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Author:きたあかり
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08-27(火)

7月の書籍代

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:3826ページ
ナイス数:355ナイス

晴天の迷いクジラ晴天の迷いクジラ感想
ギリギリまで追い込まれた三人が鯨を見に行くという筋立ての本書は窪美澄さんの二作目に当たる作品です。第三章までがそれぞれの生立ちや経緯、最終章でそれらを収斂させます。 正直言って最終章は出来すぎの感が否めませんが、とにかく三章までが巧みなのでそんなラストでもすんなり受容れてしまいます。 それなりに面白かったけど勢いが勝っていたデビュー作。あまり期待していなかったので二作目は今更の読了となりましたが、本書では読みやすさと読み応えが見事に両立しているように感じました。 案外この人ホンモノかもしれません。
読了日:7月31日 著者:窪 美澄
逃走逃走感想
本書はラーメン屋の主人を殺めてしまった男を主人公にした逃走劇です。 頁を捲る手が止まらない。ノンストップエンターテイメント・・書評の常套句ですが、本書はまさにそれです。 まだ十分な燃料があるにも関わらず次々と新しい燃料が投入され、常にフル加速でストーリーが進行していきます。 下手な書き手がこれだけ加速すると脱線(破綻)してしまいますが、ギリギリのスピードでカーブをかわす手腕は見事です。 ただ、薬丸作品の真骨頂はテーマに沿ってじっくり描くという点にあると思います。 その部分はちょっと弱かったかな・・
読了日:7月26日 著者:薬丸 岳
北の無人駅から北の無人駅から感想
目的地に向かう途中で通り過ぎる無人駅。 乗降客もなく、すっかり寂れてしまった駅。 どのような人たちが暮らし、どのような歴史があったのか?そしてそこにはどのようなドラマがあったのか?本書はそんな想いに応えてくれる渾身のルポルタージュです。 舞台は北海道のローカル線。 秘境駅で生きた両足のない漁師(室蘭本線・小幌)の話しと、かつて鰊で隆盛を極めた町(留萌本線・増毛)の話が印象的でした。 折りしも、桜木紫乃さんが直木賞を受賞しましたが、桜木作品がお好きな方なら興味深く読むことができると思います。 
読了日:7月24日 著者:渡辺 一史,並木 博夫
境遇境遇感想
デビュー作の『告白』では、その筆力にただただ圧倒されましたが、以降の作品はその文体に慣れてしまったせいか、大当たりは引いていません。 ただ他のベストセラー作家と比較するなら、一定のクオリティーを保っていて、とりあえず本を開いている時間は確実に楽しませてくれます。 それを踏まえるなら本書では初めてのハズレを引いてしまった感が否めません。 全体的に薄っぺらでラストはあまりにもグダグダです。 ドラマ版のキャストを見るのが唯一の余韻かもしれません。http://asahi.co.jp/kyogu/cast/ 

