちの方がおもしろそうです・・・笑

 

Re:「水底の森」 柴田よしき(12/13)

文句なしの力作ですよね!
柴田さんの作品は4,5冊しか読んだことないんですが、私的には
『激流』と並んで、この『水底の森』がダントツ好きな作品です。
幸薄く、複雑な人生を歩む風子と彼女を追う刑事遠野の関係は、
読んでいるうちに高村薫さんの『照柿』を思い出しました。
追われる女、追う刑事、という設定自体が似通ってるせいだろうけど、
業をもった哀しい女の生き様を執拗なまでに描き通してるところが、
かなり似てませんか?
もっとも、アクの強い高村さんに比べて、柴田さんの作品は淡白さが
あって、そこがいいとこでもあり、弱いところでもあるかも~。(またまたナニサマ発言、お許しを~m(_ _)m)

 

Re:「水底の森」 柴田よしき(12/13)

こんにちは!
面白そうですね。早速、リストに加えます。
忙しい年末をお過ごしかと思います。
こちら埼玉はウイルス性胃腸炎が猛威をふるってます。そちらには伝播してませんか?お気をつけてお過ごしください。

 

ぶんこやさん

こんばんはぁ~♪

> 私も今日柴田よしきさんUPしました。本のタイトルはちがいますが、かぶりましたね!

私も今朝うかがっておぉぉ~と思いましたよ(笑)
読書系ブログも数多くありますが、お付き合いさせていただいている方って、やっぱり読書傾向が似かよっているんですよね! ちなみに昨日はリンク先に、高野和明さんの感想をUPされている方がお二人いらっしゃいました★

> でも私がUPしたのより、こっちの方がおもしろそうです・・・笑

『ミスティーレイン』は気になっている作品です。 
ここしばらく柴田さんを読んで感じるのは、作品の幅の広さです。一冊読むたびに先入観を覆されます。 

 

rosa caninaさん

こんばんはぁ~♪

>文句なしの力作ですよね!

ほい!すげぇ~気合の入った作品だと思います!

>柴田さんの作品は4,5冊しか読んだことないんですが、私的には
>『激流』と並んで、この『水底の森』がダントツ好きな作品です。
>幸薄く、複雑な人生を歩む風子と彼女を追う刑事遠野の関係は、
>読んでいるうちに高村薫さんの『照柿』を思い出しました。
>追われる女、追う刑事、という設定自体が似通ってるせいだろうけど、
>業をもった哀しい女の生き様を執拗なまでに描き通してるところが、
>かなり似てませんか?
>もっとも、アクの強い高村さんに比べて、柴田さんの作品は淡白さが
>あって、そこがいいとこでもあり、弱いところでもあるかも~。(またまたナニサマ発言、お許しを~m(_ _)m)

激しく同意します。 今まで柴田さんの作品はメロドラマ仕立てのミステリーしか読んでいませんでしたが、『RIKO』を読んだときに高村臭?を強く感じました(笑)高村薫さんはホントにスゴい作家だとは思うんだけど生理的にダメです。 BLはさておき、あの粘着質な文章が苦手です。 正直言って『照柿』は最も強くそう感じた作品です。 そんな作品を最後まで読ませるのが高村さんの実力です。

ご指摘の通り、この作品でも遠野と夏樹の関係、同じく風子との関係など後半は高村臭がぷんぷんします。
個人的にはギリギリの線で、あれ以上シツコク書かれるとダメです。 そのあたりは意図されたものかどうかわかりませんが、絶妙の加減だと思います。 

まさしく・・
>そこがいいとこでもあり、弱いところでもあるかも~。

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんにちは!
>面白そうですね。早速、リストに加えます。

この作品はオトナも楽しめる作品です。 アニキにも強くオススメしちゃいます♪

>忙しい年末をお過ごしかと思います。
>こちら埼玉はウイルス性胃腸炎が猛威をふるってます。そちらには伝播してませんか?お気をつけてお過ごしください。

お気遣いありがとうございます。
今のところウイルス性胃腸炎の猛威は、江戸川を越えていないようです。 
でも、冬休み明けは一気に拡散するでしょうね・・
あんまり頑張り過ぎないようにして、休養第一で年末を乗り切ります♪

 

Re:「水底の森」 柴田よしき(12/13)

これ、すごく良かったです。私にとって初柴田作品だったので こういう作風の作家さんと思ったら 実に多彩なタイプを書き分けるかたなので驚きました。 読んだ直後に舞台になっていた石川県松任市に出張があり その点でも印象的でした。
高村ファンの私は否応無く引き込まれました。

 

りりぃ1549さん

こんばんはぁ~♪

>これ、すごく良かったです。

そうですね♪激しく良かったです(笑)

私にとって初柴田作品だったので こういう作風の作家さんと思ったら 実に多彩なタイプを書き分けるかたなので驚きました。 読んだ直後に舞台になっていた石川県松任市に出張があり その点でも印象的でした。

私も北陸地方を旅したときに、松任を通ったことを思い出しました。 やはり北陸って独特の雰囲気があると思います。

>高村ファンの私は否応無く引き込まれました。

『新リア王』読もうと思っているんですが勇気が・・(汗)

 
 
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