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04-28(月)

「接近」 古処誠二


昭和二十年四月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸したとき、安次嶺弥一は十一歳だった。学校教育が示すまま郷土の言葉を封じて生きる彼の前に、同じく郷土の言葉を封じたアメリカ人が突然日本兵の姿で現れる。本来出会うはずのなかった彼らは、努力をもって体得した日本の標準語で時間を共有し、意思を伝え、距離を詰めていく。人の必然にしたがって、相容れない価値観は「接近」した。


<感想> ★★★★☆

古処誠二さんの作品は二作目です。 

前回読んだ『ルール』は第二次世界大戦末期のフィリピン戦線が舞台でし

たが、本書はアメリカ軍が上陸した直後の沖縄が舞台です。 


さて、戦後21年目に生まれ、バリバリの日教組教育を受けて育った私か

ら見るとここ数年日本はかなり右傾化しているように思います。 しかし、

一方で自衛隊の基地を取り囲んで現場の自衛官を詰問している人たちの

行動もどうなのかなぁ~と思ったりもするわけです。 特に、ここ最近その

事実関係を云々されている問題については戦後世代の議論合戦のように

思えてなりません。 いずれの問題でも圧倒的に不足しているのは実際に

戦争を体験した人たちの声ではないでしょうか?


70年生まれの古処さんが、第二次世界大戦を作品の題材にすることにつ

いてイロイロな意見があるようですが、 従軍された方や銃後の守りを固め

ていた方々の経験やその想いを次世代に伝えて行くのは私たちの世代に

課せられた義務です。 俯瞰で論じるのではなく、あくまで個人の体験した

戦争にこだわる古処誠二さんは、なかなかイイ仕事をしているように思いま

す。 エンターテイメントにありながら、その筆の進め方は丁寧かつ真摯で、

簡潔な文体も読者を選びません。 若い世代に読んでもらいたい一冊です。

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04-28(月)

「夕子ちゃんの近道」  長嶋有

アンティーク店フラココ屋の二階で居候暮らしをはじめた「僕」。どうにも捉えどころのない彼と、のんきでしたたかな店長、大家の八木さん、その二人の孫娘、朝子ちゃんと夕子ちゃん、初代居候の瑞枝さん、相撲好きのフランソワーズら、フラココ屋周辺の面々。その繋がりは、淡彩をかさねるようにして、しだいに深まってゆく。だがやがて、めいめいがめいめい勝手に旅立つときがやってきて―。誰もが必要とする人生の一休みの時間。7つの連作短篇。


<感想> ★★★★☆

古道具屋が舞台の連作短編といえば川上弘美さんの『古道具中野商店』

が思い浮かびます。 モラトリアムの状態にある女性を描いた川上さんで

すが、長嶋有さんは似た設定で男性を主人公に据えています。 

主人公を取り巻く人たちのキャラクターも似通っています。 しかしながら

文体や語り口は違うわけで、そのあたりを前提にして読むとこの二冊を二

倍楽しむことができます。 


個人的には川上さんの方が好きですが、これはあくまで好みの問題だと思

います。 『古道具中野商店』をお読みになって、そこそこヨカッタという方

に強くオススメします。
 
04-27(日)

チャレンジ!おでん缶


先日のらーめん缶に続いて、おでん缶にチャレンジしてみました。

もちろん、こちらも近所のコンビニで半額になっていました。






中身は・・・・

おでん缶


 これはすばらしいです。 

大根、人参、たまご、こんにゃく、

さつまあげ、ちくわ、こんぶ、つみれ。


ちょいとカンドーしました。


 
04-22(火)

「月神の浅き夢」 柴田よしき

若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。

<感想> ★★★★★

柴田よしきさんの「RIKO」シリーズ三作目です。

いわゆるシリーズモノは、一作目をピークで徐々に失速していくパターンが

多いと思いますが、このシリーズに関しては一作ごとにレベルアップしてい

るように思います。 このシリーズのキャラクターや方向性は桐野夏生さん

の「ミロシリーズ」に近いものを感じていました。 個人的に女性主人公の国

産ミステリーでは「ミロシリーズ」に優るものはないだろうなぁ~と感じていま

したが、この一冊でその考えを覆されました。 

あらすじに「RIKO」シリーズ最高傑作。 とありますが看板に偽りなしです。


さて、『聖なる黒夜』を含めた本シリーズでは魅力のあるキャラクターを描く

ことに主眼が置かれていたように思いますが、本書に関してはこのシリー

ズのテーマを中心に据えてストーリーが展開していきます。 

特にラストの山内錬と緑子の対峙は圧巻です。


人が人を捕まえ、裁くこと。 それは、本当に可能なことなのだろうか?

