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Author:きたあかり
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08-29(金)

「なんくるない」 よしもとばなな

沖縄には、神様が静かに降りてくる場所がある―。心ここにあらずの母。不慮の事故で逝った忘れえぬ人。離婚の傷がいえない私。野生の少女に翻弄される僕。沖縄のきらめく光と波音が、心に刻まれたつらい思い出を、やさしく削りとっていく…。なんてことないよ。どうにかなるさ。人が、言葉が、光景が、声ならぬ声をかけてくる。なにかに感謝したくなる滋味深い四つの物語の贈り物。


<感想> ★★★★☆

「沖縄はいいよ」行った人達から異口同音に聞かされます。 行った事のな

い私は具体的にドコがどのようにいいのか?と聞くわけですが、それぞれの

答えは曖昧模糊としていてイマイチ要領を得ません。 


さて、本書には4つの短編が収められています。 3つは短めで表題作は中

篇といっても差し支えない長さです。 ばな本はデビュー当時から読んでいま

すが、よしもとばななさんが最も実力を発揮するのは、この長さだと改めて感

じました。 離婚して傷ついた主人公が沖縄で出会う人々と・・という筋立てで、

若干強引だと感じるところもありますが、まぁ~沖縄という土地ならそれもアリ

かな・・と思わせてくれます。 短いと強引さだけしか残らないし、長編にして瑣

末な部分まで描くとリアルすぎて読者は醒めてしまう。 

あとがきに、私はあくまで観光客なので、それ以外の視点で書くことはや

めた。 これは、観光客が書いた本だ。
 とありますが、作品全体を貫くのは

その視点です。 

『ちんぬくじゅうしい』と『足てびち』では、そこはかとなく漂う死の匂いが、対照的

な沖縄の光と相俟っていい味を出しています。


なにやら具体的な感想が書けなくて申し訳ありませんが、沖縄の魅力は如何な

く描かれていると思います。 やはり沖縄の魅力は曖昧模糊としています。

そんな魅力に触れてみたい方にオススメします。


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08-23(土)

「物語が、始まる」 川上弘美



いつもの暮らしのそこここに、ひっそり開いた異世界への扉―公園の砂場で拾った「雛型」との不思議なラブ・ストーリーを描く表題作ほか、奇妙で、ユーモラスで、どこか哀しい、四つの幻想譚。芥川賞作家の初めての短篇集。



<感想> ★★★★☆

「若さとは傲慢ということである」というのは使い古された言葉ですが、20代

の私は本当にゴーマンでした。 何がゴーマンかといえば読書スタイルです。 

当時、村上春樹さんにハマっていた私は、俺がムラカミハルキを読み解いて

やるぜ!
などというとてもハズカシイ思いを抱いていました。 

そんな頃に芥川賞を授賞したのが川上弘美さんです。 受賞作は『蛇を踏む』 

当然ながら、俺がカワカミヒロミを読み解いてやるぜ!!と読んではみたもの

のまったく理解不能でした。 この俺サマが理解できない小説は駄作に違い

ない。芥川賞なんてクソくらえだ!! 
などという途方もないカンチガイをしてし

まったワケです。 アマ○ンで、芥川受賞作を叩きまくっているカスタマーレビュ

ーを目にすると、若き日の自分を見ているようで、すげぇ~ハズカシイです。


さて、前置きが長くなりましたが、本書は川上弘美さんの受賞後第一作短編集

です。 基本的には『蛇を踏む』を踏襲した嘘話。 少しだけ現実からズレた世

界を、ゆるゆるとした文体で描くというのが初期作品の特徴ですが、本書に収

められた作品は最もそれを反映しているように思います。 

特に、拾った雛形と恋愛に陥る主人公を描いた表題作は秀逸です。 雛形っ

てなんだよ!なんで雛形あきこが捨てられているんだよ!
と感じたあなたは修

行が足らないようなので、滝に打たれてきてくださいね。 


私も含めて『センセイの鞄』以前の川上作品は苦手なんだよね・・という方に

あえてオススメします。 『卵一個ぶんのお祝い。』『ほかに踊りを知らない』

笑える感性があれば、この作品を楽しめるハズです。(たぶん)
 

