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02-14(日)

「離愁」 多島斗志之

昔の美貌を残しながらも無表情、徹底して人とのかかわりを好まなかった藍子叔母。謎に満ちた叔母の人生に、わたしは物書きとしての興味をかきたてられた。叔母に届いた手紙と、ある男の手記。調べていくうちに、若き日の叔母の恋人は、ゾルゲ事件で投獄されていたことを知る。戦中から戦後、そして現在へと、脈々と続く連鎖の不思議。昭和という時代に翻弄されながらも、気丈に愛を貫き通した藍子―。『症例A』の多島斗志之が描き切った、渾身の純愛小説。


<感想> ★★★★★

本書は文庫改題されて『離愁』となっていますが、ハードカバーが上梓さ

れた時のタイトルは『汚名』です。 ずいぶん前ですが、どこかの読書サ

イトでベタ誉めされていたので手に取ってみた次第です。 多島斗志之さ

んは初読みですが、過去に二回直木賞候補にもなっている中堅どころの

作家さんのようです。


さて、私が読んだ『汚名』の帯には文芸ミステリーと書かれていますが、

文庫版のあらすじを見ると渾身の純愛小説となっています。 ヲイヲイな

感じですが、一人称形式の文芸作品としても読んでも、ミステリー要素

の強い恋愛小説として読んでもそれなりに満足できる作品と言えると思

います。


周囲から嫌われていた叔母の過去を遡るという筋立てで、時代は主人

公が子供だった高度成長期と現代。 そして主人公の知らない時代で

ある戦前を行きつ戻りつ展開して行きます。 関係者のほとんどが鬼

籍に入っているせいもあって、細い糸を手繰りながら事実に辿り着く過

程はスリリングです。 ゾルゲ事件という素材はベタといえばベタですが

ジョン・ル・カレを彷彿とさせる描き方は秀逸で、叔母を知る関係者の

手記の使い方は巧いと思います。


戦前・戦時中の特殊な状況下にある恋愛に関しては好みの問題もあ

ると思いますが、抑制の効いた文体は、あらゆる読者の胸に訴えか

ける力があるように思います。 


文芸色の強いミステリーや恋愛小説。 昭和の回顧小説がお好みの

方に強くおススメします。


著者の多島斗志之さんについて調べる過程で、昨年の12月19日

から行方不明であることを知りました。 

一読者として、ご無事でいらっしゃることを心からお祈りします。

父、多島斗志之を探しています。

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Comment


 

Re:「離愁」 多島斗志之(02/14)

一日も早く無事見つかるといいですね。

 
 
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