プロフィール

きたあかり

Author:きたあかり
文芸書中心の読書日記です。
読書傾向はフリーエリアの円グラフを見てください。 サイトのご案内

フリーエリア
ひとこと掲示板
FC2カウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

-----(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
05-31(土)

5月の書籍代


今日から6月です。

全然知りませんでしたが、今日からガソリンがまた値上げになったんですね。

そういえば、昨日、一昨日とガソリンスタンドの前が渋滞していました。

危機感のない私は「何で渋滞してるのかなぁ~??」なんて思ってました。

まったくウカウカしていられませんな。



というワケで5月の書籍代です。

このカテゴリーもマンネリ化しているので、

今月から装丁お気に入りを加えることにしました。


5月の書籍代   12冊 5,450円(13冊@419円)


 今月の大当たり

  



 今月のあたり

    



 「今月のお気に入り装丁」


福袋2  福袋

『福袋』角田光代


装丁は数多くの作品を手がける大久保伸子さん。

装画は東ちなつさんです。

画像ではよく伝わりませんが、とてもきれいな装丁です。

本屋さんでチェックしてみてください。

  
スポンサーサイト
 
05-29(木)

「東京島」 桐野夏生


32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか―。食欲と性欲と感情を剥き出しに、生にすがりつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読者の手を止めさせない傑作長篇誕生。


<感想> ★★★☆☆

本書は今月上梓された桐野夏生さんの最新刊です。

あらすじをお読みいただけるとわかると思いますが、無人島を舞台にした作品

です。 無人島と言えばウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』。 コミックなら

楳図かずおさんの漂流教室を思い浮かべる方も多いと思います。


加えて31人の男と1人の女・・・

こりゃすげぇ~展開になるだろうな、なにせ桐野夏生さんだし!!と思いました

がちょっと肩透かしをくらった感じでした。 無人島で唯一の女性である清子の

描き方は最高に巧いと思いますが、彼女を取り巻く脇役のキャラクターがイマ

イチでした。 彼らの多くが『メタボラ』の中で描かれた定職に就かない日本人

の若者という設定で、それを踏まえるなら彼らの行動様式は妥当と言えますが、

『メタボラ』と比較すると明らかに迫力不足だったように思います。


もちろん小説としての基本的な巧さや面白さはあるし、あちこちにちりばめられ

た暗喩は現代を映す鏡になっていることも充分理解できるんですが・・・・。

「ハードカバーを買って損した」などというつもりはありませんが、興味のある方

は文庫まで待ってみてもいいかもしれません。

 
05-27(火)

「隠蔽捜査」 今野敏


竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。

<感想> ★★★★☆

本書は山本周五郎賞日本推理作家協会賞をW授賞して話題になってい

『果断・隠蔽捜査2』のシリーズ一作目です。


さて、警察小説と言えば横山秀夫さんのデビュー以降、警察内部の確執を

描く作品が多くなりました。 それは活字メディアに留まることなく従来の刑

事ドラマ(映画)にも影響を与えているようにも思います。 

本書の主人公竜崎伸也は、東大を出て国家公務員上級甲種(現1種)試

験を突破したキャリアと呼ばれる警察官僚の一人です。 上昇志向が人一

倍強くて、ライバルを見下し、家庭では子供に「東大以外は大学ではない」

力説する父親。 「相棒」「踊る大捜査線」ならば典型的な悪役として描か

れるキャラクターです。 こういうキャラクターを中心に据えた場合、徐々に

変化して最後には善人になるというプロットを予想しがちですが、主人公の

キャラクターは最後までぶれることはありません。 なぜなら彼はイヤな奴

ですが悪い奴ではないからです。 


ルール(職務)に忠実で、それを守るために全力を尽くす。 そんな主人公

が警察内部でどのように立ち回るのか?緊張感溢れる進行の一方で、家

庭ではまったく融通の利かない夫である主人公と、それをやり込める妻との

会話がところどころに配されていて、作品全体ににメリハリを加えています。


今野敏さんの作品は初めて読みましたが、難しいキャラクターを掘り下げて

エンターテイメントに昇華させていく手腕は見事です。 

警察小説と言うと腰が引けてしまう女性の方にもオススメいたします。

 
05-27(火)