 
08-21(木)

読書感想文オススメの一冊


夏休みも残り十日になりました。

夏休みといえば宿題。

宿題と言えば読書感想文です。


私のブログは読書系ですが、子供のころ読書感想文は大嫌いでした。

何か読んで模範的な感想を書いてみろ!!という学校側のゴーマンな

スタンスに対して、生粋のB型の血が過剰に反応したせいだと思います。

夏休みも押し迫って、ここにお越しになった方の大半は私のようなひね

くれモノか、「本なんて読まねぇ~し、ゼッタイ無理!!」という方だと

推察します。


そこで、読みやすくて、感想の書きやすい本をオススメします♪





O・ヘンリーの短編集です。

ひとつの話は短いので5~10分程度で読めます。

対象は小学校高学年から高校生までOK!!


平凡な生活の中で起こるような、ちょっといい話。

人の優しさや善意などが描かれています。

15編ありますが「最後のひと葉」「賢者の贈り物」

「よみがえった良心」
を読めば充分。 三作読んでも

所要時間は15~30分です。


作家の略歴を加えても枚数が稼げると思います。

没後百年近くたった現代でも、作品と名前が残って

いるO・ヘンリーですが、今風に言うと中卒の前科モノ

だったりするわけです。

O・ヘンリー(wikipedia)


最後に「この本を読んでみて、読書の楽しみを知りました。 

それがこの夏の一番の収穫です。」
的な一言を加えても

いいかもしれません。 


読んで30分、感想文は原稿用紙5枚で1時間。 

二時間頑張れば  「学校が火事にならねぇかなぁ~」 

などという暗い妄想をしなくても済むハズです。

今年こそは「24時間テレビ」を明るい気持ちで見てください。

ご健闘をお祈りしています。



マニアックな皆さんへ・・・

この本の訳者は金原ひとみパパです。

 
08-17(日)

栗田有起さんの新刊情報


栗田有起さんですが、三年ぶりに新刊が出るようです。

『蟋蟀』栗田有起/著

発売予定日は9月10日。

版元のHPをチェックしてみましたが、

今のところこの本に関する詳しい情報は出ていませんでした。

ところがそこで面白いものを見つけました。

西加奈子さんのWEB連載エッセイです。

WEBちくま  ミッキーかしまし

かなり笑えます♪

興味のある方は是非!!
 
08-17(日)

「幻の漂白民・サンカ」  沖浦和光


一所不住、一畝不耕。山野河川で天幕暮し。竹細工や川魚漁を生業とし、’60年代に列島から姿を消した自由の民・サンカ。「定住・所有」の枠を軽々と超えた彼らは、原日本人の末裔なのか。中世から続く漂泊民なのか。従来の虚構を解体し、聖と賎、浄と穢から「日本文化」の基層を見据える沖浦民俗学の新たな成果。



<感想> ★★★☆☆

以前、ある本の感想をUPしたときにリンク先の方からサンカに関するコメント

をいただきました。 その時は、ナンジャラホイ?と言う感じでしたが、あちこ

ち調べてこの本にたどり着きました。


さて、サンカという呼び名が公的な文書に記されるようになったのは江戸末期

です。 近代になり柳田國男が研究の対象とした後、戦前に活躍した小説家

三角寛に作品よって広く認知され、サンカブームになります。 戸籍を持た

ない山の民であるサンカは謎の部分が多く、戦後にはその姿を消したと言わ

れています。 

それ以降、80年代の半ばまでは民俗学の1ジャンルに過ぎませんでしたが、

映画や五木寛之さんの小説によって第二次サンカブームが訪れます。 

2001年に上梓された本書は、この二度のサンカブームを検証するという立場

で書かれています。


サンカに関しては諸説あるようです。 本書もその中のひとつに過ぎませんが、

サンカとは何なのか?サンカはドコから来てドコに去っていったのか?基本的な

質問に対して、冷静に答えてくれる一冊です。 興味のある方にオススメします。


サンカ(民俗学)Wikipedia





 
08-15(金)

角田光代さんラジオ出演・期間限定ネット配信中


世の中はお盆のようですが、私は毎日働いています。

昼間ラジオを聴いていたら、なっ、なんと

角田光代さんが出ているではないですかぁ!!!!

