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03-06(土)

「ナニカアル」 桐野夏生


昭和十七年、南方へ命懸けの渡航、束の間の逢瀬、張りつく嫌疑、そして修羅の夜。波瀾の運命に逆らい、書くことに、愛することに必死で生きた一人の女を描き出す感動巨編の誕生。女は本当に罪深い。戦争に翻弄された作家・林芙美子の秘められた愛を、桐野夏生が渾身の筆で灸り出し、描き尽くした衝撃の長篇小説。



<感想> ★★★★☆

本書は桐野夏生さんの最新刊。 あらすじにもありますが『放浪記』『浮雲』

で知られる林芙美子をモチーフにした作品です。 隠されていた手記という

体裁で、登場人物や芙美子が作中で辿る行程も事実に基づいているようで

すが、核心の恋愛部分に関してはフィクションだとのことです。


さて、みなさんは林芙美子という作家にどのような印象をお持ちでしょうか? 

諸説あるようですが、相当アクの強い人物だったようです。 芙美子が亡くな

ったときに、葬儀委員長をつとめた川端康成の弔辞はあまりにも有名ですが

私は同じ年に生まれた金子みすゞの生涯と比較してしまいます。 才能に恵

まれながら26歳で自死したみすゞ。 ベストセラー作家になった芙美子。 さ

らに時代背景や境遇を読み込むとするならその人物像が浮かび上がってき

ます。 


本書が描くのは作家として大成した40歳前後の芙美子です。 傲慢がゆえ

に周囲から敬遠されつつも、小説を書くことと恋愛に情熱を注ぎ込んでいま

す。 冒頭でも申し上げたように核心の恋愛はフィクションのようですが、

美子
はきっとこんな恋愛をするだろうなと感じました。


主な舞台は戦時下の東南アジアです。 日本によって統治され、一見平和

のように見えますが、水面下では軍や憲兵が暗躍しています。 恋愛小説

に加えて、戦時下特有の緊張感(サスペンス)も味わうことができます。 

芙美子
に興味がないという方でも映画『カサブランカ』的な楽しみ方が出来

ると思います。


桐野夏生さんが林芙美子を描くということで、毒々しいに違いないと思って

いましたが、そのあたりはかなりセーブされていました。 群ようこさんも

美子
の評伝を書いていますが、そのスタンスは似ているように感じます。 

すげぇ~イヤな奴だけど、この人作家としてはスゴイよ。

そんなメッセージを読み取りました。 私も激しく同意します。


   





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Comment


 

Re:「ナニカアル」 桐野夏生(03/06)

こんにちは♪

昔、「浮雲」を読んだとき、
「林芙美子って、作家としてはすごいけど、きっといやな人間なんだろうなあ」
と、思ったことを思い出しました。
でも、戦前の文士と呼ばれる人は、人間としてどうよ、みたいな人ばかりですよね。

 

ときあさぎさん

こんにちはぁ~♪
亀レスすんまそん(汗)

>こんにちは♪

>昔、「浮雲」を読んだとき、
>「林芙美子って、作家としてはすごいけど、きっといやな人間なんだろうなあ」
>と、思ったことを思い出しました。

『浮雲』は戦時中の南部仏印からはじまりますが、この作品の中で描かれた経験を踏まえているようです。

>でも、戦前の文士と呼ばれる人は、人間としてどうよ、みたいな人ばかりですよね。

そうそう!激しく同意します。(笑)
行商人の子として生まれ、学歴もなかった林芙美子が作家になるには尚更タイヘンなことだったと思います。 ただ、それを単なる立身出世物語にするのって抵抗があるんですよね。 見返してやるという成り上がりモノの負のエネルギーが彼女を支えていたのではないかと思うし、それはしばしば傲慢に結びついていたのではないかと思います。 作品にもそれが反映されていますよね。  

 
 
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