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10-31(日)

10月の書籍代


私の家のバスルームには、「絶対に触れてはならない」

と奥さんに厳命されている二本の赤いボトルがあります。



高級品であるがゆえに、私に使われたくないらしいの

ですが、先日むしゃくしゃすることがあって、(←犯罪者

の常套句ですな)その腹いせに使ってみたところ・・・・

薄くなった髪の毛が急に生えてきました。

というのはもちろんウソですが、髪の毛にツヤが出て、な

かなかイイ感じです。 すっかり調子に乗って一週間ぐら

い使い続けていました。


ところが昨夜ボトルを手にとったところ、以前とは明らか

に軽くなっていることに気がつきました。 

うぅ・・・やばい。 このままでは私の悪事が露呈してしまい

ます。 というわけで、ばれる前に詰め替え用を購入しよ

うと本日、マツ○ヨに行きましたが驚くほど高くて、私のお

こずかいで買うことは不可能。 もうおしまいです。


どうするべきか?今日一日中、そのことばかり考えていて

落ち込んでいましたが、先ほど入浴中にハタと気がつき

桃の絵の書いてある私のシャンプー(198円)の中身を、

赤いボトルの中に少しだけ足しておきました。 

一件落着。 

まったく、なんとつまらないことで悩んでいたのでしょうか?

今夜もよく眠れそうです。

     


というわけで10月の書籍代です。

11冊 5,470円 

10月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3007ページ

カラーひよことコーヒー豆カラーひよことコーヒー豆
心がササクレ立っている時に読むと、どんな薬より効くと思います。
読了日:10月29日 著者:小川 洋子
ツリーハウスツリーハウス
おそらく本書は角田光代さんを国民的な作家として位置づける一冊になると思います。 
読了日:10月28日 著者:角田 光代
新ブラックジャックによろしく 9 (ビッグコミックススペシャル)新ブラックジャックによろしく 9 (ビッグコミックススペシャル)
ついに完結!並みの小説にはない読み応えのあるシリーズでした。 6巻からはオンラインで読みました。
読了日:10月27日 著者:佐藤 秀峰
イキガミ 7 (ヤングサンデーコミックス)イキガミ 7 (ヤングサンデーコミックス)
Episodoe13の最終カットがサイコーにいい。
読了日:10月24日 著者:間瀬 元朗
くまちゃんくまちゃん
私は90年代恋愛クロニクル(年代記)といった感じで楽しめました。 アラフォー世代におススメです。
読了日:10月21日 著者:角田 光代
百 (新潮文庫)百 (新潮文庫)
読了日:10月17日 著者:色川 武大
何もかも憂鬱な夜に何もかも憂鬱な夜に
相変わらず暗いんだけど、研ぎ澄まされた文章は魅力的。いつの日にか、この人の書くエンタメを読んでみたい。
読了日:10月14日 著者:中村 文則
緋(あか)い記憶 (文春文庫)緋(あか)い記憶 (文春文庫)
切り取られた記憶の場面には、無意識に消去してしまった前後の脈略があります。 かたく閉ざされた無意識の扉をこじ開けようとする時の痛みと、その扉の向こうにある真実。 それを知ったときの戦慄を描くさまが秀逸でした。
読了日:10月10日 著者:高橋 克彦
闇の底 (講談社文庫)闇の底 (講談社文庫)
薬丸岳さんは三冊目。 いずれもテーマや展開が似かよっていましたが、飽きることがありません。 読みやすいけど軽薄なミステリーが多い中にあって薬丸さんは稀有な存在だと思います。
読了日:10月08日 著者:薬丸 岳
千年樹 (集英社文庫)千年樹 (集英社文庫)
荻原さんってホント器用な作家さんだと思います。 いろんなジャンルが楽しめる一冊でした。
読了日:10月07日 著者:荻原 浩
赤線跡を歩く―消えゆく夢の街を訪ねて (ちくま文庫)赤線跡を歩く―消えゆく夢の街を訪ねて (ちくま文庫)

読了日:10月06日 著者:木村 聡

読書メーター



↓10月の起床時間です。

10月
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10-30(土)