「ガン回廊の朝」 柳田邦男


昭和37年、国立がんセンター設立。学閥・年齢を問わず、全国から集められた人材が、ガン撲滅の闘いを始める。患者の苦しみを自らの苦しみとして研究治療に没頭、情熱が苦難を克服して、早期発見・治療の成果を挙げていく。ガンと闘う臨床医や研究者たちの苦闘と不屈の姿を描く感動のノンフィクション大作。



<感想> ★★★★☆

本書は1962年(昭和37年)に設立された国立がんセンターを舞台にした

ノンフィクションです。  現在でも最先端の医療水準を誇る、国立がんセン

ターの設立当初のエピソードからCTスキャンが登場した1978年(昭和53

年)までの16年間を読み応えのある文庫二冊組の分量で描いています。


さて、当時のがん治療は手術による外科的な処置が主流ですが、本書がス

ポットを当てているのは病理医や放射線科の医師達です。 高度な医療機

器がなかった当時、様々な工夫を凝らして早期発見の精度を高めていく医

師達の情熱。 彼らが亜流で開発した診断法のひとつひとつが臨床で生か

され、がん治療の大きな流れを創りだしていく過程は読んでいてエキサイテ

ィングでした。


1979年(昭和54年)に出た本なので情報の古さは否めませんが、池田勇

人元首相の入院エピソードや当時のがん告知の考え方など、昭和史として

読んでみても面白いと思います。


 
05-26(月)

「蟹工船」ブーム?


なにやら、絶版寸前だった小林多喜二の『蟹工船』が売れているようです。

ニュースソースは↓

YOMIURI ONLINE

J-wave "Jam The World"


 
帝国海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。“国策”の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」。近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験を通して描いた「党生活者」。29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作2編。


1929年(昭和4年)に出たプロレタリア文学の秀作ですが、80年後の

現在、ブーム再燃の兆しがあるようです。

背景には、ワーキングプアや格差問題があるのはいうまでもありません。


個人的には、昔も今も「文学=エンターテイメント」という考えなので、強い

メッセージ性を持つプロレタリア文学を敬遠していましたが、学生時代(バ

ブル真っ最中)に読んだ『蟹工船』はエンターテイメントとしても魅力のある

作品でした。 卓越な描写と絶妙なカット割(場面変換)が、すごく印象に残

っています。 おそらく現代でも通じる作家の一人だと思います。


小林多喜二は29歳の若さで獄死していますが、絶版寸前だった自分の作

品に再度、光を当てている現代をどのように見るのでしょうか?


↓案の定、コミック版も出ています。


 
05-25(日)

「福袋」 角田光代



人生に“当たり、ハズレ”なんてない!? 謎で不可解な届け物や依頼、または同僚や夫など身近な人の不可解さに出くわしたら、あなたならどうする? 8編の短篇をとおして、直木賞作家が開く、人生のブラックボックス。




<感想> ★★★★☆

本書は3月に出た角田光代さんの最新刊です。

年間4~5冊の勢いで新作が出ている角田さんですが、いわゆる売れっ子

作家の大半がそうであるように徐々に筆が荒れてくるのではないだろうか?

などと考えています。 そのせいか新作を手に取るたびに期待と不安の入

り混じった気分にさせられます。 しかし、最新刊の本書でも角田節は健在

で『対岸の彼女』で取り込んだF2層の期待を裏切るものではありません。


さて、本書には8つの短編が収められています。

初期作品を思わせる『箱おばさん』。 亡くなった母が言い遺した米びつの

中にあるものとは・・『母の遺言』。 ちょっと怖い『犬』もいいですが、なんと

いっても表題作が秀逸です。


私は唐突に思いつく。 ひょっとしたら私たちはだれも、福袋を持たさ

れてこの世に出てくるのではないか? 

