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03-10(土)

「抱擁、あるいはライスには塩を」 江國香織





【内容情報】(「BOOK」データベースより)
三世代、百年にわたる「風変わりな家族」の秘密とはー。東京・神谷町にある、大正期に建築された洋館に暮らす柳島家。ロシア人である祖母の存在、子供を学校にやらない教育方針、叔父や叔母まで同居する環境、さらには四人の子供たちのうち二人が父か母の違う子供という事情が、彼らを周囲から浮いた存在にしていた。





<感想> ★★★★★

本書はハードカバー600頁の長編。 江國作品の中では最長のボリュームです。 


さて、あらすじを読む限りでは時代を追いながら描く大河小説をイメージすると思いますが、本書は語り手が次々と変わる連作短編に近い構成が採られています。 ただ、それぞれの章によって時代が進んだり遡ったりするので、読み始めはかなり戸惑います。 加えて、この家族の特殊性に関しても同様です。 しかし、読み進めていくうちに多すぎる登場人物もすっきり整理されて読みやすくなるし、徐々に明かされていく家族の特殊性は、読者に頁をめくらせる牽引力になっていきます。


特にすごく大きな出来事が起こるわけではありませんが、このヘンな家族の世界に入り込んでしまうとその世界から抜け出すのは容易ではありません。 また。随所に最近の作品では見られない初期作品を彷彿とさせるような描写があって、古くからの読者ならそれを楽しむこともできます。 

夕方と夜のあいだの時間で、図書室は電気をつけないと暗いが、つけてしまうとたちまち空気の中の何かがそこなわれる。 たとえば晩夏(おそなつ)の気配が。 裏庭の木も、昼間ほどくっきり見えないけれど、夜ほど黒々と闇に沈んでもいない。

私はこの一節がツボでしたが、おそらく読者それぞれがツボをみつけることができるのではないかと思います。


ラストに関してはハッピーエンドとも取れるし、その逆と解釈することが出来ると思います。 そのあたりは中途半端という声もあるようですが、少なくとも読者は読みごたえのある作品を読み終えた充実感に浸れることはまちがいありません。 


余談になってしまうかもしれませんが、この本の装丁は見事です。 読み終えたら裏表紙もチェックしてください。 本を閉じるまでが読書です。(笑)

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Comment


 

お久しぶりです

お引っ越し先にも、
お邪魔させていただきました。
江國作品は随分読んでいませんが、
この本、気になります。
読みたいと思います。
ありがとうございました。

 

コメキさん

コメントありがとうございます。
ちなみにリニューアルしてから、いただく初めてのコメントになります。 

私も昔はかなり読んでいたんですが、最近の江國作品はちょっと違うかなぁ~と思って離れていました。 この本もあまりにも分厚いので心配?していたんですが、直木賞以前のファンでも楽しめると思います。

 
 
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