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08-13(土)

「火花ー北条民雄の生涯」 高山文彦


昭和十一年一月、二・二六事件前夜の東京で、『文学界』からひとりの天才作家が生まれた。ペンネーム以外は謎に包まれたその作家の名は、北条民雄。まだ二十一歳の青年だった。ハンセン病を病みながら文学の道を志し、川端康成に見出されて傑作「いのちの初夜」を残した民雄は、いかに生きて、いかに死んだのか。差別と病魔との闘いのなか、強烈な個性と自我に苦悩し、二十三歳で夭逝した民雄の絶望と愛、生の輝きを克明に綴る感動の長篇。大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞受賞作。


<感想> ★★★★★

本書は二十三歳で夭逝した作家、北条民雄を描いたノンフィクション

です。 


昨年読んだ『いのちの初夜』でキョーレツな延髄斬り(←アントニオ・猪

の必殺ワザっす!)を食らった私は北条民雄について調べてみました。 

しかし、その情報は極めて限定されたものでした。 


冷静に考えるなら、すでに死後70年が経過している。 作家活動はわ

ずか3年であった。 すごく俗な言い方をするなら、夭逝したため結果

的に一発屋だった。 などが考えられますが、当時から北条民雄は謎

の作家とされていて、詳しい略歴が公表されなかったのが最大の要

因だと思います。 そんな北条の姿にどこまで迫っているのか?期待

と不安が入り混じる思いで本書を手に取りました。


さて、前段で申し上げたとおり北条民雄に関しての公式な記録はほと

んど残されていません。 そこで著者が足がかりとしたのは、師であっ

川端康成の書簡と、関係者の伝聞情報。 そして、生前の北条を知

る数少ない生存者。 それらを軸にして、やたら自意識の強い若者が

いかにして作家となり散って行ったのかを克明に綴っています。


北条といえばとかくハンセン病患者であったことに目がいきがちです。 

もちろん本書もそこに重点を置いて書かれているわけですが、私が注

目したのは師である川端康成との交流です。 


北条を発掘しその才能に注目した川端康成ですが、北条に対する思

い入れは半端ではなかったようです。 それらを含めて当時の文壇に

ついても詳しく書かれているので、近代文学マニアなら、それだけで十

分楽しめます。 


本書は99年に出版されています。 結果的に第31回大宅壮一ノンフィ

クション賞
と、第22回講談社ノンフィクション賞を受賞していますが、現

代において北条民雄を描いたノンフィクションが幅広い読者に受け入

れられる可能性は皆無です。 それは著者の高山文彦さんはもちろん。 

この原稿にゴーサインを出した編集サイドも認識していたことでしょう。 


ただ、おそらく北条民雄とその作品は70年間そのような想いを持つ人と

その想いを受け止めた読者にによって語り継がれて来たのではないか

と思います。 そして、本書はその役割を十分に果たしています。 


『いのちの初夜』の内容や、一般的に明らかになっている北条民雄のプ

ロフィールはこちらをご覧ください。 

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