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08-31(水)

「文学 2009」 日本文藝家協会編





2008年刊行の文芸誌発表作品から精選した、20篇の小説集。




<感想> ★★★★☆

本書は日本文藝家協会が編集して、講談社が毎年一冊出して

いるアンソロジーです。 編集委員は秋山駿、川村湊、島田雅彦

中沢けい、沼野充義
の各氏。


現在、芥川賞にノミネートされる作品のほとんどは五大文芸誌(新潮

・すばる・群像・文藝・文學界)
に掲載された作品です。 エンタメ系の

文芸誌もいくつか存在しますが、この五大誌は純文学を扱う雑誌と定

義することができます。 


私は廃刊になってしまった「海燕」を購読していましたが、正直言って

私のようなエンタメ系読者にとっては、ちょっと敷居が高かいように感

じていました。  ただ、私は吉本(よしもと)ばななさんと小川洋子さん

の存在をこの雑誌で知りました。 つまり、純文学系の文芸誌は手を

出しにくいんだけど、大当たりを引く確率も高いということです。


さて、09年版の本書は前年の08年に五大文芸誌に掲載された作品

を中心に20編がチョイスされています。 


約束(瀬戸内寂聴)/誰も映っていない(中原昌也)/草すべり(南木

佳士)/五月晴朗(原田康子)嫌な話(前田司郎)/あなたたちの恋

愛は瀕死(川上未映子)/満ちる部屋(谷崎由依)/地下鉄の窓(村松

真理)/寒九の滴(青山真治)/物語の完結(山崎ナオコーラ)/楽観

的な方のケース(岡田利規)/無頭鰯(横田創)指の上の深海(稲葉

真弓)
/北方交通(茅野有城子)/海千山千(伊藤比呂美)/電気馬

(津島佑子)/かけら(青山七恵)闇の梯子(角田光代)/宇宙の日

(柴崎友香)/廃疾をかかえて(西村賢太)  


ベテラン、今が旬の売れっ子作家。 他のアンソロジーでよく名前を見

かける作家もいれば、初めて名前を知った作家もいます。 私のお気

に入りは赤字で表記しましたが、その評価は読者百人百様でしょう。


このアンソロジーで、あなたの大当たり作家を見つけてください。


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08-28(日)

「半生の記」 松本清張




貧しく孤独な生い立ち、失意の青春時代、そして作家としてデビューするまでの苦闘の日々を、切々と告白した心うつ魂の記録。




<感想> ★★★★☆

かつて、長者番付(高額納税者公示制度)なるものが例年発表

されていました。 新聞などでは分野別に発表していて、松本清

張は作家の分野で常に名前が記されていました。


作品を読むようになり、そんな大ベストセラー作家がかなりの苦

労人だと知りましたが、私小説の体裁をとっている本書では、そ

のすさまじい苦労ぶりが詳細に描かれています。


小学校しか出ていないとか、朝日新聞で版下工をやっていたな

どのエピソードは有名ですが、戦後は北九州から西日本一帯

を旅しながら、箒を売り歩いていたというのは初めて知りました。 


代表作である『砂の器』に物乞いをしながら旅を続ける親子が

出てきますが、それは清張が行商をしながら、どこかで見た光

景だったのではないだろうか?などと思ったりもしました。


清張作品は社会から抑圧されている弱い立場の人たちを描い

たものが数多くあります。 彼はなぜそんな作品ばかりを書い

ていたのか?そして、それらの作品がなぜ多くの人に受け容

れられたのか?そのヒントがこの私小説に隠されています。


清張ファンはもちろんですが、単純に貧乏話がお好きな方に

もおススメします。
 
08-27(土)

「赤々煉恋」 朱川湊人



人の世はなんとおぞましく、美しいのだろうー。若く美しいまま亡くなった妹の思い出を残したいと、凄腕だという遺体専門のカメラマンに写真撮影を依頼した早苗。ところが…。初恋、純愛、そして日常と非日常への切望の数々。赤々とした、炎のような何かに身を焦がす者たちの行く末を、切ない余韻の残る筆致で巧みに描く。直木賞作家・朱川湊人の真骨頂を、連作集であなたに。


