プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
文芸書中心の読書日記です。
読書傾向はフリーエリアの円グラフを見てください。 サイトのご案内

フリーエリア
ひとこと掲示板
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

-----(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
04-04(水)

「白昼の死角」 高木彬光


明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す“天才的知能犯”鶴岡七郎。最後まで警察の追及をかわしきった“神の如き”犯罪者の視点から、その悪行の数々を冷徹に描く。日本の推理文壇において、ひと際、異彩を放つ悪党小説。主人公のモデルとなった人物を語った秘話を収録。


<感想> ★★★★☆

ライブドア事件で元社長が逮捕された時に、その類似性から敗戦直後に起きた

光クラブ事件がメディアで取り沙汰されました。 

本書は光クラブ事件について詳しく語られているとの評もありますが、それは

物語の導入部に過ぎません。 主人公は光クラブ事件の生き残りである鶴岡七

郎。 著者はこの主人公に関して、確たるモデルがいると明言していますがネ

ットで調べた限りその真偽は定かではありません。  


下敷きにした事実があるのか、それとも完全なるフィクションであるかは別に

して、敗戦直後の金融不安に乗じて、経済犯罪に手を染める主人公の斬新な手

口や法の目をかいくぐる様は、多少の荒唐無稽さは拭えないものの構成も巧い

し、スピード感のあるストーリー展開は、時代を感じさせない超一級のエンタ

ーテイメントと言っても過言ではありません。  

しかし、本書がそれ以上に優れているのは、アプレゲールと呼ばれた主人

公達の内面があますことなく語られている点だと思います。 敗戦により戦前

のさまざまな権威が失墜していなかで、価値観は大きく変化していきます。 

その混沌とした時代の中で、時代の寵児ともてはやされた彼らは何を考え、何

を感じていたのか? 奇しくもそれは、冒頭に引き合いに出した事件の関係者

の言動と一致します。 

バブル崩壊は経済面で第二の敗戦であるという論評があります。 第一の敗戦

を生きた彼らの生き様は、現代を生きる私たちの姿を客観的に見せてくれるよ

うにも思います。


1960年(昭和35年)に出版された本書は絶版状態でしたが、二年前に新装版と

して出版されました。 文庫850頁はかなりの厚さで、専門的な経済用語も数

多く出てきますが、『ナニワ金融道』がお好きな方であれば、難なく読みこな

せると思います。


関連記事
スポンサーサイト
 

Trackback

URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 

Comment


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。