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10-10(水)

「走るジイサン」 池永陽


頭の上に猿がいる。話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。お前はいったい何者だ―。近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。


<感想> ★★★★☆

池永陽さんの作品を読むのは三作目になります。

『コンビニ・ララバイ』では物語の面白さを堪能しましたが、本書は更に小説

としての巧さが兼ね備わっています。 著者のデビュー作にあたるようですが、

デビュー作にしては巧すぎます。 池永陽さんの才能を見せつけられたような

気がします。


さて、主人公は長年、鋳物職人と過ごしてきた69歳の作次。 長男夫婦と暮

らす彼の日常を軸に物語が展開していきます。 個人的に69歳といえば、そ

こそこ枯れてはいるものの、長年の人生経験にモノを言わせて多少のことで

は動じない・・・というイメージですが、主人公の作次は同居する嫁さんや周囲

の人々言動、そして老いへの恐怖に翻弄されています。 


思えば私も20歳のころは、40過ぎたら酸いも甘いもかみ分けたリッパな

オッサンになっていると思っていましたが、実際はそうでもなかったりします。 

人生の機微は20歳にもあるし、40歳になってもあります。 それは69歳

というリタイヤした世代にもあるということを、ユーモアに適度の哀愁をブレ

ンドした文章で、読者に訴えかけてきます。 


作次が頭に乗せている猿は作者の思いをこめた比喩ですが、具体的にそれが

何かを論ずるより、それを淡々と受け入れる作次の心理に作品のテーマが隠

されているような気がします。 


自分が老人といわれる立場になった時、どのような状況に置かれているのか?

ウチのジイサンは何を考えているのか?そんなことをお考えの方にオススメ

です。

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Comment


 

Re:「走るジイサン」 池永陽(10/10)

頭の上に猿がいるんですね。それは気になります(笑)
池永さんは、「でいごの花の下に」「コンビ二・ララバイ」を読んで以来
ちょっとご無沙汰してます。また読んでみたくなりました。

 

Re:「走るジイサン」 池永陽(10/10)

こんばんは★
私も40才過ぎたらいい意味で大人になってるんだろうな~?って思っていたけどそんなこともなく。。。きっと60過ぎてもそうなんだろうな~
かわいいおばあちゃんになりたいな。茶飲み友だちがいたらサイコーです。

 

読みたいです

この本は、タイトルにもたいへんに惹かれるものがあって(笑)、新人賞を取ったときからずっと気になっていたものでした。そうか。もう文庫になっていたんですね。

 

Re:「走るジイサン」 池永陽(10/10)

こんばんは!
私も!20/30/40/50代と実年齢と期待年齢がずれていくばかりで、やるせないです。
きっとジイサンと同じ運命をたどりそうです(笑い泣)。

 

kayokorinさん

こんばんはぁ~♪

>頭の上に猿がいるんですね。それは気になります(笑)

川上弘美さんは猿が怖くて出掛けられないようですが、このジイサンは猿が頭に乗ってるんですぜ。かなり怖いですよね(笑)

>池永さんは、「でいごの花の下に」「コンビ二・ララバイ」を読んで以来
>ちょっとご無沙汰してます。また読んでみたくなりました。

『コンビ二・ララバイ』と比較するとコクがあるように思います。 オススメです♪

 

ケイプコッドさん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは★
>私も40才過ぎたらいい意味で大人になってるんだろうな~?って思っていたけどそんなこともなく。。。きっと60過ぎてもそうなんだろうな~

久しぶりに、面白さと巧さのバランスが取れた作品を読むことが出来ました。ご紹介ありがとうございました♪

>かわいいおばあちゃんになりたいな。茶飲み友だちがいたらサイコーです。

おいらはいつまでも野獣でいたいものです。がぉぉ~(笑)

 

ぶんこやさん

こんばんはぁ~♪

>この本は、タイトルにもたいへんに惹かれるものがあって(笑)、新人賞を取ったときからずっと気になっていたものでした。そうか。もう文庫になっていたんですね。

この作品は、玄人スジの評価がとても高い作品です。
ストーリー自体も面白いけど、適度にブンガクしているあたりがいいです。

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんばんは!
>私も!20/30/40/50代と実年齢と期待年齢がずれていくばかりで、やるせないです。
>きっとジイサンと同じ運命をたどりそうです(笑い泣)。

たしかに、しょぼいジイサンが主人公なので老いに対する不安のようなものも描かれていますが、こんなジイサンになれればいいなぁ~という思いも少しあります。 普通のジイサンの物語ですが妙に心に残る一冊です♪

 
 
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