<感想> ★★★★☆

懐古調(ノスタルジック)の作品で私のようなオッサンを癒して

くれる朱川湊さんですが、元々はバリバリのホラー作家です。 

時々そんなことを思い起こす朱川作品に出合うことがあります

が、本書はまさにそれで、読書系のブログでは黒朱川と表現

される方が多い作品集です。


さて、前段でホラーをイメージされた方も多いと思いますが、こ

の作品のコンセプトをひとことで言うならエロ・グロです。 

necrophiliaやApotemnophilia(←興味のある方は自己責任で検

索してくださいませ)などを扱っています。 性倒錯というやつで

すが、そこまで行き着いてしまう人間の心理を巧みに表現して

います。 


江戸川乱歩に似ているというレビューを見ましたが、私は小川

洋子
さんの作品を読んでいるような錯覚を覚えました。 作品を

支配する独特の静謐感からそのように感じました。


題材が題材だけにおススメはしませんが、小説としてのクオリテ

ィーはかなり高いのではないかと思います。 

 
08-21(日)

「昭和二十年夏、僕は兵士だった」 梯久美子


かれらもまた、あの夏、ひとりの兵士だった。俳人・金子兜太、考古学者・大塚初重、俳優・三國連太郎、漫画家・水木しげる、建築家・池田武邦。廃墟の中から新しい日本を作り上げた男たちの原点は、太平洋戦争の最前線で戦った日々にあった。何もかも失った若者は、どのようにして人生を立て直したのか。過酷な戦場体験と戦後の軌跡を語り尽くした感動のノンフィクション。巻末に児玉清氏との対談を収録。


<感想> ★★★★☆

この国では戦争の記憶が年々薄れ行くような気がしてなりません。

特に原爆が投下され、敗戦を迎えた夏にその思いを強くしていま

す。


私は反戦を声高に叫ぶ市民団体や、物事を曲解して、戦争に

結びつける人達が正直言ってあまり好きではありません。 ただ、

昨今の情勢(特にネット社会)を見るにつけ違和感を覚えます。 


さまざまな論議がなされること自体に問題はありませんが、なに

やら戦争の悲惨さを認識していない人達が、好き勝手なことを言

っているように思えてなりません。 


さて、本書でインタビューをされている人たちは、いずれもそれぞ

れの分野で名前を残しています。 そして、もうひとつ共通するの

は若き日の彼らは兵士として太平洋戦争に従軍していたことです。


インタビュされているのは、俳人・金子兜太、考古学者・大塚初重

俳優・三國連太郎、漫画家・水木しげる、建築家・池田武邦の各

氏です。 


彼らはどのような従軍経験をし、敗戦後どのような思いで生きてき

たのか?それをインタビュアである著者は煽ることなく、抑制の効

いた筆致で彼らの想いを綴っていきます。 その姿勢は真摯とい

う言葉がぴったりです。


著者の梯久美子さんは61年生まれ。 私とほぼ同世代でもありま

す。 語り継ぐという言葉の責任と重みを強く感じた一冊でした。

 
08-20(土)

「同期」 紺野敏



懲戒免職になった同期の公安刑事が、連続殺人の容疑者に。「教えてくれ。おまえはいったい何者なんだ」男たちの前に立ちはだかる最も高い壁-組織の論理。その壁を突破するのは、刑事たちの誇りと絆。現時点での集大成ともいえる最新警察小説、登場。



