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07-30(土)

「死の泉」 皆川博子


第二次大戦下のドイツ。私生児をみごもりナチの施設「レーベンスボルン」の産院に身をおくマルガレーテは、不老不死を研究し芸術を偏愛する医師クラウスの求婚を承諾した。が、激化する戦火のなか、次第に狂気をおびていくクラウスの言動に怯えながら、やがて、この世の地獄を見ることに…。双頭の去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作。


<感想> ★★★★☆

断言できるほど多くの本を読んではいませんが、読むたびに、すげ

ぇ~!なんでこんな小説書けるんだよ!!
とのけぞってしまう現代作

家が三人います。 村上春樹さん桐野夏生さん。 そして本書の著

者である皆川博子さんです。 


さて、本書の舞台はナチが台頭していた時代のドイツです。 ナチ

の施設である「レーベンスボルン」を中心に描いていきますが、この

施設は実在の施設で皆川博子さんはそこから物語を創りだしてい

ったようです。 


そもそもナチの政策自体がマジキチなわけですが、その意を基に造

られた施設では到底許されないことが日常化されています。 どこま

でが事実とシンクロするのかはわかりませんが、それを描く著者の

筆は実にイキイキとしていて容赦がありません。 特にヒロインの視

点で描かれる夫(施設の長である医師)の狂気が秀逸です。


後半は敗戦後の彼(女)らが語られています。 前半と比較するなら

スピード感があり評価も高いようです。 個人的には視点が変ってい

るのがザンネンでしたが、訳者あとがきのオチはチビりそうになりまし

た。 


本書は作中作というカタチを取っています。 この点はかなり凝って

いて早川書房ワル乗りしすぎだろうという感じですが、結果的にはそ

れが功を奏しているように思います。 ドイツ人や東欧系の登場人物

の名前がやたらと長ったらしいので、しっかり頭に入るまで混乱する

かもしれませんが、一度入り込むとその世界から抜け出すことができ

なくなります。 文庫600頁の長編ですが、できれば一気に読むこと

をおススメします。

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Comment


 

Re:「死の泉」 皆川博子(07/30)

読んだのは何年も前なので詳しい内容はすっかり忘れましたが、読後のずっしり感と、あとがきを読んで立ち直れないくらい混乱したのは覚えています。
その後、もう一度読みたいなあ読もうかなあ・・・いや、ムリムリ。もうあの世界には行きたくない・・・を繰り返しています。

 

ぱぐら2さん

>読んだのは何年も前なので詳しい内容はすっかり忘れましたが、読後のずっしり感と、あとがきを読んで立ち直れないくらい混乱したのは覚えています。

仕掛けは「灰色の眼」だけだと思いがちですが、それ以外にも複雑な仕掛けがあるのではないか?と思いますが、私の稚拙な読解力では解読不能です。

>その後、もう一度読みたいなあ読もうかなあ・・・いや、ムリムリ。もうあの世界には行きたくない・・・を繰り返しています。

私は死ぬ前にもう一度読み直そうかと考えています。(笑) しかし皆川博子さんホントにスゴいです。

 
 
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