読了日:7月22日 著者:湊 かなえ
いつか陽のあたる場所でいつか陽のあたる場所で感想
いただいたコメントで知り読んでみました。 刑務所を出所した二人の女性のその後を描いた連作短篇。 常に物事を深く考える芭子と常にのほほ~んとしている綾香。 そんな綾香の描き方が甘いなぁ~などと思って読み進めていたら、最後にガツンとやられて泣きそうになりました。 やはり乃南アサさんに抜かりはありませんでした。 舞台になっている谷根千の描写もいいです。 シリーズ化されているようなので、次も読んでみようと思います。
読了日:7月20日 著者:乃南 アサ
横光利一 (新潮日本文学アルバム)横光利一 (新潮日本文学アルバム)感想
最近、横光利一にハマっているので借りてきました。 利一が激怒した直木三十五の「文壇諸家価値調査票」(文藝春秋・大13)が笑えました。 肴にされている作家たちの「好きな女」のカテゴリーが女教師・看護婦・女学生・素人とかAVっぽい(汗)。 個人的には風采98・人気79・資産「病気」・腕力10・性欲100・好きな女「女学生・看護婦」とめちゃくちゃに書かれている倉田百蔵が気になりました。 一方で文壇の辣腕プロデュサー菊池寛に対する心配りも忘れてはいません。 菊池が直木賞を創設するのはこの記事から12年後です。
読了日:7月19日 著者:
ホテルローヤルホテルローヤル感想
今期の直木賞受賞作である本書は、道東にあるラブホテルの開業から廃墟に至るまでの過程を遡りながら描く連作短篇です。 1年半前候補作に留まった『ラブレス』と比較するならジミですが、エンターテイメントの枠を超えた文藝作品としての魅力を兼ね備えています。 一生懸命生きている人の口からは幸せとか不幸とか言う言葉を私は聞いたことがない。そこを書いていけたらいいなあと思います。 とは受賞会見での弁ですが、その点では直球ストレートです。 ちなみにタイトルのホテルローヤルは実家(父親)が経営していたホテルの名前だそうです。
読了日:7月18日 著者:桜木 紫乃
逆回りのお散歩逆回りのお散歩感想
デビュー作の『となり町戦争』を強く意識した二作が収められた作品集。 表題作は市町村合併の騒動を描いていますが、『となり町戦争』発表時にはそれほど影響力のなかったネットを絡めながら話が展開していきます。 東日本大震災(原発事故)以降、既存のメディアに対する不信感が増大する一方で、ネット情報を妄信する人たちがいます。 なにより恐ろしいのは思考停止なのではないかと思いました。 
読了日:7月13日 著者:三崎 亜記
津軽百年食堂津軽百年食堂感想
読友さんの感想を拝見して・・都会でのモラトリアム期間を終えようとする青年を主人公にした作品。 淡々とした展開ですが感情移入しやすい等身大の主人公に好感が持てます。 そのメインストーリーに実家で代々営んでいる食堂にまつわる物語を織り交ぜています。そちらの物語は前後に少しだけ差し挟まれる程度ですが、メインストーリーに奥行きを与えています。 青森出身の方はもちろんですが、首都圏出身の方でも普段意識することのない郷土愛に目覚めてしまうと思います。 感動と言うほどではありませんが、ジワジワくるいい作品でした。
読了日:7月11日 著者:森沢 明夫
佐渡の三人佐渡の三人感想
本書は佐渡へ納骨に行く家族を描く連作短篇です。 この作品の最大の魅力は引きこもり、介護、変わり者の親戚など、負のオーラ出まくりのパーツを用いているにも関わらず、思いっきりのユルユル仕上げなところです。 『ジャージの二人』や戌井昭人さんの雰囲気が好きだと言う方なら楽しめると思います。 しかし、なぜ曽我さんなのか・・(汗)
読了日:7月9日 著者:長嶋 有
鳥と雲と薬草袋鳥と雲と薬草袋感想
読友さんの感想を拝見して・・・タイトルといい装丁といい梨木ファンのハートを鷲掴みの本書は地名にまつわるエッセイ集です。 チョイスされる地名やその解釈は梨木流。 かつて都内の古い地名を無味乾燥な住居表示するのは如何なものか?という論調がありましたが、平成の大合併はそれを市町村単位でやってしまったんですね。 西日本新聞の連載なので九州の地名が多く取り上げられています。 関東住みの私は親近感のある場所がひとつもありませんでしたが、そこにはどんな風景が広がっているのか?梨木さんの文章と相俟って想像が膨らみます。
読了日:7月6日 著者:梨木 香歩
嵐のピクニック嵐のピクニック感想
従来の作風とは異なるシュールな味付けの作品13篇を収めた短編集。文芸誌連載のせいかコクとキレのある通好みの仕上がりになっているように思います。 個人的には一瞬の狂気を描く『アウトサイド』が本谷さんらしくていイイと思いますが、張詰めた緊張感が秀逸な『亡霊病』  栗田有起風味の『いかにして私がピクニックシートを・・・』あたりもかなり好きです。 痛い女の話は苦手だけど、最近芥川賞候補常連になっていて本谷さん気になるぅ~という方におススメします。
読了日:7月5日 著者:本谷 有希子
赤い着物赤い着物感想
突然の展開にえっ?それ何?と戸惑っていると何事もなかったように話が終わってしまいます。 読者は思いっきりおいてきぼりにされますがそこがこの作品の面白みかもしれません。 冒頭とラストで繰り返される点燈夫の燈した灯りに浮かび上がる梨の花の白さがちょっと怖いです。
読了日:7月4日 著者:横光 利一
快楽快楽感想
青山七恵さんの最新刊。 ベニスを舞台に二組の夫婦の倒錯した世界を描きます。 4人それぞれの微に入り細を穿つ心理描写が秀逸で、作品としての完成度は極めて高いように思います。 ただ、初のエロエロモードは青山さんの新境地かもしれませんが、井上荒野さんの作品のように噎せ返るような匂いが頁から立ち上がってくるエロエロ感は味わえませんでした。 『わたしの彼氏』の時のようなザンネン感はないものの、次回は通常モードに戻っていただきたいなぁ~と思う次第であります。(笑)  
読了日:7月3日 著者:青山 七恵
花園の思想花園の思想感想
初出1927年(昭和2)『春は馬車にのって』に連なる短篇。 当時サナトリウムが多く点在していた湘南が舞台だと思われます。 静かにその時を待つ二人。そこに流れこんでくる風と眩いばかりの光を描くさまが秀逸です。 小説は人並みに読んでいるつもりですが、なぜ今まで横光利一を読まなかったのか・・一生の不覚とはこのようなことを言うのかもしれません。
読了日:7月2日 著者:横光 利一
春は馬車に乗って春は馬車に乗って感想
初出1926年(大正15) 肺結核の妻を看病する夫の話です。 死の影に怯えながらその苛立ちをぶつける妻。それを淡々と受容れる夫。「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を捲き捲きやって来たのさ」 という台詞がタイトルの由来になっています。 死の床に就く妻を介護する夫の苦悩。生(春)と死の対比。そして訪れる静寂・・横光利一は初読みですがそのクオリティーの高さにただただ唖然です。 これだから青空文庫は止められません。
読了日:7月2日 著者:横光 利一
線路の果てに旅がある (新潮文庫)線路の果てに旅がある (新潮文庫)感想
一時期、書店の平積台を占領していた紀行文の名手宮脇俊三。 気がつくと没後十年になります。 本書の中に収められているエッセイの中では東北新幹線の終着は盛岡。九州新幹線はもちろんありません。 目的地に至る手段として鉄道は格段に早く、便利になりましたが、そこに至るまでの過程を楽しむ交通手段としての魅力は薄らいでいるように思います。 朴訥としていながらもキレのある文章で語られる鉄道の旅は懐かしいものになりつつあります。 
読了日:7月1日 著者:宮脇 俊三

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