<感想> ★★★★☆

数多くのシリーズものを擁している紺野敏さんですが、本書は

単発の警察小説です。


おそらく「踊る大走査線」横山秀雄さんの影響だと思いますが、

昨今の警察小説に求められるのは徹底したリアリズムです。

警察とは日々、正義と秩序のために奔走する警察官の組織で

すが、その内実はサラリーマン社会だったりします。 大半のサ

ラリーマンはそこに感情移入して読んでいるのだと思います。 

ただ、子供のころから刑事ドラマを観て育った私からすると、ち

ょっとスケールが小さくなった気もします。 


さて、本書も前半においてはリアルな警察小説ですが、読み進

むにつれてそこから逸脱していきます。 かなり大風呂敷を広げ

ていて、あちこちの感想を読むと設定に無理があるという指摘も

ありますが、私は面白く読みました。 


主人公を支える先輩の刑事二人がサラリーマンではなく、職人

気質だった点も好感が持てました。 


警察小説はリアル感も大切だけど、基本はエンタメだよね!!

という方におススメします。

 
08-13(土)

「火花ー北条民雄の生涯」 高山文彦


昭和十一年一月、二・二六事件前夜の東京で、『文学界』からひとりの天才作家が生まれた。ペンネーム以外は謎に包まれたその作家の名は、北条民雄。まだ二十一歳の青年だった。ハンセン病を病みながら文学の道を志し、川端康成に見出されて傑作「いのちの初夜」を残した民雄は、いかに生きて、いかに死んだのか。差別と病魔との闘いのなか、強烈な個性と自我に苦悩し、二十三歳で夭逝した民雄の絶望と愛、生の輝きを克明に綴る感動の長篇。大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞受賞作。


<感想> ★★★★★

本書は二十三歳で夭逝した作家、北条民雄を描いたノンフィクション

です。 


昨年読んだ『いのちの初夜』でキョーレツな延髄斬り(←アントニオ・猪

の必殺ワザっす!)を食らった私は北条民雄について調べてみました。 

しかし、その情報は極めて限定されたものでした。 


冷静に考えるなら、すでに死後70年が経過している。 作家活動はわ

ずか3年であった。 すごく俗な言い方をするなら、夭逝したため結果

的に一発屋だった。 などが考えられますが、当時から北条民雄は謎

の作家とされていて、詳しい略歴が公表されなかったのが最大の要

因だと思います。 そんな北条の姿にどこまで迫っているのか?期待

と不安が入り混じる思いで本書を手に取りました。


さて、前段で申し上げたとおり北条民雄に関しての公式な記録はほと

んど残されていません。 そこで著者が足がかりとしたのは、師であっ

川端康成の書簡と、関係者の伝聞情報。 そして、生前の北条を知

る数少ない生存者。 それらを軸にして、やたら自意識の強い若者が

いかにして作家となり散って行ったのかを克明に綴っています。


北条といえばとかくハンセン病患者であったことに目がいきがちです。 

もちろん本書もそこに重点を置いて書かれているわけですが、私が注

目したのは師である川端康成との交流です。 


北条を発掘しその才能に注目した川端康成ですが、北条に対する思

い入れは半端ではなかったようです。 それらを含めて当時の文壇に

ついても詳しく書かれているので、近代文学マニアなら、それだけで十

分楽しめます。 


本書は99年に出版されています。 結果的に第31回大宅壮一ノンフィ

クション賞
と、第22回講談社ノンフィクション賞を受賞していますが、現

代において北条民雄を描いたノンフィクションが幅広い読者に受け入

れられる可能性は皆無です。 それは著者の高山文彦さんはもちろん。 

この原稿にゴーサインを出した編集サイドも認識していたことでしょう。 


ただ、おそらく北条民雄とその作品は70年間そのような想いを持つ人と

その想いを受け止めた読者にによって語り継がれて来たのではないか

と思います。 そして、本書はその役割を十分に果たしています。 


『いのちの初夜』の内容や、一般的に明らかになっている北条民雄のプ

ロフィールはこちらをご覧ください。 

 
08-13(土)