まったくの偶然だったのでぶっくり。

お盆に仕事をしているご褒美だったのかもしれません。


『八月の蝉』の話が中心でしたが、

ラストシーンに関するエピソードの影には、新聞連載

ならではのご苦労があったようです。

↓こちらで聴くことができます。

文化放送・ポットキャスト

8月15日(金)の分をクリックしてください。

8月21日(木)までネット配信されています。

興味のある方はお早めに・・・・・






 
08-13(水)

「グランド・フィナーレ」 阿部和重



「二〇〇一年のクリスマスを境に、我が家の紐帯は解れ」すべてを失った“わたし”は故郷に還る。そして「バスの走行音がジングルベルみたいに聞こえだした日曜日の夕方」二人の女児と出会った。神町―土地の因縁が紡ぐ物語。ここで何が終わり、はじまったのか。第132回芥川賞受賞作。



<感想> ★★★★☆

おそらく本書は、過去数年の芥川賞受賞作のなかで最も評判の悪い作品

です。 主人公がロリコンである。 受賞直前に奈良で幼児性愛がらみの

殺人事件が発生していたというのが主な理由です。 さらに付け加えるなら

事件と作品を結びつけようとした商業主義のせいだとも言えます。 


さて、ヤバそうな描写が出てきたらその時点で読むのを止めようと心に決め

て読み始めましたが、少なくとも私が嫌悪感を覚えるほどの描写はありませ

んでした。 たしかに前半部分に関してはかなりビミョーですが、一人よがり

の主人公の独白はこの手の作品で多く見かける極度に研ぎ澄まされという

感じではなく、ちょっと痛い人のブログを読んでいるような印象を受けました。

かなり文章力のある作家さんのようですが、テーマがテーマだけに意図的な

抑制だと思います。


後半はロリコン趣味が家族にバレてしまい故郷に帰ってからの物語になりま

すが、葛藤しながらも再生の方向に歩みだす主人公の姿が垣間見えるラスト

の読後感はそれほど悪くありません。 


表題作に関しては他の作品ともリンクしているようなので、そちらも読んでみ

たくなりました。 


 
08-11(月)

「さまよう薔薇のように」 矢作俊彦

かつて検察事務官をしていた「私」は、いまは当時の警察人脈を利用して公然と駐車違反の車を動かすことを生業としていた。客のほとんどは、ホステスか水商売がらみ。一晩に五十八台の客の車を一、二時間ごとに十メートルずつ動かし、駐車違反を逃れることで生計を立てている。…ある日、客の紹介である男から失踪した姪の捜索を頼まれるが。(「船長のお気に入り」)掛け値なしの傑作と謳われた、ハードボイルド作品集。


<感想> ★★★★☆

最近、幅広いジャンルを手がけている矢作俊彦さんですが、本書は84年

に上梓されたハードボイルド短編集です。 和製ハードボイルドは本家アメ

リカのそれほどプロットは入り組んでいませんが、読み慣れないとそこそこ

苦労します。 本書は中篇が3つ入っていますが、長さの関係もあって比較

的読みやすい仕上りになっています。


さて、矢作さんの作品は京浜地区を舞台にしたものが多いわけですが、本

書の舞台も横浜です。 四半世紀前の横浜にはランドマークタワーもみな

とみらいもありません。 バブルの大波が来る前の横浜。 いい意味でも悪

い意味でも、そこには強烈な個性を持った街が描かれています。 

多少なりとも横浜に土地勘があれば本書を堪能できますが、あちこちに漂

う昭和の匂いを嗅ぎとることも可能です。 


アウトレットモールと化した赤レンガ倉庫に違和感を覚えるという方に強くオ

ススメします。 表紙がちょっと恥ずかしいんだけどね・・(汗)


