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06-20(日)

「神去なあなあ日常」 三浦しをん


美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。



<感想> ★★★★★

冒頭からこんなことを申し上げて恐縮ですが、この作品が文学的に優れて

いるとか、文章が個性的などというつもりはありません。 どちらかといえば

典型的なベストセラー本の類です。 恐らく小説に芸術性を求める方には

著しく不向きな作品だと思います。 おしなべて言うなら三浦しをんさんの近

著はその傾向が強いように思います。 ただ、三浦しをんさんを、作家とい

う側面から見た場合に於いては、その本を手に取った読者の八割を満足さ

せてしまう実力は否定しようがありません。 後世に残って、とんでもない値

段がつく茶碗もすばらしいとは思いますが、日常の生活で使われる茶碗こ

そ手に馴染むいいものであって欲しい。 乱暴な喩えをしましたが、現代文

学とはそのようなものであると思います。


さて、前置きが長くなりました。 

都会暮らしの若者が、自分の意思と無関係に山奥に放り込まれて林業に携

わるという筋立ての本書は、それぞれのキャラクターもイキイキと描かれてい

て楽しめますが、林業という仕事の本質に迫るあたりが秀逸です。 なあなあ

と暮らす人たちの仕事ぶりや生き方はともすればのんびりしているように思い

がちですが何十年、何百年というサイクルのなかで営まれている仕事は、上

司から「日々結果を出せ!」とせっつかれている私などからみれば、その壮

大さには口あんぐりです。  しかし、そこには守らなくてはならないルールが

あります。 それは、法律やモラルではなく、目に見えるもの見えないもの、

不思議だと感じるものの中にゆる~いカタチで存在しています。 そのあたり

を読む込むと、この作品の良さを実感することができると思います。


『風が強く吹いている』でも感じましたが、スポーツや職業を根性気合で表

現する従来の作品と一線を隔しているのも、三浦作品がウケる要素のひとつ

かもしれません。


余談ですが、この本の表紙をめくると一枚の大きな絵があります。

228頁8行目からのひとコマですが、こういうの面白いですね。

↑反転しときます。 

お分かりにならない方は、なあなあ再読をお楽しみください。

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Comment


 

Re:「神去なあなあ日常」 三浦しをん(06/20)

なあなあな。わたしもしばらく神去村に行ってみたいなぁ…
なんて この本を読んだとき 思いました。
スポーツや職業を根性や気合で表現する従来の作品と一線を隔しているのも三浦作品がウケる要素のひとつ……という
きたあかりさんの言葉、なんだかちょっと納得!

最近しをんさんの「天国旅行」を読みましたが
しをんさんの ひきだしの多さ深さを改めて感じて
やっぱり すごい人だな……と思いました。

 

なあなあです

前のコメントされている方と同じ思いです。三重県のどこかわからない村ですが、ちょっと覗きに行きたくなりました。
大阪に行く時はいつも近鉄特急を使うのですが、確かに名張(記憶が曖昧)を過ぎるまでは山に囲まれています。山深い景色を車窓から眺めておりましたなあ。
今まで林業という職業を知らずにいたので、このお話を面白く読めました。
三浦さんの書かれるものはサラリーマンがあまりおらず、どちらかというと定収入のなさげなあやしい人たちがでてきますので、世の中にはこんなヘンな人たちも生きているのだなとつくづく思いますねえ。
特につっこみどころ満載のあやしげな男が出てくるので、今回はどんなヘンな人が登場するのかなあと思いつつ頁をめくるのです。そこがまた楽しみです。

 

kayokorinさん

こんばんはぁ~♪

>なあなあな。わたしもしばらく神去村に行ってみたいなぁ…

ほいな!ほいな!
私の実家はかなり田舎で神去村のようなところです。 昔からの風習に疑問を差し挟むと「昔からやっていることだから」と言われます。 ヨキが同じせりふを吐いていて笑えました。

>なんて この本を読んだとき 思いました。
>スポーツや職業を根性や気合で表現する従来の作品と一線を隔しているのも三浦作品がウケる要素のひとつ……という
>きたあかりさんの言葉、なんだかちょっと納得!

三浦さんはご自身でオタクだと言っていますが、そのあたりのツボを心得ているのだと思います。 私もそうですが、しをん読者のうち体育会系が占める割合は極端に低いと思われます。

>最近しをんさんの「天国旅行」を読みましたが
>しをんさんの ひきだしの多さ深さを改めて感じて
>やっぱり すごい人だな……と思いました。

その本は、読みたい本リスト第一位です。
たしかにひきだしの多い作家さんだと思います。

 

まるまろうさん

こんばんはぁ~♪

>前のコメントされている方と同じ思いです。三重県のどこかわからない村ですが、ちょっと覗きに行きたくなりました。

ほいな!ほいな!!
電車で行くとなると日帰りは無理そうな感じですよね。 

>大阪に行く時はいつも近鉄特急を使うのですが、確かに名張(記憶が曖昧)を過ぎるまでは山に囲まれています。山深い景色を車窓から眺めておりましたなあ。

近鉄特急は中学の修学旅行(伊勢・志摩)で一度乗っただけです。 関東の人間が大阪にいく場合は京都経由が一般的ですが、どう考えても一直線に行ったほうが早いですよね。

>今まで林業という職業を知らずにいたので、このお話を面白く読めました。
>三浦さんの書かれるものはサラリーマンがあまりおらず、どちらかというと定収入のなさげなあやしい人たちがでてきますので、世の中にはこんなヘンな人たちも生きているのだなとつくづく思いますねえ。
>特につっこみどころ満載のあやしげな男が出てくるので、今回はどんなヘンな人が登場するのかなあと思いつつ頁をめくるのです。そこがまた楽しみです。

『まほろ・・・』シリーズはその典型ですよね。
そういうキャラって、一般的なサラリーマンにはない奥行きがあるような気がします。
私も正体のしれない怪しいオヤジを目指して、鍛錬に励む毎日です。 

 
 
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