「ツリーハウス」 角田光代




謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。




<感想> ★★★★☆

本書は10月15日に出た角田光代さんの最新刊です。 昭和15年の

長野に始まり。 満州を経て、焼け野原の東京へ。 時はさらに進み、

東京オリンピック、高度成長、学生運動、バブル・・・・そして失われた

10年。 歌舞伎町(西新宿)に店を構える『翡翠飯店』を営む家族三

代の70年間を描く物語です。


さて、冒頭で祖父の死を経験する「良嗣」は、自らのルーツに興味を持

ちます。 同じ屋根の下に暮らしながらも、祖父と祖母の出自どころか

父母の出会いさえ知りません。 祖母と叔父の三人で長春(旧満州)を

旅することになりますが、そこで祖母がぽつりぽつりと満州時代を語り

始めます。 そこからは彼らの旅と、過去をクロスさせながら現代に収

斂させていくという構成です。 


三世代が同居しながらも、その関係性は希薄でともすれば殺伐として

いる家族の風景は角田光代さんの十八番ですが、文章に関していうな

ら多少の違和感を覚えました。 もちろん読みやすさはあるわけですが、

正直言って角田ファンとしては若干の不満が残るというのが正直なとこ

ろです。 大河小説的な側面から言うなら、満州での終戦や引き揚げは

盛り上げどころなわけですが、案外あっさり描かれていて期待外れとい

えば期待外れでした。


しかし、物語の後半。 「良嗣」の父の物語になると角田節炸裂!!物語

は時代を旺盛に取り込んで、イッキに加速していきます。 冒頭で希薄だ

と感じられた家族関係の裏にある強い繋がりをぼんやりと浮かび上がら

せるあたりも秀逸です。 


個人的には祖母が旅先で、見ず知らずの中国人に思いの丈をぶつけるく

だりが印象に残りました。 角田作品においては珍しく、この作品のメイン

キャストはすべて男性ですが、最終的に、これは祖母の物語だったので

はないか?と感じた部分です。


直木賞受賞後、快進撃を続ける角田光代さんですが、それを支えている

のは特定の読者層です。

小説というのは地下世界の文化だから、普段は世間全般の注目を

浴びるようなことはない。 ごく少数の、本を読む人たちだけに認識

されている向こう側の異世界だ。 


と書いたのは桜庭一樹さんですが、この作品は角田光代さんを異世界か

ら表の世界へ飛翔させる一冊になるのではないかと思います。 


 
10-30(土)

「カラーひよことコーヒー豆」 小川洋子




雑誌『Domani』に2年間にわたり連載したエッセイに書下ろしを加え、待望の単行本化。泣きたいほど優しい気持ちになれる、愛に充ちたエッセイ集。




<感想> ★★★★☆

本書は小川洋子さんの最新エッセイ集です。 雑誌に連載していた短い

エッセイと、書き下ろしの5編を加えた29編が収められています。 


あとがきで、互いの目配せが届くくらいの、小さな世界を書いた本

書かれていますが、思いっきり癒し路線です。 心がササクレ立っている

時には何よりの処方箋ではないかと思います。 私は昼休みに読みまし

たが、午後はちょっとだけゆとりのある仕事ができたような気がします。


ただ、最近のエッセイ集に共通することですが、作家の個性より掲載誌

の傾向を色濃く反映したものが多く、本書もその例外ではありません。 

『Domani』は30代OLを意識したファッション誌ですが、それらを踏まえ

るなら本書は小川洋子のエッセイというよりは、恐らく現代において、ど

の世代より一番ストレスを抱えこんでいる層を癒すエッセイと言った方が

いいのかもしれません。 


ちょっと意地悪な言い方を許してもらえるなら、小川洋子さんらしいと感じ

たのは書き下ろしの5編のみで、掲載分の24編はちょっと優等生過ぎる

ように感じました。 ファンのエゴと言われるのを覚悟で書きますが、小川

洋子さんの作家としての本領はもっとちがう場所にあるのではないかと思

ったりもするわけです。 


しかし、これもあとがきに書かれていることですが、本書もまた、これを必

要とする誰かのところへたどり着いてほしい、・・・・
というのも著者の偽ら

ざるメッセージだと思います。 

仕事も忙し上に、周囲の雑音が煩くてたまらない。 よくわからないけどイ

ライラするのよ
そんなコトよりオマエの上から目線の感想がいちばんムカ

つくんだよ
(汗・汗)とお感じの方におススメします。 


ところでみなさん。 「」はご存知ですよね?