=中略=

袋の中身はときに、期待していたものとぜんぜん違う。 安っぽく、つ

まらなく見える。 ほかの袋を選べばよかったと思ったりともする。 そ

れなのに私たちは袋の中身を捨てることができない。 いじいじと身に

つけて、なんとか折り合いをつけて、それが肌になじむころには、どの

ようにしてそれを手にしたのだか忘れてしまっている。



ネットで買った福袋は交換も出来るようですが、人生の福袋は交換でき

ません。 だからこそ面白いのかもしれませんね。(笑)



先日感想をUPした『おやすみ、こわい夢を見ないように』の文庫が出るよ

うです。 あちこちチェックしていたら、桐野夏生さんとの対談記事を見つ

けました。 『おやすみ、こわい夢を見ないように』刊行記念対談





 
05-25(日)

桐野夏生さんの新作


最近、忙しくて更新がままなりません。

というわけで、今日も新作情報です。(汗)

桐野夏生さんの新作が23日に発売されました。



あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇!

32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!



うぅ・・なんかスゴそう・・


『メタボラ』が去年の5月ですから、一年ぶりの新作になります。

詳細は新潮社の特設サイトへ・・

新潮社話題の本『東京島』桐野夏生



 
05-22(木)

桜庭一樹さんの新作


28日に桜庭一樹さんの新作が出ます。

直木賞受賞後第一作。




↑予約受付中♪

期間限定ポイント5倍セール(要エントリー)

2008/5/22(木)10:00~2008/5/26(月) 9:59



『私の男』でインモラルの極北を描いた桜庭さんの新作。

スゲェ~気になります。


↓詳しくは文藝春秋のサイトへ・・

桜庭一樹『荒野』特設サイト


 
05-18(日)

「福袋」購入


久しぶりに地元のブック○フに行ってきました。

二冊購入で950円でした。





今回の目玉である『福袋』




山本文緒さんの最新エッセイです。 なにゆえか250円でした。



そういえば以前購入した↓の報告がまだでした。

フラッシュメモリ

え~と・・・

あまりreadyboostを実感できませんが・・・・

パソコン速くなっているんだよね・・・・

いやいや、早くなっているにちがいない!!

うんうん

 
05-17(土)

「獄窓記」  山本譲司


政治家の犯罪。それは私が最も嫌悪するものだった―。三十代の若さで衆議院議員に当選した私は、秘書給与詐取事件で突然足元を掬われる。逮捕、そしてまさかの実刑判決。服役した私の仕事は、障害を持った同囚たちの介助役だった。汚物まみれの凄惨な現場でひたすら働く獄中の日々の中、見えてきた刑務所の実情、福祉行政への課題とは。壮絶なる真実の手記。新潮ドキュメント賞受賞。


