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03-26(月)

「THE LONG GOODBYE」 レイモンド・チャンドラー

私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作。

<感想> ★★★★★

不滅の金字塔という言葉がありますが、ハードボイルド文学におけるレイモンド

・チャンドラーのポジションはまさにそれです。 日本ではハードボイルドの位

置づけが曖昧ですが、ひとことで言うなら、ジャンル(ミステリー)小説であり

ながら、その基本であるプロット(筋立て)より、作家独特の文体やシーンを最

優先して描かれる文学手法と言えます。 


さて、"THE LONG GOODBYE"は既に定番中の定番と言われている清水俊二訳

の『長いお別れ』が存在しています。 本書(村上春樹訳)を書店で見た時、そ

の分厚さに度肝を抜かれました。 村上春樹ファンならこの分厚さに期待を、既

に『長いお別れ』を読んでいるチャンドラー(清水俊二)ファンなら違和感を感

じることだろうと思います。 

しかし、読み始めてみると定番のセリフや言い回しはほとんど変わっていなし、

違和感はありませんでした。 では、清水俊二訳とドコがちがうのか?と言えば

訳の姿勢だと思います。 

清水俊二訳が出たのは1958年(昭和33年)です。 当時チャンドラーは、一部で

は文学者として高い評価を得ていましたが、大半の評価はジャンル小説の域を

出るものではなかったようです。 そのせいか清水俊二訳ではストーリーと関

係のない部分はかなり割愛されました。 

しかし、半世紀の時を経てチャンドラーの評価は優れたジャンル小説のそれか

ら、優れた文学作品のそれへとシフトして来ました。 前段で訳の姿勢と書き

ましたが、言い方を変えるなら読者の求め方の変化とも言えます。

チャンドラーの文章を堪能するための完訳版。 それが本書の位置づけです。


村上春樹ファン、チャンドラーファン、いずれも楽しめると思いますが、どち

らかといえばチャンドラーファンに強くオススメします。 

50頁を割いている訳者あとがきで語られるチャンドラー論を読むだけで2,000

円を出す価値はあると思います。 


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