何が真実であるのか、いったい誰にそれを決めることが出来るのか?

人は神になれない。



左から順に読み進めるのがオススメです。

RIKO       


余談ですが柴田よしきさんのブログをみつけました♪

普段はフツーの主婦をされているようです。

息子さんに持たせるお弁当画像満載の日記で、一目見ただけでは

作家さんのブログとは気がつかないと思います。


柴田よしきの日記

柴田よしき公式サイト

 
04-20(日)

川崎のブック○フ


土曜日は仕事で都内に行きました。

先週に引き続き、緊急営業会議です。

なんか、そんなのばっかやってもなぁ~(汗)


というワケで、仕事の帰りに川崎にある

ちょっと大きめのブック○フに行ってきました。

ココは複合店舗なので本を売っているのはフロアの一部です。

確かに品数は多いんだけど、やたらと通路が狭い上に

棚の途中に通路がないので、他のコーナーに移動するのに苦労しました。

一番大きなブック○フってドコなんでしょうか?


半額本

    

『遺失物管理所』は現代ドイツ文学。 

訳は『朗読者』の松永美穂さん



半額文庫本

        

この百けん先生は泣けるらしい・・




100円本

      


     

中村航さんは初めて読みます。


合計3,430円でした。

 
04-19(土)

「誘拐の果実」 真保裕一


病院長の孫娘が誘拐された。犯人からは、人質の黒髪と、前代未聞の要求が突きつけられる。身代金代わりに、入院中の患者を殺せ、というのだ。しかもその人物は、病院のスポンサーでもあり、政財界を巻き込んだ疑獄事件で裁判を待つ被告人だった。悩む家族、後手に回る警察。人質救出の極秘作戦が病院内で幕を開ける。そこに第二の事件が―。


<感想> ★★★☆☆

真保裕一さんといえば『ホワイトアウト』で見せてくれた圧倒的な描写力と

斬新な発想力が作品の魅力になっています。 


本書でも身代金代わりに入院患者を殺せと言う斬新な展開と娘の命と患

者の命の狭間で葛藤する医師とその家族の姿がよく描けていました。 

サスペンスの盛り上げ方もピカイチです。 本書は文庫の上下二冊組み

ですが、上巻の終わりには新たな謎が提起されていて、読者は躊躇する

ことなく下巻に手を伸ばしてしまいます。 しかし一方で、ここまでストーリ

ーを膨らませて、いったいどのようなオチを持ってくるつもりなのか心配に

なってくるのもこのあたりからです。 

すげぇ~面白いんだけどオチがイマイチというミステリーに出会ってしまっ

たという経験はありませんか?


さて、結果を言うなら本書のオチは整合性も取れているし、感動の余韻を

味わったという読者も少なからずいることと思います。 ただ、あくまで私の

意見ですが、ここまで引っ張られて来た読者はそのような結末を求めてい

るのかなぁ~?というのが率直な感想です。 

喩えるならお蕎麦屋さんで最後に蕎麦湯(そばゆ)を頼んだら、何ゆえかラ

ーメンを煮たお湯が出てきたような感じです。 

蕎麦が最高に美味かっただけにとても残念です。 
 
 
04-18(金)

チャレンジ!らーめん缶





前から気になっていた「らーめん缶」が

コンビニで半額になっていたので買ってみました。




らーめん缶


温めてお椀に移し替えてみました。

具はナルト一枚とシナチク二本。

麺はコンニャクでできてます。 

塩味のスープはなかなかいい感じで、

コンニャクの麺も思ったほど違和感はありませんでした。

すげぇ~寒いときに外で食べると何倍も美味しく感じるんだろうな・・



 
04-16(水)