<感想> ★★★★★

著者は「みちのくひとり旅」じゃない方の山本譲司さんです。 

秘書給与詐欺事件で実刑判決を受けた元国会議員といえばご記憶の方も

多いと思います。
 

さて、事件の詳細についてはリンクをご覧いただくとして、本書は著者が服

役中に経験した事実をノンフィクションとして書いた後半と、政治家を志して

逮捕されるまでを書いた前半に分けられます。 

実刑判決後、黒羽刑務所に収監された著者は障害を持つ受刑者の介助役

を命じられます。 障害を持つ受刑者はどのように扱われているのか?彼ら

の発する言葉や現場の刑務官達、そして受刑者である自分自身が日々感じ

たこと。 多少の誇張やデフォルメがあることを踏まえても、今まで描かれる

ことのなかった塀の中のさらに奥の様子を生々しく描いた本書は読み応えと

いう点ではピカイチです。 当然ながら著者の訴えも読者の心にストレートに

響いてきます。  


しかし、本書の核は、30代で政治家となった典型的なエリートである著者が、

違法行為に手を染め、その事実が発覚して逮捕、服役、そして釈放に至るま

での心の葛藤や鬩ぎあいが正直にかつ真摯に描かれている点にあると思い

ます。 


政治家、話題になった事件の当事者という著者の略歴から、下品な暴露本

や、事件に関するいいわけじみた内容をイメージしていた私は、その先入観

を見事に覆されました。 普段なら決して手に取らないだろうと思われる本書

を読むきっかけを与えてくれたリンク先の読子さんに感謝します。 


 
05-16(金)

「指輪をはめたい」  伊藤たかみ


前の彼女に振られてから、30歳になるまでに結婚して見返してやるのだと誓っていた僕。指輪も買った。誕生日も近い。しかし、転んで頭を打ち、いったい誰にプロポーズしようとしていたのか肝心の記憶だけを失ってしまう。僕の本当の相手は誰?大人になりきれない29歳・オトコの結婚観をチクリと描きだす。




<感想> ★★☆☆☆

う~ん。 ひとことで言うと軽すぎ。。。

29歳独身男のイタさを描きたいのはわかるんだけど、むしろ主人公の

ズルさが読者に不快感を与えてしまうのではないかと思います。


後半に登場する15歳の女の子の使い方は巧いと思いますが、『八月の

路上に捨てる』で味わった文章のキレを感じることもできませんでした。

テレビドラマのテーマとしては面白いかもしれませんが・・・・



 
05-15(木)

「予知夢」  東野圭吾



深夜、16歳の少女の部屋に男が侵入し、気がついた母親が猟銃を発砲した。とりおさえられた男は、17年前に少女と結ばれる夢を見たと主張。その証拠は、男が小学四年生の時に書いた作文。果たして偶然か、妄想か…。常識ではありえない事件を、天才物理学者・湯川が解明する、人気連作ミステリー第二弾。


<感想> ★★☆☆☆

東野圭吾さんの探偵ガリレオシリーズ二作目です。

前作では天才物理学者・湯川のキャラクターに引き込まれましたが、

さすがに二作目になるとマンネリ気味になりますね。


あくまで好みの問題ですが、トリックを描くための小説はあまり好きでは

ありません。 謎に対して整合性は取れると思いますが、それに終始す

るとストーリー(ドラマ)がおざなりになってしまいます。 本書に関しては

その傾向が強いように思います。 表題作に関してはもう少し肉付けして

長編にすれば、それなりに楽しめると思うんですが・・・


とはいえ、文章も読みやすいし連作短編なので通勤電車の中で読むの

には最適かもしれません。


次はいよいよ直木賞作品の『容疑者Xの献身』に!!

って、いまさらですね(汗)


 
05-14(水)

憧れ女性ちぇっく


リンク先のゆずりは文庫さんが日記で紹介していた

【憧れ女性・男性ちぇっく】 なるものをやってみました。

15の質問に答えたら以下のような結果がでました。


          

   
まず、ロリコン属性評価ですが、きたあかりさんの場合割と大人な女性が好みですか?セクシーという言葉に弱そうです。

おっしゃる通りです。


次に知的属性評価ですが、かなり知的な女性が好きなようです。クイズ番組で難しい問題に答える女性がかっこいいと思う傾向があります。

う~ん。ビミョーです。


そして、アホな位明るい女性が好みです。ちょっと黙ってるだけで病気かな?と心配してしまう傾向があります。

う~ん。これもビミョーです。


女性の胸に関しては、こだわりはあまり無いようです。適度なふくらみがあれば文句は言わないタイプです。

適度な・・というのがこだわりと言えばこだわりですが、おおむねその通りです。


さて、見た目からみた性格的な傾向ですが、かなり優しい女性が好きなようです。耳かきをしてもらったり、病気の時に看病されたら、もう我慢できないタイプです。

ほい!優しさに飢えている今日この頃です。


外見的な部分で言うと、スタイルの良い女性が好きなようです。

そうでもないと思います。(たぶん)


