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09-11(土)

「ドールハウス」 姫野カオルコ

たとえば、姉の食べ残しに弟が躊躇なく手を出せる―そんなふつうの生活を理加子は夢みている。軍隊にも劣らないほど強権な父親と、一度も家族を愛したことのない母親のもと、理加子は大屋敷家ただひとりの子供として“石の歳月”を過してきた。“不良になるから”という理由で、映画、読書はもちろん電話、手紙に至るまで禁止されてもなお、理加子は両親に逆らえない。そんな彼女の前に粗暴で強引な男性江木が現れ、次第に心を開いてゆくが…。子供から大人へ。集団から個へ。誰もが通過する家=家族との決別を綴った切ない物語。

<感想> ★★★★☆

本書は処女三部作の一作目です。 シリーズの主人公はいずれも

三十歳前後の処女という設定ですが、偏った倫理観持つ女性と言

い換えた方がわかりやすいように思います。 その倫理観を持つに

至った「抑圧」が共通のテーマです。


『喪失記』では宗教によって抑圧された女性の内省を赤裸々に描い

ていましたが、本書では封建的な父権性のもとで抑圧されている女

性を描いています。 ただ、父母に支配されている主人公の行動や

心理を理解することはかなり難しいのではないかと思います。 なぜ

なら、これほど厳格な父親や風変わりな母親にリアリティーがないよ

うに感じるからです。
 

しかし、リアリティーの基準は人それぞれです。 矮小化するなら「お

まえの家(ち)のそれってヘンだよ」
的価値観です。  人は成長の

過程で、その価値観から乖離せざるをえない時がやってくるわけで

すが、それってかなりの「気合」が求められます。 


このような層に、このような層に属していた者として、このような

層を掬いたかった。
 (著者あとがき) 

前段でも申し上げたとおり、この作品のメインテーマはそこにあるわ

けですが、ちょっと視点を変えるとそれなりのリアリティーが胸に迫

ってくるような気がします。 

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