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04-07(土)

「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生


徹平と暮らし始めて、もうすぐ半年になる。だけど今が手放しで幸せ、という気分ではあまりなくて、むしろ転覆するかも知れない船に乗って、岸から離れようとしている、そんな気持ちがまとわりついていた―。新しい恋を始めた3人の女性を主人公に、人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、みずみずしく描き上げる感動の小説集。切なくて、とても真剣な恋愛小説。

<感想> ★★★★★

島本理生さんの新作です。 おそらく今週最も多く感想がUPされている本で

はないかと思います。 第135回芥川賞にノミネートされた表題作のほか『クロ

コダイルの午睡』『猫と君のとなり』の三作が収められている作品集です。


まずは表題作の『大きな熊が来る前に、おやすみ。』 ひとことで言えば、とに

かく重い作品です。 とは言うものの島本作品は、ある種の重さや暗さを湛えた

「沼」を核にしたものが多くて、そこが魅力になっているのも事実です。 

では、この作品の相違点は?と問われればその「沼」を直接的に描いているか

否かです。 喩えるなら従来の作品では「沼」は林の向こうにあって見ること

は出来ないけど、その気配が物語全体を支配しています。 それと比較する

なら、この作品では「沼」自体をストレートに描いています。 この作品の異

様な重さの要因はそこです。 それをどう判断するかは読者次第ですが、従来

の読者であれば若干の違和感は拭えないと思います。


『クロコダイルの午睡』は、ジェーン・バーキンを聴いているジミ目な女の子が

主人公です。 前半は従来の島本作品と変わることはありませんが、あのラスト

は・・・・。 角田光代チックな展開に退いてしまう読者もいるかもしれません

が、個人的にはかなり好きです。 文章の巧さも一番際立っているように思い

ます。


最後の『猫と君のとなり』は、この作品集のための書き下ろしだと思います。 

暖かで心の温まる作品で、作品集全体のバランスを整える役割を担っています。 


10代でデビューして20代の前半の現在、巷では老成した作家と言われる島本理

生さんですが、本書を読む限りでは、作家として真っ当な道を歩んでいるよう

な気がしました。 

一年半ぶりの新作でしたが、『新潮』の3月号に250枚の作品を掲載している

ので次回作の上梓も遠くないと思われます。

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Comment


 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

うんうん、まったくその通り~! と思って今日のブログ拝見しました。
これからの島本理生さん、ますます目がはなせませんよ~♪
『大きな熊が・・・』では、じゅうぶん びびらせていただきましたし、
『クロコダイル・・・』では、そうです、そうです。
わたしも「角田さんが書きそうだ・・・」とか思ってました(笑)
『猫の・・・』で、最後はちゃんと着地させた感がありますが
やっぱり、テーマ、書き方は 一貫してましたね。
「実は○○だったんです~」という隠した沼ではなくて
直球ストレートど真ん中でしたね。でも、大丈夫。
島本さんの球なら、どんな球でも受ける自信ありますから(笑)

 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

こんにちは!
よわったなぁ。きたあかりさん、kayokorinさん、みんなでびびらせるんだもの。
怖いもの見たさで読んでしまいそう。

 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

こんにちは

私が 読んだ本と 同じだとは思えないです。
ホント きたあかりさんの感想は
いつもすばらしいですね

 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

恋愛ものかぁ・・・・読まなくなって何年でしょうか。
わたしよりもずっと年のいった作家たちは、相変わらず恋愛を描くのに余念がないのに、わたしったらなんてことでしょうか。
きたあかりさんはいまだ恋愛ものを読んで感銘を受けることができるのですね。
うららますぃ~

 

kayokorinさん

こんばんはぁ~♪

>うんうん、まったくその通り~! と思って今日のブログ拝見しました。
>これからの島本理生さん、ますます目がはなせませんよ~♪
>『大きな熊が・・・』では、じゅうぶん びびらせていただきましたし、
>『クロコダイル・・・』では、そうです、そうです。
>わたしも「角田さんが書きそうだ・・・」とか思ってました(笑)
>『猫の・・・』で、最後はちゃんと着地させた感がありますが

kayokorinさんの感想を拝見して新境地とお書きになっていたのでどんなだろう??と思って読み始めました。『大きな熊が・・・』島本作品という先入観があったせいかかなりインパクトが強かったです!