 
10-27(水)

「くまちゃん」 角田光代




4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。




<感想> ★★★★☆

本書は失恋をテーマにした連作短編です。 

一作目で主人公Aをふった。 二作目ではが主人公になり

ふられる。 三作目では主人公がになりにふられる。 四作目で

は主人公がになり・・・・・・というパターンの連作です。 


登場人物の年齢も時代もリアルタイムで推移していきます。 20代の

恋愛と仕事。 30代の恋愛と仕事。 舞台になる90年代初めから2

000年までの社会の移り変わりと、それに流されていく登場人物の

生き方や恋愛観などがリアルに描かれています。 


現在では恋愛の必須アイテムとなっているケータイのない時代から、そ

れなりに普及したけどケータイメールはまだない時代まで。 著者の角

田光代さんは67年生まれですが、移り行く時代の中で感じたことを踏

まえて描かれているように感じました。 


単に失恋をテーマにした恋愛小説としても十分楽しますが、90年代の

恋愛クロニクル(年代記)として読んでも面白いと思います。 

アラフォー世代の方におススメです。


10月15日に角田光代さんの新刊が出ました♪

ツリーハウス

ツリーハウス

価格:1,700円(税込、送料別)



今回は中華料理店のお話。

未だかつてない分厚さです。

 
10-27(水)

「何もかも憂鬱な夜に」 中村文則



なぜ控訴しない?─施設で育った過去を持つ「僕」は、刑務官として、夫婦を刺殺した二十歳の未決死刑囚・山井を担当していた。一週間後に迫った控訴期限を前にしても、山井はまだ語られていない何かを隠している─。芥川賞作家が、重大犯罪と死刑制度に真摯に向き合い、生きる者と死にゆく者をつなぐ最後の希望を描き出す。



<感想> ★★★★☆

死刑囚を担当する刑務官を主人公にした郷田マモラさんの『モリのアサ

ガオ』
がドラマ化されているようですが、本書の主人公も死刑囚と向き合

う刑務官です。 


さて、『土の中の子供』でそのキレ良さに惚れ込んで、新作をチェックす

るようになった中村文則さんですが、本書も相変わらずジメジメしていて

暗い雰囲気です。 鬱屈した主人公という著者の十八番キャラの内省を

中心に描かれていますが、そこに死刑問題や実際に携わざるをえない

現場の刑務官の心情なども織り込まれているので、途中まではもぉーカ

ンベンしてくれぇ~
ぐらい真っ暗です。 


しかし、そんな展開の中にあって、切れ味のイイ文章が読者を引っ張っ

ていきます。 エンタメ作品では、文章に緩急をつけたり、伏線を仕掛け

たりするテクニックを用いて読者を引っ張っていくわけですが、中村文則

さんの場合はもっと単純です。 私は、ただ単にこの文章をもっと読み続

けていたいという一心で読む進めました。 


着地点はそれほど悪くないので、疲労感だけが残るということはありませ

ん。 ネタばれするので詳しくは書きませんが、ジワジワとした感動のよう

なものさえ味わうことができます。

あえて、何もかも憂鬱と感じる夜に読むことをおススメします。

モリのアサガオ(1)

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価格:630円(税込、送料別)


 
10-25(月)

セクシー診断


リンク先の方に教えていただいた「セクシー診断」なるものをやってみました。

その魅力で645人の男を落とした実力を評価され、昨日「小悪魔セクシー」

に認定されたばかりの私ですが、本日改めて診断を受けたところ「魔性セク

シー」
にグレードアップしていました。


たいへん喜ばしい診断結果ですが、唯一の問題点は私がだということです。

明日は、さらに上位の「スキャンダラスセクシー」に認定されてしまうのでは

ないかと危惧しています。


LASH QUEEN SEXY BLACKS WP
 
10-24(日)

秋に聴く"Greensleeves"


平原綾香さんの"Greensleeves"が秋にぴったりな感じで

最近よく聴いています。




もとは、16世紀頃から唄われるようになったイングランド民謡

ですが、発祥はその北部で、スコットランドとの境目あたりと

言われています。


スコットランド民謡といえば明治期に数多く輸入され、『蛍の

光』
をはじめとして、数多くの曲が日本で定着しています。 

ケルト系の音楽では五音音階が使われますが、特にスコット

ランド
地方では日本と同じヨナ抜きの五音音階が使われるよ

うです。 音楽の感性は似ているのかもしれませんね。


ちなみにタイトルの"Greensleeves"を直訳すると「緑の袖」

になりますが、慣用句としてはかなり深い意味を持つようです。

興味のある方は調べてみてくださいませ。


平原綾香 / Greensleeves 【CD Maxi】

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10-24(日)

