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12-07(金)

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹


大人になんてなりたくなかった。傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。でも、早く大人になりたかった。自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。実弾が、欲しかった。どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。山田なぎさ―片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。海野藻屑―自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。全ては生きるために、生き残っていくために―。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。


<感想> ★★★★★

やはりタダモノではありませんでした。 

本書はそんな桜庭一樹さんの出世作です。 初版はライトノベルの文庫で

上梓されましたが、重版を重ねて単行本化されました。 つまり、初版当

時はまったく注目されてなかった特定ジャンルの作品が読者の口コミで広

まり、より多くの読者に支持されたということです。 


さて、本書も『少女には向かない職業』と同じく主人公は地方に住む二人

の少女で、それぞれ周囲の圧迫された閉塞状態に置かれています。 

そこから抜け出すために社会で必要とされている「実弾」を撃ちまくる山田

なぎさ。 一方で現実に目を背けてモノを撃ち抜くことのできない「砂糖菓

子の弾丸」を撃ち放つ海野藻屑(←人の名前です・笑)。 


扱っているテーマはヘビィーだし、冒頭で明らかになってしまう結末は救

いようのないものですが、13歳の少女には何が必要なのか?周りにいる

人間はもちろんですが、もしかすると一番気がついていないのは少女達な

のではないのか?  思春期の少女を対象としたライトノベルで作者が言

いたかったことは、そのあたりにあるのかもしれません。 


しかし、読者層が広がれば作者の思惑以上に作品は一人歩きをはじめ

ます。 結果的には、そこにこめられた普遍性がモノを言うことになります

が、このテーマは作者が思った以上に普遍性があったということです。 

もちろん作者の力量が、それを一級の文芸作品に押し上げているのは言

うまでもありません。


 あたしは、暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとして

ある日大人になるだろう。 <中略>

だけど十三歳でここにいて周りには同じようなへっぽこな武器でぽこぽ

こへんなものを撃ちながら戦っている兵士たちがほかにもいて、生き残

った子と死んじゃった子がいたことはけして忘れないと思う。 

 忘れない。  <中略>

 この世界ではときどきそういうことが起きる。 砂糖でできた弾丸(ロ

リポップ)では子供は世界と戦えない。 

 あたしの魂は、それを知っている。 



↓文庫なら半額で買えるんだけどね・・(汗)



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Comment


 

Re:「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」 桜庭一樹(12/07)

表紙の絵を見るだけでは絶対に手にとらない本かも~
でもこうしていろんな本の情報がもらえるからありがたいです。桜庭一樹さん、メモしました。

 

Re:「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹(12/07)

私もコレは図書館で予約してるんですが、まだ手元に
届いてません。
ま、とりあえず、今週届いた3冊を読むのが先なんですが・・^^;
ちょっと雑用多くて読書時間が取れず苦戦してます。

でも、ホント、桜庭さんっていいですよね~☆
しばらくの間、彼女にハマってしまいそうです♪

 

ケイプコッドさん

>表紙の絵を見るだけでは絶対に手にとらない本かも~

うん!私も絶対ムリです(笑)

>でもこうしていろんな本の情報がもらえるからありがたいです。桜庭一樹さん、メモしました。

桜庭一樹さんは今回初めて読みましたが、二年ぐらい前からあちこちで名前は聞いていました。 情報の伝達ってすごいよね。 『少女に似合わない・・』は月末に文庫が出るようです。

 

Re[1]:「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹(12/07)

rosa caninaさん
>私もコレは図書館で予約してるんですが、まだ手元に
>届いてません。
>ま、とりあえず、今週届いた3冊を読むのが先なんですが・・^^;
>ちょっと雑用多くて読書時間が取れず苦戦してます。

本が読めないとストレス溜まりますよね!!
『少女に・・・』もいいけど、こちらの方が一人称語りは効果的に効いているかなぁ~と思いました。抑制の効いた語り口がビミョーにチャンドラーっぽくてヨカッタです

>でも、ホント、桜庭さんっていいですよね~☆
>しばらくの間、彼女にハマってしまいそうです♪

公式HPみつけました♪やはり海外ミステリはずいぶん読み込んでいらっしゃるようです。 P・D・ジェイムズを好きな作家の一人としてあげてましたよ(笑)

 

Re:「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹(12/07)

こんばんは!
桜庭一樹さんですね。
可愛い表紙は「十二国記」で慣れておりますから、文庫本でいってみます。

 

Re:「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹(12/07)

こんばんわ~☆

文庫の表紙と中身が激しく一致しませんねー!しかも、海野藻屑って・・・(笑)
タダモノじゃないですね。

桜庭さん、どれから読むのがきたあかりさんのオススメですか??

 

読みたくなりました

 きたあかりさんのレビューを読んで、これすっごく読みたくなりました。
 でも、たしかにこの文庫の表紙は手に取りにくいですねえ・・・(笑)

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは!
>桜庭一樹さんですね。
>可愛い表紙は「十二国記」で慣れておりますから、文庫本でいってみます。

ちなみに私は単行本の方をブック○フで入手しました。 半額だったけど、文庫の方が安いんですよね・・
『少女には・・・』も近々文庫が出るようです。

 

まる811さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんわ~☆

>文庫の表紙と中身が激しく一致しませんねー!しかも、海野藻屑って・・・(笑)
>タダモノじゃないですね。

うん!すげぇ~ネーミングだと思います。 タダモノじゃないよね・・(笑)

>桜庭さん、どれから読むのがきたあかりさんのオススメですか??

まだ二冊しか読んでないのでなんとも言えませんが『少女には向かない職業』の方が読みやすいと思います。 月末には文庫も出るようなので・・・。 

 

ぶんこやさん

こんばんはぁ~♪

> きたあかりさんのレビューを読んで、これすっごく読みたくなりました。
> でも、たしかにこの文庫の表紙は手に取りにくいですねえ・・・(笑)

あくまで個人的な見解ですが、2~3年後に桜庭さんは直木賞を獲ると思います。 オリジナリティーと言う点ではピカイチです。 そのときのためにも表紙はなんとかして欲しいですね(笑)

 

このミス!2位

こんばんは☆

今日『このミス!08』を買ってしまったのですが、そこで桜庭一葉の『赤朽葉家の伝説』が2位にあげられていて今一番気になっています~(。。)

 

ゆずりは文庫さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは☆

>今日『このミス!08』を買ってしまったのですが、そこで桜庭一葉の『赤朽葉家の伝説』が2位にあげられていて今一番気になっています~(。。)

私は1位の『警官の血』にしようか『赤朽葉・・』にしようか迷いましたが『赤朽葉・・』を買いました。

ちょうど半分ぐらい読んだところですが、またもや★★★★★の予感です・・・
できれば今年中に感想をUPします♪

 
 
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