「下町ロケット」 池井戸潤




引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」-佃製作所、まさに崖っプチ。



<感想> ★★★★☆

本書は今回(第145回・平成23年度上半期)直木賞受賞作です。


タイトルから想像がつくと思いますが、大田区にある中小企業が

最先端技術であるロケット開発に関わるという物語です。 


前半は大企業の横暴や特許をめぐる攻防がメインになっていま

す。 使われているパーツのみで判断するなら企業小説に分類

されるのではないかと思いますが、それを企業小説らしくしてい

ないのが池井戸さんの巧さです。 人情話や、過去に屈辱を味

わった主人公(社長)のいきざま。 それらをちりばめて「プロジ

ェクトX」
的な味つけがなされています。 大半のオッサンは激し

く感情移入すると思います。


後半に関して、すごく意地悪な言い方をするなら予定調和の勧

善懲悪といった展開となっています。 話の中心となるロケット

開発参入に関して主人公は、水戸黄門の印籠に負けず劣らず

の決定的な切り札を持っているので、正直言ってハラハラもド

キドキもしません。 


しかし、理不尽がまかり通る世の中において、正しいことが正し

く行われるのは、ある意味で稀有なことです。 予定調和の勧

善懲悪をこれほど面白く読ませるのは著者の力量にほかなりま

せんが、そこには深い皮肉がこめられているような気がしてなり

ません。


過去に直木賞候補になった『空飛ぶタイヤ』と比較するなら、正

直言ってまとまりすぎているように感じました。 それを念頭にお

いて★をひとつ減らしましたが、震災で低迷にしている日本を元

気する作品という点においては満点です。 


平成23年度上半期直木賞には、もっとも相応しい作品であること

を最後に申し添えておきます。


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08-13(土)

「血の冠」 香納諒一



元警官越沼が頭蓋骨を冠のように飾られて殺された。それは二十六年前の、「キング」と呼ばれた殺人犯による、迷宮入り事件の手口と同じだった-。弘前中央署会計課の小松一郎は、幼馴染みの警視庁警視正・風間によって、捜査の最前線に立たされる。少年時代の二人はキングの被害者だったのだ…。北の街を舞台に、心の疵と正義の裏に澱む汚濁を描く、警察小説の傑作。

<感想> ★★★☆☆

本書の著者である香納諒一さんはバカ売れしてはいませんが、

そこそこ筆の立つ作家さんで、個人的にはもっと評価されても

いいのではないかと思っています。 主にミステリーを手がけて

いますが、そこの若干ドロ臭い人間ドラマを織り込んでいます。 

お書きになる作品は、いい意味で昭和の二時間サスペンスドラ

を彷彿とさせます。 


さて、あらすじを読む限りではホラーサスペンスをイメージされ

ると思いますが、基本的には前段で申し上げた昭和の二時間

サスペンスドラマ
のノリです。 


警察内部で閑職をあてがわれている主人公の内省や舞台に

なる青森の描き方が秀逸です。 現代の事件により掘り返され

ていく過去の事件。 その接点が少しづつ明らかになっていく

過程もじっくりと読ませてくれるので、読み応えは十分です。 


ただ、着地点に関してはちょっと不満が残ります。 まぁ~サス

ペンスホラー風味なのでそれなりに納得はできるわけですが・・・・

物語の底流をなす独特の雰囲気と、お得意のドロ臭いドラマが

パーフェクトだと感じていただけに少しだけザンネンでした。 



 
08-07(日)

「肉体の門・肉体の悪魔」 田村泰次郎



肉体の開放こそ人間の解放であり、肉体が思考するとき真の人間性の確立もある。 肉体とは一つの強靭な意志であり、生命力なのだ。  戦場における精神や思想の無力さの痛感を基底に、敗戦後の混沌とした風俗を大胆に描写して、半ば自棄的になっていた当時の人々におおいに迎えられた作品群。


