プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
文芸書中心の読書日記です。
読書傾向はフリーエリアの円グラフを見てください。 サイトのご案内

フリーエリア
ひとこと掲示板
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

-----(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
01-24(日)

「眠れない一族」 ダニエル・T・マックス 柴田裕之訳


ヴェネツィアのある高貴な貴族出身の一族は、謎の不眠症に苦しんでいた。この病気は中年期に発症し、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮を引き起こし、やがて患者は不眠状態に陥って死んでしまう。この一族の数世紀に及ぶ物語を軸に話は展開、やがてこの病がクールー病、狂牛病と同じプリオン病だとわかる。プリオン病の起源を探るうちに、80万年前の食人習慣へとたどり着く。



<感想> ★★★★☆

致死性家族性不眠症(以下FFIと表記します)という病気をご存知でしょうか?

特定の家系にのみ高確率で発生する遺伝病で、発症すると不眠状態が続き

死に至ります。 発症する家系数は全世界でも40ほどと言われている極めて

稀な病気ですが、日本でも数家系が報告されているようです。


本書では、かつて世界で唯一のFFI家系とされていたイタリア人一族を取り

上げています。記録によれば18世紀にFFIで亡くなったヴェネツィアの医師

の末裔である彼らがFFIを発症する確率は50%です。 大半の遺伝病は保

因者の死によって淘汰されていきますが、FFIは50代以降の発症という特

性をもっています。 当然ながら生殖期間を過ぎてからの発症となるわけで、

その遺伝子は確実に次世代に受け継がれていきました。 さらにその一族

がいわゆる名家であることも要因になっていると思います。

 
十八世紀から二十世紀半ばにいたるまで、呪いにも思える一族の死は遺伝

性の精神疾患や脳疾患とされていきますが、二十世紀の末に呪いの正体が

明らかになります。 

伝達性海綿状脳症

FFI狂牛病(BSE)クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と同じプリオン病

ひとつです。


さて、ここまで相当の文字数を費やしましたが、FFIは本書の導入にすぎま

せん。 その大半は病態の特性を含めたプリオン病の歴史が語られます。 

研究者同士の葛藤や、かつて食人の儀式が行われていた未開の地で発見

される未知の疾病クールーなど、サイエンスミステリー仕立てで、理系オン

チの私でも読み進めることができました。


イギリスを端とするBSE騒動についても多くの頁を割いています。 当時、日

本政府もかなり神経質になっていたという印象がありますが、背景に日本人

の多くがCJDに感染しやすい体質(世界の中では少数派)があるのではない

か?ということです。 そんなこと知ってました??

大切なことはちゃんと知らせて欲しいですよね・・

関連記事
スポンサーサイト
 

Trackback

URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 

Comment


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。