髪型にとくにこだわりはなさそうです。

すげぇ~ショートでない限りは大丈夫です。


そんなあなたにオススメなのは…

1位 相武紗季 (261.6点)
2位 関根麻里 (258.6点)
3位 和希沙也 (257.4点)




激しくオススメされます(笑)

憧れ女性・男性ちぇっく

↑アクセスが集中しているようで夜はやたらと重いです。


 
05-11(日)

健康診断


昨日(土曜日)は職場の健康診断でした。

メタボ検診云々が騒がれている昨今、今年は体重を落として

臨むぞ!!   と2ヶ月ぐらい前から気合を入れていました。

しかし・・・・・

先週の半ばあたりから風邪が悪化 

金曜まではなんとか仕事に行きましたが、昨日は朝から

熱が出てしまい寝たきり中年になっちまいました。

結局、検診は受けられませんでした。

今までの努力は何だったのでしょうか?

とても悲しいです・・・    

 
05-10(土)

「リレキショ」 中村航


大切なのは意志と勇気。それだけでね、大抵のことは上手くいくのよ―“姉さん”に拾われて“半沢良”になった僕。ある日届いた一通の招待状をきっかけに、いつもと少しだけ違う世界が、ひっそりと動き始める。深夜のガソリンスタンドが世界を照らし出す、都会の青春ファンタジー。第三九回文藝賞受賞作。



<感想> ★★★★☆

中村航さんは『百回泣くこと』の文庫があちこちで、平積みになっていて

気になっていた作家さんです。 

「そこそこ売れている+若者ウケする装丁+読書系ブログでレビュー

を見かけない」
と不安な要素がいっぱいですが「芥川賞のノミネート歴

+版元が河出書房」
と差し引きで手にとってみました。 


さて、本書をひとことでいうなら純文学色の強い青春小説というところで

す。 「姉さん」と暮らす素性のわからない主人公。 半透明な存在であ

る主人公の一人称語りは、彼自身の物語を綴るのではなく、彼の周囲

にいる人たちを綴るための客観的な視線ではないかと思います。 

ひとつひとつの場面が丁寧に描かれていて、たびたび出てくる深夜のガ

ソリンスタンドのシーンは秀逸です。 


最も気になる部分については最後まで明かされることはありませんが、

まぁ~それもアリかな・・と思わせるのは著者の力量なのかもしれませ

ん。 文章も平易で読みやすいです。 読後感のいい佳品をお求めの

方にオススメします。

 
05-10(土)

「水銀虫」  朱川湊人



誰もが抱える水銀虫。彼らは人の心に寄生し、自殺へと導くのだ。読むほどに憂鬱になる、慰安と戦慄の七日間。

【目次】枯葉の日/しぐれの日/はだれの日/虎落の日/薄氷の日/微熱の日/病猫の日


<感想> ★★★☆☆

表紙の絵がすげぇ~コワい本書は朱川湊人さんのホラー短編集です。

朱川さんといえば直木賞作品の『花まんま』や『かたみ歌』などの泣け

るホラーが代表作とされる傾向があるようですが、本書はアクの強い

正統派ホラーを収めた作品集です。 おそらく著者のオリジナリティー

はこちらにあるのではないかと思います。 


すべての元凶は人が心の奥底に秘めている悪意である。 という描き

方は私のようにホラーが苦手な読者でもすんなり朱川ワールドに身を

置くことができます。 


個人的は一番最後の「病猫の日」の出来がサイコーにいいと思います。 

一方で、少しだけスプラッター系の「虎落の日」はダメでした。

 
05-05(月)