おじさんからのお知らせ


ただいま深夜2:03です。

さっきまで、気合いを入れて書いていた感想をUPしたら消えました・・・・・・

久しぶりにやっちまいました・・

ただひたすら哀しいです・・・・

異動したら遠くなるから夜更かしもできなるなるかもなぁ~

と考えたら更に哀しくなりました。



あと、ぜんぜん関係ありませんが、Recommend Linkに強制表示されている

「温泉に堂々と入る」

という広告についてです。 

温泉(銭湯含)に行って他人さまのモノをチェックしている奴なんていない

だろう・・・・・・などと思います。

こんな、広告を出されたら楽しい温泉旅行も台無しですな。 

人の弱みにつけ込んではいけません・・・・

特に、青少年の諸君は騙されないようにしてください。

以上、おじさんからのお知らせでした。


さてと、お風呂に堂々と入ってから寝ます。

おやすみなさい。



 
04-13(日)

「4TEEN」  石田衣良


東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない―。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。直木賞受賞作。


<感想> ★★★☆☆

直木賞受賞作の本書はすご~くオーソドックスな青春小説です。

14歳といえば、桜庭一樹さんもこの年齢層を主人公に設定することも多い

けど14歳の女の子の複雑さと比較して14歳の男の子はかなり単純に描か

れています。 どれくらい単純かというと、四半世紀前に14歳だった私の当

時と変わらないぐらい単純さです。 

この単純さを普遍という言葉に置き換えれば、読んでいて面白いし懐かしく

もあるんだけど、現役の14歳が読んだらどう感じるのかなぁ~とも思いまし

た。 オッサンのノスタルジー物語なんて言われちまうんじゃないかと(汗)


ただ、鋭く現代を反映していると思ったのは、メインキャラクター4人の家庭

の経済状態です。 本書は月島が舞台ですが、いわゆるウォーターフロント

(古っ)と言われる地域の特性を良く描き出しています。 浦安あたりもこの

傾向がかなり顕著ですが、埋め立て側には億ションと呼ばれる高層マンショ

ンがある一方で、地元の人が住んでいる陸側には昭和を思わせる木造の長

屋も存在している。 そんな街でも男子中学生の青春は普遍なのでしょう・・

(たぶん)


「空色の自転車」はヲイヲイそんなに単純に書くなよ!と思うんだけど、自転

車のエピソードはやっぱ泣けます。 端的に言えばそういう作品です。

オーソドックスな青春モノをお求めの方にオススメです。

 
04-11(金)

川端康成文学賞


第34回川端康成文学賞受賞作が発表されました。


稲葉真弓さん「海松」(「新潮」2007年2月号)

田中慎弥さん「蛹」(「新潮」2007年8月号)


授賞対象は、昨年度の文芸、総合、読物の各雑誌、

ならびに単行本に発表された短篇小説。
となっています。


過去の授賞作では04年の『袋小路の男』が売れたぐらいで、

比較的ジミな作品が選ばれるジミな文学賞ですが、

職人肌の短編が選ばれる傾向が強いように思います。

過去の授賞作




稲葉真弓さん

それほど作品は多くありませんが実力派の中堅作家です。

比較的手に入りやすい本は・・



このアンソロジーの最後をしめくくる「かかしの旅」が稲葉さんの作品です。



田中慎弥さん

最年少での受賞となります。

作品は未読ですが、ここしばらく芥川賞にノミネートされる

ことが多い純文学系の作家さんです。



 
04-09(水)

今日のお買い物


土曜日からTVのリモコンが行方不明です。

子供たちはケータイについているリモコン機能を使っていますが、

子供たちが二階に上がってしまうと、その手段を失ってしまうので

チャンネルの切り替えができません。 

もうNHK飽きました・・・

民放が観たいんだけど・・・



というワケで今日のお買い物です。

久しぶりに行ったブック○フはかなり品揃えが変わっていました。

引越しシーズンだからかな?