「緋い記憶」 高橋克彦



古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。凍りついた時のゆるやかな復讐が始まる―。表題作ほか7篇。




<感想> ★★★★☆

幅広いジャンルを手がける高橋克彦さんですが、第106回(1991

年下半期)直木賞受賞作
の本書は記憶にまつわる小説集です。 

一部ではホラーとして紹介されていますが、いわゆるスプラッタ

ーの要素はありません。


さて、子供時代の記憶で、そこだけ切り取られたように覚えてい

る場面はありませんか?たとえば何百回もやった缶けり遊びの

ただ一回。 その日遊んだメンバーや、その雰囲気を明確に記

憶している。 


問題は何百分の一であるその日だけが、なぜ記憶に残っている

か?です。 そこには無意識のうちに消去してしまった前後の脈

略があるのではないでしょうか? しかし、無意識の扉はかたく閉

ざされています。 その扉を無理にこじ開けようとする時の痛みと、

その扉の向こうにある真実を知ったときの戦慄を描くさまが秀逸

でした。 冒頭でスプラッターではないと申し上げましたが、それ

以上の怖さを味わえる秀作です。


あなたは、切り取られた場面の記憶をいくつ持っていますか?

 
10-23(土)

「闇の底」 薬丸岳


子どもへの性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。卑劣な犯行を、殺人で抑止しようとする処刑人・サンソン。犯人を追う埼玉県警の刑事・長瀬。そして、過去のある事件が二人を結びつけ、前代未聞の劇場型犯罪は新たなる局面を迎える。『天使のナイフ』著者が描く、欲望の闇の果て。


<感想> ★★★★★

薬丸岳さんの作品は三冊目になります。 そろそろハズレを掴まされる

のではないかと覚悟して読み始めましたが、この作品も大当たりでした。 

読みやすいけど軽薄なミステリーが多い中にあって薬丸さんは稀有な

存在なのではないか?などと感じ始めています。


さて、『天使のナイフ』では少年犯罪を、『虚夢』では刑法39条がテーマ

としてチョイスされていましたが、本書のテーマは子供への性犯罪。 そ

の事件の被害者遺族と加害者の関係性です。 


性犯罪の事件が起きるたびにサンソンと名乗る人物が、過去に同様の

罪を犯した者達が殺していきます。 その事件に関わることになる刑事

は性犯罪事件の犠牲になった遺族のひとりです。  ミステリーとしても

十分楽しめますが、性犯罪を憎むあまりにサンソンに肩入れしてしまう

そうになる刑事の内省を余すことなく描いています。 


着地点に関しては賛否両論があると思いますが、即ちそれはこのテー

マに対する著者の投げかけだと思います。 初期の宮部みゆきさんが

好んで書いていた社会派ミステリーがお好きな方におススメします。

 
10-10(日)

5年ぶりの再会


世の中は秋の三連休のようですが、中小企業に勤務する

私のお休みは今日で終わりです。 

明日もって行くお弁当のおかずを冷蔵庫と相談していたところ

お弁当のお供である、ふりかけが切れていることに気がつきま

した。 今から買い物行くのだるいなぁ~と思っていたときに、

ふと、閃いて床下収納をガバっと空けてみました。


P1030931
P1030931 posted by (C)きたあかり


5年前に漬けた梅干です。

瓶から出してみると・・・・・

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P1030932 posted by (C)きたあかり 

P1030935
P1030935 posted by (C)きたあかり  

うっ!うまい。 5年まえは辛くて食べられなかったのに・・・・・

明日のお弁当に持って行きます。

5年前の梅干作りの記録 「今日の梅干し」
 
10-10(日)

「千年樹」  荻原浩


東下りの国司が襲われ、妻子と山中を逃げる。そこへ、くすの実が落ちて─。いじめに遭う中学生の雅也が巨樹の下で…「萌芽」。園児たちが、木の下にタイムカプセルを埋めようとして見つけたガラス瓶。そこに秘められた戦争の悲劇「瓶詰の約束」。祖母が戦時中に受け取った手紙に孫娘は…「バァバの石段」。など、人間たちの木をめぐるドラマが、時代を超えて交錯し、切なさが胸に迫る連作短編集。