>やっぱり、テーマ、書き方は 一貫してましたね。

個々の作品を読むとあれぇ~と思うんだけど、作品集全体を一つの作品と捉えれば、やっぱ島本理生さんらしいなぁ~と思いました♪

>「実は○○だったんです~」という隠した沼ではなくて
>直球ストレートど真ん中でしたね。でも、大丈夫。
>島本さんの球なら、どんな球でも受ける自信ありますから(笑)

島本さんの作品を読むと鷺沢萠さんの初期に似ているなぁ~と思うことがあります。 そのせいか出版社には島本さんを大切に育てて欲しいなぁ~というのが個人的な思いです。 この作品集は評価が分かれるかもしれませんが、作家としては順調に成長されているのではないかと思います。安心しました♪

 

cyn1953さん

こんばんはぁ~♪

>こんにちは!
>よわったなぁ。きたあかりさん、kayokorinさん、みんなでびびらせるんだもの。
>怖いもの見たさで読んでしまいそう。

私は未読なのでたしかなコトは言えませんが、瀬尾まいこさんの『温室ディズ』のような感じではないかと思います(たぶん)

 

piyo☆☆さん

こんばんはぁ~♪

>こんにちは

>私が 読んだ本と 同じだとは思えないです。
>ホント きたあかりさんの感想は
>いつもすばらしいですね

とんでもないですぅ~(汗)最近、仕事でストレスが溜まっているのでストレス解消しちまいました(笑)
でも、ホントに最後の作品はホッとしたよね♪

 

ままちりさん

こんばんはぁ~♪

>恋愛ものかぁ・・・・読まなくなって何年でしょうか。

数年前までは恋愛モノなんて・・と思っていましたが、ブログをはじめてから(リンク先の方の影響で)
また読むようになりました♪

>わたしよりもずっと年のいった作家たちは、相変わらず恋愛を描くのに余念がないのに、わたしったらなんてことでしょうか。
>きたあかりさんはいまだ恋愛ものを読んで感銘を受けることができるのですね。
>うららますぃ~

「せつない」という感情を最も表現しやすいのは恋愛小説ではないかと思います。 まぁ~お金がないときも「せつない」ですけどね(笑)

 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

きたあかり様

こんばんは。そしてずいぶんとご無沙汰しております。島本さんの新刊はきたあかりさんは絶対読まれるはずだと思ってたので、早速レビューを拝見できて良かったです。
TBさせていただきましたー。

 

きらりこ。さん

おはようございますぅ~♪

>きたあかり様

>こんばんは。そしてずいぶんとご無沙汰しております。島本さんの新刊はきたあかりさんは絶対読まれるはずだと思ってたので、早速レビューを拝見できて良かったです。

うぅ~見抜かれているぅ~(笑)
島本理生さんは、本を買う以外に個人献金したいぐらいの作家です!これからもいいモノを書いて欲しいです♪♪

TBありがとうございました★


>TBさせていただきましたー。
-----

 

Re:「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 島本理生(04/07)

きたあかりさんの感想を読むと私も読んだ気になってしまうから不思議です。
表紙も独特な感じがしますね。

 

ケイプコッドさん

>きたあかりさんの感想を読むと私も読んだ気になってしまうから不思議です。

ここしばらく仕事が忙しかったので、ストレス解消も兼ねて書きまくっちまいました。 下手な感想にお付き合いいただき恐縮です(汗)

>表紙も独特な感じがしますね。

酒井駒子さんという人の絵です。
本の装丁をいくつも手がけています。
http://www.officek.jp/karakasa/monolog/sakaikomako.shtml" target="_blank">http://www.officek.jp/karakasa/monolog/sakaikomako.shtml

 

読了しました!

ついに読んでみました。島本作品。TBさせていただきましたm()m

こちらの記事を拝見しますと、新たな境地に達した作品だったのでしょうか?予備知識ないままに読んだので、思っていたよりも重ためだなあと感じました。

 

ゆずりは文庫さん

おはようございますぅ~♪

>ついに読んでみました。島本作品。TBさせていただきましたm()m

>こちらの記事を拝見しますと、新たな境地に達した作品だったのでしょうか?予備知識ないままに読んだので、思っていたよりも重ためだなあと感じました。

従来の島本作品と比較すると「ストレートな重さ」があると思います。 作品単体としてどう評価するかは読者次第ですが、作家としては新境地を開いて益々成長していくのではないか・・などと考えます。

TBありがとうございました。
早速うかがいます★

 
 
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