プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
文芸書中心の読書日記です。
読書傾向はフリーエリアの円グラフを見てください。 サイトのご案内

フリーエリア
ひとこと掲示板
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

-----(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
01-09(日)

「昭和質店の客」  佐江衆一



昭和14年、満蒙開拓団員として大陸に渡り、終戦直前、「自決」命令により妻子と父に銃口を向けた柳田保男。戦地から帰らない恋人を待ち続ける六区のレヴューガール染子。23歳で応召し、ニューギニア戦線で地獄の敗走の果てに息絶えた小説家希望の矢野進。─浅草栄久町の路地裏にある「昭和質店」が出会った三人それぞれが生きた「昭和」と「戦争」。


<感想> ★★★★☆

佐江衆一さんといえば老人介護を描いた『黄落』が知られていますが、

私は本書が初読みになります。 経歴を見たところ1960年代に5度も

芥川賞にノミネートされているベテランの作家さんのようです。 タイトル

から『三丁目の夕日』的な作品を想像されるかもしれませんが、質店に

通っていた客三人の戦争を描く作品です。


満州に開拓団として入植し、その地で敗戦を迎えた柳田。 召集され、

激戦地であるニューギニア戦線に派遣される矢野。 そして矢野を待

つ恋人の染子。 三人それぞれの戦争が交互に語られていくわけで

すが、その悲惨さや、やりきれなさが胸に迫ってきます。 


特に満州で敗戦を迎えた柳田の回想は読むのも苦しくなるほどです。 

柳田の行動はありえないし、その心理は想像も及びません。 ただ、

それが戦争というのもなのだという著者のメッセージは強く伝わって

きます。 いくつかのシーンはメリル・ストリープがヒロインを演じた『ソ

フィーの選択』
を思い起こさせます。


この小説は、戦争を少しは体験した昭和戦前生まれの私が、

死ぬまでに書かねばと考えていた作品です。 
(あとがきより)


今年は敗戦から66年目になるわけですが、戦争の悲惨さについて

語られることは年々少なくなっているような気がします。 若い人に

読んでもらいたい一冊です。




関連記事
スポンサーサイト
 

Trackback

URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 

Comment


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。