<感想> ★★★★☆

本書は樹齢千年を越える大木の前で繰り広げられる、さまざまな

ドラマを描く連作短編です。 8つの短編が収められていますが、

ひとつの短編に2つの物語を交錯させて、主人公も時代も異なる

16の物語を読むことができます。


さて、荻原浩さんといえば直木賞候補になった『愛しの座敷わらし』

や、映画化された『明日の記憶』などで知られていますが、その作

風は幅広く多岐にわたります。  


本書も時代小説、ミステリー、恋愛小説、ホラー、懐古小説。 さまざ

まな味つけで、あらゆるジャンルを堪能することができます。 時代

小説とホラーに関してはあまり読んでいないので何ともいえませんが、

その他のジャンルに関してはツボを抑えた巧い短編だと思います。


ただ、全体の流れや、作品を支配する雰囲気は若干重いです。 私

は嫌いではありませんが、あちこちのレビューを拝見すると、そのあ

たりをウィークポイントとされている方も多いようです。


元気な時にお読みになることをおススメします。

 
10-09(土)

「赤線跡を歩く」 木村聡

公娼制度の廃止に伴い、戦後間もない昭和21年頃から形成された赤線地帯。そこでは鮮やかなタイルと色ガラス、入口にホールのある独特の様式が生まれ、カフェー調の店が全国の盛り場で流行した。昭和33年の廃止後、アパートや旅館、町工場などに姿を変えて余生を送ってきたそれらの建物も、半世紀が経過し風化が進む。戦後の都市空間を彩った建築物とわずかに残る街並みを記録した貴重な写真集。


<感想> ★★★★☆

子供のころ住んでいた街に周囲から取り残されたような一角があり、

子供ながらにその独特な雰囲気に魅了されていました。 今はなく

なってしまったその一角がどういう性質をもった場所だったのかを本

書で再確認することができました。


さて、初めてその事実を知った時に驚いてしまいましたが、私が生ま

れる八年前まで日本には公娼制度が残っていました。 まぁ~今でも

それに近い産業はあるわけですが、公に認められていたという事実

にタマゲてしまったわけです。 


それらが公に認められている地域を赤線地帯と呼んでいたようです。  

前段で申し上げた子供のころの記憶は1980年(昭和50年)頃です。 

私が見ていたのは廃業後20年近くが経過した赤線跡ということにな

ります。 本書の初版は1998年。 バブル経済の淘汰をくぐりぬけ

た40年後の赤線跡がカメラに収められています。


この写真集の見方は人それぞれだと思います。 特徴的な建物を歴

史的な観点から見るのが王道ですが、ある年齢以上の方にとっては

懐かしい風景かもしれません。 もちろん、そこで行われていた行為

を踏まえるなら穢れたものを見せられた気分にさせられる方もいらっ

しゃるかもしれません。


私個人の感想を言うなら、掲載されている写真は、ただ単に建物を観

るのではなく、そこにどのような物語があったのかを想像する手掛かり

のようなものだと思います。 ここで働いていた女性たちは、どのような

経緯でこの街にやってきたのか?そして1958年(昭和33年)の法律改

正後、彼女たちはどこへ去って行ったのか?

久しぶりに吉行淳之介が読みたくなりました。

 
10-09(土)

「世間様かくありき」 若合春侑※(有)