 
08-09(土)

「分岐点」 古処誠二


昭和20年夏、本土決戦に備えて中学生たちは陣地構築に動員された。度重なる爆撃にさらされ、飢えに苦しみながら辛い作業にあたる少年たち。そんななか一人の少年が指導下士官を殺した。人一倍敵愾心に燃え、大東亜戦争完遂の意気が高い13歳の皇国民は、なぜ歴戦の軍人に銃剣を向けたのか?戦争小説のリアル感とミステリーの臨場感が、稀有な融合を見せる傑作長編。―衝撃の結末は、深く胸を抉る。


<感想> ★★★★★

古処誠二さんの作品を読むのは三作目になります。

フィリピンのジャングルを舞台にした『ルール』 沖縄を舞台にした『接近』

いずれも時代は第二次世界大戦末期の昭和20年。 そして、本書の舞

台は敗戦を数日後に控えた内地です。 


本土決戦に備えて動員された中学生と満州帰りの下士官、新任の士官。 

それぞれの思いが交錯する中で、典型的な軍国少年が下士官を殺害して

しまいます。 彼はなぜ下士官を殺害したのか?最後に明かされる動機の

ようなものは、平成の世の中を生きている私には理解しがたいものです。

しかし、この作品のテーマは読者にそれを理解させることではなく、理解し

ようと考えさせる点にあるのではないかと思います。 


文章の硬さがちょっと気になりますが、夏休み中の中学生に読んでもら

いたい一冊です。 
 
08-08(金)

「タンポポの雪が降っていた」  香納諒一


あのときも、こんなふうにして、タンポポの雪が降っていた…。甘美な恋の思い出と、裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作「タンポポの雪が降ってた」をはじめ、誰もが胸にいだく、せつない想い出の数々。変わらないと思っていた幸せの脆さ。ふとした感傷が、時をへだてて突きつける人生の哀しみ。再会と、ほろ苦い別れ。日常を抜けだした先で見た夢の終わり…。時を悼み、心の詩を奏でる珠玉の七篇。


<感想> ★★★★☆

著者の香納諒一さんはハードボイルドの書き手として知られていますが、

短編に限って言うなら、人生の途中でふと立ち止まって後ろを振り返ると

いう感じの作品が多いように思います。


本書には7編が収められていますが、いずれもミステリー色は皆無です。 

7編中で最も秀逸なのは、刑務所帰りの兄を真面目な弟の視線で描く『不

良の樹』。 ヨーシャなく泣ける作品です。 

個人的には表題作と『歳月』にウルウルとしてしまいました。 女性の描

き方が若干男性視線だと感じる部分はありますが、代表作である『幻の女』

に通じるものがありました。 

7編を通じて文体に統一感がないのが難点と言えば難点ですが、長編のハ

ードボイルドも含めて、香納諒一と言う作家は何を描きたいのか?が明確

に示されています。 


女性が読んでも抵抗はないと思いますが、最近は女性読者を想定した作品

が多いなぁ~とお嘆きの貴兄にオススメいたします。



 
08-05(火)

「人生ベストテン」  角田光代



四十歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には二十五年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会に行く。十三歳の夏に恋をした相手に―どこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全六篇。