<感想> ★★★★★

通俗小説という言葉があります。 大衆文学を意図的に貶める際に

使われました。 大衆文学が主流である現代においてはほとんど使

われなくなしましたが、その言葉を聞いてパッと思い浮かぶ作家とい

えば田村泰次郎ではないかと思います。


代表作である『肉体の門』は幾度も映像化されていますが、その扱

いはR18。 タイトルもタイトルだしエロいに違いないと思って手を出

していませんでしたが、今回読んでみてびっくり。 たしかに映像化

すればR18になるだろうことは想像されますが、かなりクオリティー

の高い作品でした。 


さて、本書に収められている作品の大半は敗戦直後に発表された

ものです。 敗戦を近代文学と現代文学の境目と定義するなら、こ

の時期に活躍していた無頼派の作家は現代文学の祖ということに

なります。 ただ、彼らの作品を現代から眺めるなら、かなり古臭い

と感じてしまいます。 それと比較するなら本書に収められている

田村泰次郎の作品は、いずれも斬新で、現代の小説と比較しても、

まったく古臭さを感じさせません。 


現代を生きる私が古臭いと感じるのは、戦前の文学(価値観)に反

発しながらも、思想で文学(物事)を語ろうとする旧態依然とした姿

からです。 それでも当時としては革新的な潮流とされていたよう

です。 思想そのものが何の役割も果たさない軍隊生活から復員し

たばかりの田村は、その中途ハンパさに気がついたのではないでし

ょうか?


そこ(戦場)で田村が体験したり見聞きしたものは、混乱した敗戦後

の日本を描く上で最も適した素地になったのではないかと思います。 

思想で語る文学ではなく、生身の人間が肉体で語る文学。 おそらく

それは、平成に生きている私たちが日々読んでいる文芸作品とそれ

ほど異なりません。 


男たちを狩るように客としていたパンパン(売春婦)を描く『肉体の門』

は最も知られた作品ですが、もうひとつの表題作である『肉体の悪魔』

は秀作です。 リンク先の方がレビューのなかで埋もれてしまうには惜

しい
と評していますが私も同感です。 


ちなみに新潮文庫版の本書を初めとして、文庫版はどれも品切れに

なっています。 おそらく絶版まではカウントダウン状態だと思われます。

もちろん図書館には蔵書がありますが、新たに購入して読める田村泰

次郎はオン・デマンドで出ている作品集と個人全集のみです。 それを

踏まえるなら絶滅危惧作家と言っても過言ではありません。 

興味のある方は、今のうちにお読みになることをおススメします。

 
08-06(土)

7月の書籍代


例年より梅雨明けが早かったせいか7月は疲労困憊。

読書量がガタ落ちしてしまいました。


そんな私が最近はまっている動画が↓




微速度撮影の動画です。 

画面の左から右に流れる天の川と、飛び交う流れ星。

風に揺れる湖面。 そして、その風が山の向こうから

運んでくる霧。 静寂。

この動画を見ていると、身の回りで起きている厄介な出来事や

仕事のこと。 それらはホントに些細な出来事で、悩むのもバカ

バカしいな・・・という気分になります。 

画面を拡大して高画質でご覧ください。




というわけで7月の書籍代です。

7冊 1,680円 (6冊図書館本)

今月から絵文字をつけてみました。

  今月の当たり!

  文芸色濃い目系

  ミステリー系

  女性系(女性読者向けOR主人公が女性)

  ドロドロ系

  おっさんホイホイ系

  泣いちゃう系

  癒し系

  すげぇ~系(あくまで主観)


7月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2592ページ
ナイス数:64ナイス

肉体の門・肉体の悪魔 (新潮文庫)肉体の門・肉体の悪魔 (新潮文庫)
田村泰次郎はカストリ雑誌の掲載を一度読んだだけです。 この作品もあまり期待せず手に取りましたが、こめられたメッセージの強さと、巧みな文章に酔わされました。
読了日:07月28日 著者:田村 泰次郎

更年期少女更年期少女
この本はかなり売れているようです。 そのせいか真梨毒は少なめなんだろうな・・などと高を括っていたら大間違い。 真梨さんの作品の中では最強レベルでした。 登場人物たちにリアリティーを感じてしまった私は幸せなのか?不幸なのか?(笑)
読了日:07月26日 著者:真梨 幸子