盲目のヴァイオリン少年を慈しむ母として、無償の愛を貫くひとりの女として、―崩壊するモダン都市・東京。時代と運命に翻弄される女の一生を描く長篇小説。




<感想> ★★★★☆

若合春有(わくい・すう)さんは旧字・旧かな遣いを用いて作品を手がけ

る作家さんです。 1998年「腦病院へまゐります。」文學界新人賞を受

賞後、「カタカナ三十九字の遺書」「掌の小石」芥川賞にノミネートさ

れています。  ここしばらく、宮木あや子さんが多くの読者を獲得してい

るわけですが、作風は限りなく近いかなぁ~と思います。 若合さんは作

品自体が少ないせいもあると思いますが、もっと多くの人に読まれて然

るべき作家のひとりだと思います。


さて、本書の舞台は戦前から戦中にかけての東京。 盲目の子供を抱え

た若い母親の半生が語られています。 「腦病院へまゐります。」「蜉

蝣」
で描ききった女の業のようなものは若干弱いような気がしますが、そ

の分読者を選ばない作品に仕上がっています。 


旧字・旧かな遣いに関しては読みづらいという先入観もあると思いますが、

旧字・旧かな遣いでその時代を舞台にしたものを読んでいると、あたかも、

当時リアルタイムで書かれた作品を読んでいるような気分にさせられます。 


しかし、若合作品の説得力はそれにのみ負うものではありません。 そこ

には時代に淘汰されていったその時代の現代(大衆)文学。 早熟な女

学生や、家人が寝静まった台所の片隅で女性たちが読んでいた小説(物

語)にちりばめられていたエッセンスを行間から感じ取れます。  それは

「名作」として現代に残っている近代文学のものとは明らかに異なるように

思います。


過ぎ去ってしまった時代の文学少女になりたい方におススメです。


※著者のHPを確認したところ、ペンネームを若合春侑から若合春有に

 変更なさったとのことです。



レビューを旧字・旧かな遣いに変換してみました。↓

若合春有(わくい・すう)さんは舊字・舊かな遣ひを用ゐて作品を手がけ

る作家さんです。 1998年「腦病院へまゐります。」で文學界新人賞を受

賞後、「カタカナ三十九字の遺書」と「掌の小石」で芥川賞にノミネートさ

れてゐます。  此處暫く、宮木あや子さんが多くの讀者を獲得してい

るわけですが、作風は限りなく近いかなあ~と思ひます。 若合さんは作

品自體が少ないせいもあると思ひますが、もつと多くの人に讀まれて然

るべき作家のひとりだと思ひます。


扨て、本書の舞臺は戰前から戰中にかけての東京。 盲目の子供を抱へ

た若い母親の半生が語られてゐます。 「腦病院へまゐります。」や「蜉

蝣」で描ききつた女の業のやうなものは若干弱いやうな氣がしますが、そ

の分讀者を選ばない作品に仕上がつてゐます。 


舊字・舊かな遣ひに關しては讀みづらいと云ふ先入觀もあると思ひますが、

舊字・舊かな遣ひで其の時代を舞臺にしたものを讀んでゐると、恰も、

當時リアルタイムで書かれた作品を讀んでゐるやうな氣分にさせられます。 


然し、若合作品の説得力は其れにのみ負ふものではありません。 其処

には時代に淘汰されていつた其の時代の現代(大衆)文學。 早熟な女

學生や、家人が寢靜まつた臺所の片隅で女性たちが讀んでゐた小説(物

語)にちりばめられてゐたエッセンスを行間から感じ取れます。  其れは

「名作」として現代に殘つてゐる近代文學のものとは明らかに異なるやうに

思ひます。


過ぎ去つてしまつた時代の文學少女に成り度い方におススメです。



「正(旧)仮名遣ひ⇔現代(新)仮名遣い」相互変換~まるやるま君
 
10-05(火)

「いつか響く足音」  柴田よしき


「家族」のかたちが見えればいいのに。壊れはじめたら、すぐに分かるから。借金まみれのキャバクラ嬢。猫の集会を探し求めるカメラマン。夫が死んだ日のことを忘れられない未亡人…ひとりぼっちの人生がはじまった、それぞれの分岐点。著者会心の傑作連作集。



<感想> ★★★★☆

限界集落という言葉をご存知でしょうか?

提唱者の区分けによれば 「65歳以上人口比50%以上」高齢化が進み、

共同体の機能維持が限界に達している状態。
だそうです。 過疎化が

止まらない地方をイメージされる方が多いと思いますが、それは都市部

にも存在しています。  高度成長期に雨後の筍のように造られ、完成

直後に入居した居住者の高齢化が進んでいる郊外の大規模団地。 

本書はそんな都市部の限界集落を舞台にした連作短編です。


さて、硬軟取り混ぜて、さまざまな作品を手がける柴田よしきさんですが、

へビィ(重い)な作品はハンパなくヘビィに描きます。 本書も例外ではな

く、登場人物それぞれの「今」とそこに至るまでの「過去」を描く筆はヨー

シャがありません。 フィクションといえどもここまで書くと、舞台になって

いると思われる多摩ニュータウンの居住者から訴えられるのではないか

?などと余計な心配をしてしまうぐらいです。


しかし、都市部の限界集落が抱える老人問題と、雇用形態の悪化で厳し

い状況におかれている若者の悲劇をリンクさせながらも、最後はホンワ

カ気分で本を閉じることができます。 このラストは出来過ぎかなぁ~とい

う気もしますが、かつてそうであったように、そこにまた多くの足音が響い

て欲しいという願いが込められているように思いました。


読んでいたらこのCM↓を思い出しました。





 
10-03(日)