<感想> ★★★★★

なんかタイトルがイマイチだなぁ~と思いつつ、読むのを先延ばしにし

てきた角田光代さんの短編集です。 文庫が出たのでゲットしました。


さて、本書には6つの短編が収められていますが、どの作品も角田さん

お得意のだらだらキャラが主人公です。 

まずは表題作。 ヒロインは人生のベストテン(十大事件)は、すべて十

代の前半に集中しているという40歳直前の独身OL。 人生のベスト1

を求めて中学の同窓会に出かけますが・・・。 彼女を取り巻く独身女性、

彼女自身のモノの考え方、そして話しのオチ。 イロイロ詰め込まれてい

ますが、それをあえて短編で描く巧さには見事です。   


もう一つ、気になったのは「テラスでお茶を」 こちらは独身女性が中古マ

ンションを買う話。 彼女がいかなるきっかけでマンションを購入するのか

をマンション探しに重ねて描くさまが秀逸でした。 


春ごろから「アラウンドフォーティ」という言葉をよく耳にするようになりまし

たが、それにピンとくる方なら本書を堪能することができると思います。 


個人的な感想をもうひとつ加えるなら、「ダラダラでもいいんじゃないの・・」

的な結末に、ダラダラオリンピックならいつでも参加可能!!明日にも北

京に飛ぶぜ!
と意気込んでいる私は若干癒されました。

「私も参加するわ」 「俺は金メダルさ!!」という方にもオススメしちゃます。


 
08-04(月)

『だりや荘』  井上荒野



両親の死を機に、東京を引き払い、信州でひとり暮らす姉のそばへ越してきた妹夫婦。両親の気配の残る小さな宿を引きついで、おだやかな日常が始まったように見えたが、そこでは優しさに搦めとられた、残酷な裏切りが進行していた―精緻な描写と乾いた文章が綴るいびつな幸福。うつくしく痛ましい愛の物語。



<感想> ★★★☆☆

ソープオペラ(ソープドラマ)という言葉をご存知でしょうか?いわゆる昼ドラ

を意味するスラングです。 語源についてはいくつかあるようですが、スポン

サーが石鹸(洗剤)メーカーだからというのが最も有力なようです。 日本でも

P&○とか○王とかラ○オンとか・・ですよね。(笑)


さて、本書をひとことで言うなら ソープオペラ的小説といったところです。  

妹のダンナとその姉が関係していて・・というドロドロ状態なんだけど、舞台が

信州のペンションという設定のせいか、若干の爽やかさが漂っています。 

内に秘めたドロドロを表に出せない状態で、苦悶する姿の描き方は秀逸です。 

ただ、この微妙な心理は女性読者ならフムフムと理解できると思いますが、

男性読者にはキビしいなかぁというのが正直な感想です。 

 
08-03(日)

「警察庁から来た男」  佐々木譲

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。

<感想> ★★★☆☆

本書は、北海道警の不祥事をテーマにした『笑う警官』の続編です。

前作のメンバーに加えて、ストーリーの牽引役として警察庁のキャリア

官僚が登場します。


導入部の巧さやミステリーとしての面白みは前作を上回っていますが、

前作で孤軍奮闘していたメンバー達がすっかり落ち着いてしまった感じ

で、その点に若干不満が残りました。


とは言うものの、ベテラン作家である佐々木譲さんの筆運びに抗うことは

できずイッキ読みをしてしまいました。 

前作をお読みになって、登場人物達のその後が気に掛る・・・という方に

強くオススメします。

 
08-02(土)

現在の在庫状態


ここのところ、集中力が低下しているせいかイマイチ読書が捗りません。

でも、「ぶ」には行定期的に行ってしまうので、在庫過剰になってきました。

とりあえず、無法地帯のジャングルに迷い込まないうちに記録しておきます。



        


                

 
08-02(土)

「急な青空」 南木圭士


過剰なる記憶力が、患者や家族のもがき苦しむ姿を鮮明に保持していたために、心の病を得てしまった。以来、大切なのは日常の細部になったが、それでいい。いまはただゆるやかな坂を下る、その力の抜き方だけを会得したいのだ。医師だからこそ語れる、いま在ることの愛おしさ。心と身体にやさしいエッセイ集。