100円コーナーで・・・・面白いといいけど。

  


半額コーナーで

    



 
04-07(月)

「私の男」  桜庭一樹


優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。



<感想> ★★★★☆

テーマがテーマだけに二の足を踏んでいましたが、読んでみました。

近親相○というのはインモラルの極地であると思いますが、今まで桜庭一

樹さんが描いていた危機的な状況にある少女を主人公に据えるという点で

はそれほど違和感はありませんでした。 ただ、本書に関しては自己投影

したり共感できたりする余地はまったくありません。 

しかし、その点をこの作品を評価するモノサシにするべきではないと思いま

す。 なぜなら本書の持ち味は、まったく共感できないテーマをどのような手

法で描くか?にあるからです。 いうまでもなくそこで要求されるのは圧倒的

な筆力と緻密な構成力です。 

本書の場合、時代を遡って行くという構成も面白いと思いますが、何と言って

も登場人物の心理を情景描写に置き換えている点が秀逸です。 荒涼とし

た北の海は二人の心理そのものと言っても過言ではありません。

 
様々な作風で読者を楽しませてくれる桜庭さんですが、本書に関しては桐野

夏生さんに近いものを感じました。 

テーマがテーマだけにすべての方にオススメというわけには行きませんが、

桜庭一樹という作家の現時点での到達点を明確に示してくれる一冊であるこ

とにまちがいはありません。


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04-05(土)

金曜の朝に・・・


先日、同僚が異動するので送別会をしてあげました。

そう、4月は人事異動のシーズンです。


昨日(金曜日)の朝、上司に呼び出されました。

なんだろう?と思っていたら

異動だから・・・

ヲイヲイ、来てからまだ二年もたってないじゃないかっ 

今の営業所は家から近くでよかったのになぁ・・・・

新しいところに行くと人間関係を築くのタイヘンなんだよね・・


 
04-02(水)

「回転木馬」  柴田よしき

謎の失踪を遂げた夫・貴之のあとを継ぎ、探偵となった下澤唯。十年の月日を経て偶然彼を目撃した唯は、佐渡出身の渋川さわ子という関係者がいたことを突き止めた。だが、さわ子はすでに死去し、貴之はさわ子の娘・雪と一緒にいるらしいことだけ判明した。夫は唯を本当に裏切っているのか?細い糸をたぐり追跡を続ける唯は、さわ子の友人だった佐野明子のもとを訪れた。彼女はさわ子から、死の間際に雪と貴之のことを記した手紙を預かっていたのだ。明子も死の床についていたが、唯の事情を知った彼女から、手紙の内容を明かされる。どうやら貴之と雪は、人に知られてはならない事情を抱えているらしい。失踪前日に起きたホームレスの不審死と関係が?手紙を手がかりに、信州・蓼科へ向かった唯。だがそこには、貴之の目元を残す美少女―小松崎ゆいが待っていた…。著者渾身の感動のミステリー。

<感想> ★★★★★

本書は03年に刊行された『観覧車』の続編です。 


さて、みなさんは子供の頃に親とはぐれて迷子になった経験や、家族の帰

りが遅くて心配したという経験はないでしょうか?

自分が迷子になっていると気がついた時の恐怖。 

家族の帰りを待ちながらうたた寝をしてしまい、気がつくと時計が深夜を

指していた時の不安。 

いわゆるサスペンスといわれるジャンルの中で、失踪モノが王道とされてい

るのは誰しもが抱えている潜在的な恐怖を扱っているからではないかと思い

ます。


そんな本書は失踪モノとして優れているのはもちろんですが、主人公が夫を

探し続ける中で出会う女性達の描き方が秀逸です。 


失踪の謎にまつわるサスペンスは、本作の中心的な主題では

ありません。 

逆らいきれない運命の渦の中で、懸命に岸を目指して泳ぎ続ける人々

の姿が、作品の要であると思っています。



あとがきに書かれている一節ですが、本書の魅力はそれに尽きます。 

ラスト数行は84%ぐらいの確率で泣いちゃいます。 

『観覧車』を読まなくても楽しめますが、読んでいれば三倍楽しめます。 



 
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