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02-12(金)

「掏摸」 中村文則

お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎─かつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば…最近、お前が親しくしている子供を殺す」その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。


<感想> ★★★★☆

中村文則さんは芥川賞作家です。 なんとなく文学的に優れている

のはわかるけど、ストーリー小説として読むとイマイチの作品
という

のが芥川賞に対する個人的な見解ですが、授賞作の『土の中の子

供』
で中村文則さんがみせてくれた繊細な描写力や独特の緊迫感

には度肝を抜かれました。 吉田修一さんがそうであったように、エ

ンタメに路線変更したら大化けするのではないか?そんなことを思

ったりもしました。


さて、本書の主人公はスリの若者です。犯罪者を描くといえば、ク

ライムノベルとかピカレスクと呼ばれる派手なジャンルを想像しが

ちですが、一人称語りの物語はあくまで地味に進行して行きます。 

特に前半は、犯罪行為を生業とする主人公の存在を肯定するの

に頁数を費やしているので読者によっては退屈と感じてしまうかも

しれません。 


ストーリーが大きく動き出す後半は、展開の速さと著者の実力が

相俟ってエンタメとして読んでも申し分ありません。 

金持ちの財布を掏る主人公。 母親の指示で万引きを繰り返す

子供。 そして闇社会に巣食う圧倒的な悪。 反社会というカテゴ

リーの中で繰り返される擁護と支配。 しかし、閉塞した現代社会

は彼らの行動の基本となる悪のロジックを否定しえないようにも

思えます。


面白いだけのエンタメに飽きた方におススメします。

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