<感想> ★★★★☆

ここしばらく、営業成績がヒジョーに悪くて若干病んでいます。

私の勤務先の営業部門は、ここ数年ビョーキになって休職や退職をしてし

まう人が非常に多くて明日は我が身という状態です。 

相手に好印象を与えるのは初めの5秒とか、引かれたら引き返すテクとか、

クロージングのタイミングとか・・マニュアル化された営業法もありますが、

何と言っても仕事の基本はハイテンション(前向きさ)です。 体育会系的な

物言いは好きではありませんが、高いテンションを維持できれば、ある程度

のテクニック不足はそれを補って余りあるのではないかと思います。 しかし、

何かのキッカケでテンションが下がってしまうと泥沼のようなスランプに陥っ

てしまいます。 そこから抜け出せなくて精神的に追い込まれてしまう人が多

いのだと思います。 


さて、前置きが長くなりました。

著者の南木圭士さんは芥川賞作家であると同時に内科医でもあります。

数年前に作品が映画化されましたが、それ以外は目立った作品もないし、い

わゆるベストセラーとも無縁です。 医者を辞めない理由は純文学では食べ

ていけないからだそうで、本書の初出も医師向け専門誌の連載です。 


そんな著者ですが、40代の終わりに医療従事者に多いと言われる燃え尽き

症候群
に陥り、鬱病を発症してしまいます。 職場に復帰した後も病棟勤務

に就くことができず、外来診療のみをこなしている状態のようです。 

鮎釣りをしたり山歩きをしたり、時には知り合いの患者さんに励まされたり、

家族に支えられながら過ごした数年間を抑制の効いた文章で綴っています。 

心身の不調を克服しようとするのではなく、それと上手に付き合っていくのが

最も適した治療だと割り切った時に見た青空がタイトルの由来になっている

ようです。 

私のように、ちょいと病み気味の方にオススメいたします。

 
08-02(土)

ブックオフ・オンライン


ブックオフのオンライン版である

ブックオフオンラインを初めて利用してみました。

BOOKOFF


発送時期が明確になっていなかったので、そのあたりはアバウト

なのかなぁ~と思っていましたが、土曜の夜に注文して月曜日に

届きました。

値段設定が店舗より若干高め・・のような気がしますが、送られて

来た本はピカピカでした。 

興味のある方はチェックしてみてください。


アフィリエイト提携も始ったようですが「楽天」ユーザーは使えな

いと思います。(たぶん)

 
08-01(金)

「下山事件」 森達也


下山事件。昭和24年7月5日、日本橋三越から忽然と姿を消した初代国鉄総裁下山定則が、翌日未明常磐線の線路上で轢断死体となって発見された。自殺か?他殺か?戦後最大の怪事件の謎は、50年後のいまも解かれぬまま、関係者は鬼籍に入っていく―ある人物から得た重大な新情報。著者の迷宮への彷徨が始まった。生き残った関係者を探し、その記憶を辿る。真実はどこにあるのか。


<感想> ★★★★☆

著者の森達也さんは、TV出身の映画監督です。 

オウム信者を内側から描いた『A』『A2』など、TVメディアでは触れること

ができないタブーを題材にした映像作品をいくつか手がけています。 個

人的には「面白い」映像作家という印象を持っていますが、それに関して

賛否両論があるようです。


さて、本書はそんな著者が『下山事件』について取材したものです。

事件の詳細はリンク先をご覧いただくとして、戦後最大の謎と言われる下

山事件は未だに解明されていません。 事件に関してはトンデモ本が数多

く出ていますが、朝日新聞の記者であった矢田喜美夫の『謀殺・下山事件』

や松本清張の『黒い霧』が信頼の置けるものとされています。 関係者のほ

とんどが鬼籍に入った現在「新事実」を掘り起こすのは不可能に近く、もし

出てきたとしても、それを立証する手段はありません。 


そこで本書は、松本清張を読んだ程度の知識しかなかった著者が事件に興

味をもったきっかけ、取材過程での葛藤などを中心に据えています。 

現在でも事件を追っている記者OBの姿や、数少ない関係者への取材は事

実の重みも加わってスリリングです。 


しかし、「週刊朝日」編集部や当初の情報提供者とのトラブルなど、後味の悪

さは否めません。 まぁ~良くも悪くも、それが森達也という人のキャラクター

なのかもしれません。


事件について詳しく知りたい方、森達也さんの映像作品がお好きな方にオスス

メします。
 
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