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09-23(日)

「第一阿房列車」  内田百けん


「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。借金までして一等車に乗った百けん先生、世間的な用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出た。珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える。読書界の話題をさらった名著を新字新かな遣いで復刊。


<感想> ★★★★☆

本書は、鉄ヲタ界の巨星、内田百けんの阿房(あほう)列車シリーズ第一作。

かつて、鉄ヲタ少年だった私から言わせれば、昨今の鉄道は新幹線の普及で

輸送力とスピードは昭和のそれと比較にならないぐらい向上していますが、

一方で日本全国の路線が平板化して面白味に欠けているように思います。 

本書が連載されていた昭和20年代の終わりから30年代の半ば、新幹線は

まだなくて主要路線では特急列車、地方路線では急行列車が幅を利かせてい

た時代で、バラエティーにとんだ鉄道の旅が出来ました。 しかし、一方で

東京大阪間は半日、三等の座席は硬いし、行商列車の中は魚臭い、雪が降

れば止まってしまう。 唯一の長距離移動手段である鉄道は当時、かなり

理不尽な側面を併せ持っていたようです。

本書では、そんな理不尽さをブーブー言いながらも楽しんでいる百けん先生

がとてもユーモラスで笑わせてくれます。 


さて、鉄ヲタ的な観点で感想を述べるなら上記のようになりますが、内田百

けんの随筆(エッセイ)の魅力はなんといっても、キレとコクのある文章です。 

鉄道・旅のエッセイとしても読めるし、ユーモアエッセイとしても読める。 

文章家としても優れているし、その洞察力は教養エッセイとしてもピカイチで

す。


汎用性という言葉が文芸作品を語る上で、適切なのかどうかわかりませんが、

それが脈々と読み継がれている理由なのかもしれません。

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