9月の書籍代


「俺、女と暮らすからおまえにやるよ」

20歳の夏に友人から譲り受けた小型冷蔵庫がついに寿命を迎えました。

今年の夏は昭和の家電にとって、あまりにも過酷だったようです。

結婚してからは、専らマイ冷蔵庫として活用してきました

面倒だった霜取りも懐かしい想い出です。

みなさんのところには古い家電はありますか?

                            


というわけで、9月の書籍代です。

15冊 3,445円(@229円)

最近、仕事がめちゃくちゃ忙しくて、帰宅は早くて22時。 遅いときは

23時過ぎです。 朝7時には家を出るので、平日の在宅時間は8~9

時間とヒジョーにタイトですが、こういう時って、現実逃避がしたくてや

たらと読みたくなるんですよね・・・・・。 


結局、睡眠時間が3~4時間になっているわけですが、こうなるとほと

んどビョーキでパチンコ依存やネットゲーム依存と変わりませんね。

今月は活字廃人にならないようにに心がけようと思います。


9月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4308ページ

私という病私という病
読了日:09月30日 著者:中村 うさぎ
世間樣かくありき世間樣かくありき
読了日:09月29日 著者:若合 春侑
InvitationInvitation
 
読了日:09月28日 著者:江國 香織,川上 弘美,桐野 夏生,小池 真理子,小川 洋子
感じて。息づかいを。 (光文社文庫)感じて。息づかいを。 (光文社文庫)
 
読了日:09月28日 著者:
不倫(レンタル) (角川文庫)不倫(レンタル) (角川文庫)
読了日:09月28日 著者:姫野 カオルコ
いつか響く足音いつか響く足音

読了日:09月22日 著者:柴田 よしき
札幌刑務所4泊5日 (光文社文庫)札幌刑務所4泊5日 (光文社文庫)

読了日:09月20日 著者:東 直己
Herstories 彼女たちの物語Herstories 彼女たちの物語

読了日:09月19日 著者:榎本 正樹
優しい子よ優しい子よ
読了日:09月17日 著者:大崎 善生
ラジ&ピースラジ&ピース

読了日:09月15日 著者:絲山 秋子
てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書 (講談社文庫)てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書 (講談社文庫)

読了日:09月15日 著者:黒川 博行
日本鉄道物語 (講談社文庫)日本鉄道物語 (講談社文庫)
読了日:09月14日 著者:橋本 克彦
天使のナイフ (講談社文庫)天使のナイフ (講談社文庫)

読了日:09月07日 著者:薬丸 岳
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読書メーター

 
10-03(日)

「感じて。 息づかいを。」 川上弘美選




恋愛の渦中にある人間の息づかいが聞こえてくる名作八篇を、川上弘美が独自の視点で厳選。




<感想> ★★★☆☆

本書はちょっと渋めの恋愛アンソロジーです。 選者は川上弘美さんです。

ラインナップは

『桜の森の満開の下』(坂口安吾)

『武蔵丸』(車谷長吉)


『花のお遍路』(野坂昭如)

『とかげ』(よしもとばなな)

『山桑』(伊藤比呂美)

『少年と犬』(H.エリスン)

『可哀相』(川上弘美)

『悲しいだけ』(藤枝静男)



青字が既読でした。 それって恋愛小説??という感じで読み始め

ましたが、読み進めていくとそれぞれが一定の基準を満たしている

ことに気がつきます。


野坂昭如さんの『花のお遍路』がいい感じでしたが、やたら印象に

残ったのは伊藤比呂美さんの『山桑』 おそらく 『日本霊異記』

焼き直しだと思いますが、いかにも川上弘美さんがチョイスしそうな

作品でした。

 
10-03(日)

「札幌刑務所4泊5日」 東直己


ハードボイルド作家は考えた。「一度は刑務所というものに入ってみたいものだ…」かくして、ちょっとした交通違反の反則金をテッテイ的に踏み倒し続けた著者は、念願の押しかけ入所を果たしたのであった―。入ってみてわかった、塀の中の不可思議なオドロキに満ちた実態とは?読めば読むほどしみじみと可笑しい、傑作ドキュメンタリー。


<感想> ★★★☆☆

突然ですが「労役」という制度はご存知でしょうか?