エ/ン/ジ/ンエ/ン/ジ/ン
「宇宙猿人ゴリ」はなんとなく記憶に残っているので興味深く読みました。 自分が子供だったせいもあると思いますが70年代の前半ってかなり混沌とした時代でした。 そんな時代が見事に再現されていたように思います。 ミステリーチックな展開で飽きることなく最後まで読み進めることができました。
読了日:07月25日 著者:中島 京子

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)死の泉 (ハヤカワ文庫JA)
入り込むのに時間がかかりましたが、そこからは思いっきりのめり込みました。 できればイッキに読みたかったと後悔しています。 翻訳権の表示や訳者紹介など悪のりしすぎな感じですがそんなハヤカワミステリーが好きです。(笑)
読了日:07月19日 著者:皆川 博子

上を向いて歩こう上を向いて歩こう
おっさんホイホイ本。 一作目の当たり屋の話がすごくよくできていると感じました。 
読了日:07月12日 著者:ヒキタ クニオ

クロク、ヌレ!クロク、ヌレ!
真梨さんの視点置き換えはそれほどあざとくなくて好きなんだけど、この作品においてそれが必要だったのか?疑問です。 相変わらず女性同士のドロドロが面白くて読み進めましたが、ちょっと迫力不足だったような気がします。絵画や音楽に興味がある方なら「それ以上」に楽しめる気がするんですが・・・・。
読了日:07月07日 著者:真梨 幸子

林芙美子紀行集下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)林芙美子紀行集下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)
豪華なヨーロッパ旅行かと思いきや・・・ベストセラー作家となった林芙美子ですが、その貧乏臭さは相変わらず。 巴里や倫敦の記述も興味深いんだけど、サハリン(南樺太)について書かれたものって今どれだけ読むことが出来るのでしょうか?資料的な価値も高いと思います。
読了日:07月01日 著者:

読書メーター
 
08-06(土)

「エ/ン/ジ/ン」 中島京子


身に覚えのない幼稚園の同窓会の招待状を受け取った、葛見隆一。仕事と恋人を失い、長い人生の休暇にさしかかった隆一は、会場でミライと出逢う。ミライは、人嫌いだったという父親の行方を捜していた。手がかりは「厭人」「ゴリ」、二つのあだ名だけ。痕跡を追い始めた隆一の前に、次々と不思議な人物が現れる。記憶の彼方から浮かび上がる、父の消えた70年代。キューブリック、ベトナム戦争、米軍住宅、そして、特撮ヒーロー番組“宇宙猿人ゴリ”-。


<感想> ★★★★☆

タイトルになっているエンジンはいくつかのキーワードを兼ねて

いる言葉ですが、その中で大きなキーポイントは『宇宙猿人ゴリ』

です。 それってなんじゃらほいと仰る方も多いと思いますが、70

年代の初めに放映されていた特撮ヒーロー物です。 その後タイ

トルが『スペクトルマン』に変わりますが、その内容に関してはほと

んど記憶がありません。 思えば再放送の回数も少なかったので

はないでしょうか?


さて、本書は幼稚園の同窓会の招待状が舞い込むという突飛な

冒頭からはじまります。 ちょっと謎めいている幼稚園と行方不明

になっている父親と思われる男の影。  今まで読んだ中島作品

は食いつきがイマイチだと感じていましたが、このミステリーっぽ

い展開は読者をぐいぐい引っ張っていきます。 


この作品を端的に言えば、団塊ジュニアに属する女性のルーツ探

しですが、それだけに留まらず、70年代そのものを検証するという

試みもなされているように感じました。 そのツールのひとつがタイ

トルにもなっている『宇宙猿人ゴリ』となるわけです。 


まとまりのない感想になりましたが、ネタばれになるのでこれ以上書

くことができません。 ただ、『宇宙猿人ゴリ』(スペクトルマン)を知ら

なくても作品は十分に楽しむことができます。




中島京子さんの作品に興味のある方。 特に中島作品はちょっと退

屈だとお感じの方に強くおススメします。

 
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