「おやすみ、こわい夢を見ないように」  角田光代



憎悪は愛の裏返しってこと?それとももっと気まぐれなもの?新婚夫婦、高校生カップル、同棲中の恋人たち――誰にでも起こる衝動的な7つのドラマ。





<感想> ★★★★★

角田光代さんの作品の中で、比較的幅広い読者を対象として書かれた作

品を白角田、従来の作風を踏襲したものを黒角田と分類している読書系

ブログの管理人さんがいらっしゃいます。 それに倣うなら本書は思いっき

黒角田です。 アフィリ画像を見るとほんわかした装丁だなぁ~とお感じ

になる方もいらっしゃる思いますが、現物を手に取って細部を見るとちょっ

と怖いです。 


さて、本書には短編7作が収められていますが、テーマは憎しみです。 そ

れぞれの登場人物は憎しみを増殖させ、それに囚われています。 狂気と

までは行きませんがほとんどビョーキの彼(女)達はとてもコワくて、おそら

く読者が感情移入をするのは困難だと思います。 初期の角田作品を読む

と、そのあたりはおかまいなしでイタいキャラクターをガンガン押してきます

が、この作品集では彼(女)達の周りに読者が感受移入しやすい人物を巧

みに配しています。   


彼女は未来に続く出口を頑丈に締め切り、過去ばかりがひしめく密室

で、気にくわなかったひとつひとつを発酵させているように思えた。 

彼女の話をじっと聞いていると、その発酵のにおいに酔いそうだった。 

かつて私を心強くした呪詛の言葉は、ただただ私を不快にした。

 刃だ、とそのとき私は思った。 不快なのは、理沙が刃をちらつかせ

ているからだと。

 憎しみというのはジャックナイフのようなものだ。 ちいさなボタンを押

すと、刃がしゅっと飛び出る、あのナイフ。 ボタンというのはなんだろ

う? 怒りか、恨みか、度のいきすぎた愛か、それとも気まぐれなもの

か。

=中略=

死ねって感じ。 かつて、この人といっしょにそう言って笑っていたの

だと思うと自分ながらぞっとした。 そんな意味じゃなかったのだと誰

かに言い訳したかった。



というわけで、私は激しく好きなタイプの作品集ですがオススメはしません。

黒角田OKという方は、ぜひお読みになってみてくださいませ。

 
05-03(土)

「土の中の子供」  中村文則


27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。著者初の短篇「蜘蛛の声」を併録。


<感想> ★★★★☆

児童虐待を受けて育った主人公を描く本書は、とにかくすげぇ暗い作品

です。 アマ○ンのカスタマーレビューをチェックしたところ「暗すぎて読む

のをやめた」
という感想もありました。 ただ、個人的な感想を言うなら芥

川賞受賞作である本書は、私が理想とする芥川賞のイメージに最も近い

ように思います。


必要以上に暗い作品を是とする気はありませんが、この作家の持つ表現

力や文章力の豊かさをひしひしと感じました。 純文学にありがちな独善

性に陥ることもないので、読者もある程度までは自己投影することが可能

です。 欲を言えば、脇役のキャラ設定が甘いかなぁ~とは思いますが芥

川賞作品にエンターテイメントの要素を求めるのは酷かもしれません。


とにかく暗いし、重いテーマなのでオススメはしませんが、作者の中村文則

さんは吉田修一さんがそうであったようにオオバケをする要素を持っている

ように思います。 マメにチェックしてみます。
 
05-02(金)

4月の書籍代


世の中はゴールデンウィークのようですが、

零細企業の従業員である私はふつーに仕事をしています。

まったくありがたいことです。


さて、ご報告がございます。

ご心配をおかけしていた行方不明のリモコンですが、

本日、無事保護いたしました。

リモコン

よくわかりませんが、玄関に置いてある花瓶の中に入っていました。

皆さんもリモコンが行方不明になった時は、花瓶も調べてみてください。(笑)


      
 


というわけで4月の書籍代です。

7冊 3,900円 (8冊@488円)


今月の大当たり 




今月の当たり 

   



 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。