軽微な交通違反に科される反則金を払わないと、いくつかの段階を経て

最終的には「労役」に行き着くことになります。 反則金(罰金)を労働に

よって支払うという制度ですが、それって「懲役」とどう違うのか?「禁錮」

とはちがうのか?という疑問に答えてくれるのが本書です。


体験者(著者)はハードボイルド作家の東直己さんです。

交通違反をしたのをきっかけに「労役」を目論む著者の姿勢は明らかに

ふざけていて、読者のよっては噴飯モノかもしれませんが、収監されるま

での手続きや裁判所のやりとりは、我々が知ることのない司法の裏側を

垣間見せてくれます。


この手のルポルタージュは、ともすれば上から目線のものが多いように思

います。 相手がどのような立場であれ対象をこき下ろすという姿勢はどう

もいただけません。 それを踏まえるなら、著者の謙虚な姿勢は好感がも

てます。 ただ、本書は『獄窓記』のように矯正施設内の問題点を云々など

という目的はいっさいないし、学べるものは皆無です。 

でも、そこがいいと思うんですよね・・・。
 
10-02(土)

『Invitation』  アンソロジー



当代最高の女性作家8人が腕によりをかけた絶品短篇小説集。恋愛模様はもちろん、時代物からミステリー仕立てまで超逸品ぞろい。




<感想> ★★★★★

一部例外はあるものの、文芸書の売れ行きは危機的な状況にある

ようです。 そのせいかどうかは知りませんが、最近やたらとアンソロ

ジー(小説集)を見かけます。


その楽しみ方はさまざまですが、新しい作家さんとの出会いを期待

されている方も多いように思います。 そんな楽しみ方もあるアンソ

ロジーですが、本書の書き手は3人の芥川賞作家と5人の直木賞

家。 江國香織さんと小川洋子さんはまだ40代ですが、8人の書き

手は各文学賞の選考委員率も高く、ベテランというよりは大御所の

域に達している作家さんたちです。 


さて、そんな豪華メンバーを揃えたアンソロジー。 それぞれ30頁程

度の短編ですが、長編を読んだような濃厚さを味わえます。 いずれ

もわずかな頁を読むだけで、読者は作家の触手に絡めとられてしま

います。 手練手管という言葉がありますが、それが如何なく発揮さ

れているように思います。 ラインナップは以下の通りです。


『蛾』(江國香織)

『巨人の接待』(小川洋子)

『天にまします吾らが父ヨ、世界人類ガ、幸福デ、ありますヨウニ』(川上弘美)

『告白』(桐野夏生)

『捨てる』(小池真理子)

『夕陽と珊瑚』(高樹のぶ子)

『カワイイ、アナタ』(高村薫)

『リハーサル』(林真理子)



久しぶりに読んでタマゲタのは林真理子さんの『リハーサル』

50代の女性をここまでナマナマしく描くさまは、お見事としか言えません。 

意味深なタイトルも秀逸で、オトナの女性におススメっす。

 
10-02(土)

「優しい子よ」 大崎善生



身近に起きた命の煌きを活写した感動の私小説。重い病に冒されながらも、気高き優しさを失わぬ「優しい子よ」、名プロデューサーとの心の交流と喪失を描いた「テレビの虚空」「故郷」、生まれる我が子への想いを綴った「誕生」、感涙の全四篇。



<感想> ★★★☆☆

本書は著者の夫人である高橋和女流棋士(当時)と交流のあった少年を

描いた表題作を含めた四篇が収められた私小説集です。 個人的には

表題作とリンクしている『誕生』が巧いなぁ~と思いました。


さて、この作品集で私が注目したのは、大崎さんの奥さんである高橋和

んです。 子供のころに負った怪我が原因で長く闘病していた高橋和さん

が、将棋と出会った経緯などが興味深くて、彼女自身のノンフィクションを

読みたいなぁ~という気になりました。


女流棋士

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