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Author:きたあかり
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12-29(土)

2007年 ベスト10冊



早いもので、07年も残り二日になりました。

今年もブログを通じて、たくさんの本に出会うことができました。

リンク先の皆さんをはじめとして、全ての方に感謝いたします。

さて、毎年年末にUPしている年間ベスト10冊をUPします。

あくまで個人の好みですので、客観的に優れている作品とは限りません。

それを踏まえてご覧いただければ幸いです。

 をクリックすると日記に飛びます。


  





2007年中央公論文芸賞受賞作品

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。
理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。



  





2007年上期直木賞候補作品

鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く
不思議な一族の血脈を比類ない筆致で描く。



  





2004年上期直木賞受賞作品

大正3年、マタギ富治の流転の物語の幕が上がる。
失われつつある日本の風土を克明に描く。



  





なぜ〈僕〉の記憶は失われたのか?
世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる。



  





1955年アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞受賞作品

大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、
村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。



  
 




2004年上期芥川賞候補作品

しあわせな眠りを提供する不思議なホテル。
日常からほんの少し乖離した世界でもたらされる物語。



  

  



時間と距離を超え、繋がる謎。愛とは何か、
人間性とは何かを真摯に問い掛ける、長編ミステリ。



  





失われたものの世界を硬質な文体でえがく、
芥川賞作家のとびきりクールな傑作長編小説。



  





2006年上期芥川賞候補作品

人を好きになること、誰かと暮らすことの、危うさと幸福感を、
みずみずしく描き上げる感動の小説集。切なくて、とても真剣な恋愛小説。



 10 





2006年下期直木賞候補作品

トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。
タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。


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12-27(木)

12月&07年の書籍代


今年は仕事をテキトーに組み立てて、28日からお休みにしました。

仕事始めは6日なので、久しぶりの大型休暇です・・・

という日記をUPしようと決めていました、31日まで営業している部署

で手が足らなくなったとのことで、急遽31日まで仕事になっちまいました。

この仕打ちに、温厚な私もぶちキレて大暴れしてやろうと思いましたが、

そこまでの勇気もないので、今日はズル休みをしてやりました。 

ささやかな抵抗と言う言葉がありますが、ホントにささやかです(汗)

しかし、年末の晴れ間は今日が最後とのことだったので、

たっぷり洗濯できて、スゲェ満足です。


    


というわけで12月の書籍代です。

9冊 8,960円

ボーナスに浮かれてしまい、新刊本を余計に購入しちまいました。

でも、そのせいか今月は面白い本をたくさん読みました。

やはり、年末は出版社も気合が入っているのかもしれません。


今月の大当たり

      


桜庭一樹さんは、ホント面白いです!!


今月の当たり

  


  



引き続いて2007年の書籍代です。

51,772円 @502円

ちなみに

2006年 39,187円 @502円

2005年 77,260円 @623円

今年から純文学系の新人作家さんの本は新刊で買うようにしました。

いつもお世話になっているブックオフですが、多少なりとも作家や

版元にフィードバックするシステムは作れないものでしょうか?

それが値段に反映されてもやぶさかではありません。 

ベストセラーを見ても、本屋さんの平積み台を見ても

ケータイ小説ばかりだった2007年。 

ちょっとだけ危機感を募らせています。


 
12-27(木)

「警官の血」 佐々木譲

帝銀事件が世を騒がせた昭和23年。希望に満ちた安城清二の警察官人生が始まった。配属は上野警察署。戦災孤児、愚連隊、浮浪者、ヒロポン中毒。不可解な「男娼殺害事件」と「国鉄職員殺害事件」。ある夜、谷中の天王寺駐在所長だった清二は、跨線橋から転落死する。父の志を胸に、息子民雄も警察官の道を選ぶ。だが、命じられたのは北大過激派への潜入捜査だった。ブント、赤軍派、佐藤首相訪米阻止闘争、そして大菩薩峠事件。騒然たる世相と警察官人生の陰影を描く、大河小説。


<感想> ★★★★★

「このミス」1位に選ばれた本書は、上野(東京都台東区)近辺を舞台にした

警察官親子三代の物語です。 『赤朽葉家の伝説』が地方で生きる女性の戦

後史だとするなら、都市部で生きた人々の戦後史と言えます。 警察官が主

人公になっているので、時々の治安や風俗もふんだんに取り入れられています。 


本書も三部構成になっています。 昭和23年、戦後混乱期の治安を維持する

ために警視庁は警察官を大量採用しました。 そのなかのひとりである安城清

が第一部の主人公です。 当時の上野公園や浅草、鶯谷近辺を舞台にして

います。 出世を望むのではなく、地域に密着した警察官(お巡りさん)になり

たいと願う清二の真摯な思いは二代目、三代目に引き継がれていくことになり

ます。


父、清二が謎の死を遂げた数年後に警察官になる安城民雄の物語は、学生

運動が活発だった熱い時代を舞台にしています。 父に憧れて駐在所の警官

になりたいと願う民雄ですが、荒れ狂う時代に波に飲み込まれてしまいます。

警官としての葛藤というより人間として葛藤する姿を見事に描き出しています。 

第二部は秀逸です。


二部の主人公である民雄に反発しながらも警視庁警察官を拝命した安城和也

は、祖父と父の時代を総括する役割を担っています。 正直って第二部と比較

すると面白味に欠けますが、構成上いたし方ないと思います。 


警官が主人公ですが、三代に連なる父子の物語として読むことが出来ます。

読了後、街で見かけるお巡りさんを見る目がチョッとだけ変わるかもしれま

せん(笑)


こちらもシブい駐在さんのお話です。


 
12-26(水)

「しゃべれどもしゃべれども」 佐藤多佳子


俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。


<感想> ★★★★☆

佐藤多佳子さんは、07年脚光を浴びた作家の一人です。

前から読みたいと思っていましたが、とりあえずこの作品を手にとってみました。


さて、本書の主人公は若いながらも、古典落語にこだわる一本筋の通った落語

家の今昔亭三つ葉。 そんな三つ葉のところにテニスコーチの友人、元劇団員

の女、いじめにあっている(と思われる)小学生、選手を引退して解説の仕事を

始めたばかりの元プロ野球選手の4人が、落語を習いくるという筋立てです。 


設定もありがちだし、あまり期待をしないで読み進めましたが、ところどころ

に垣間見える描写の巧さと、優れたキャラクターの造形力に引き込まれてイッ

キ読みしてしまいました。 あえて、まとめすぎないラストにも好感がもてました。


普段あまり本を読まない方から、そこそこ本を読むという方までを満足させる力

を持った作品です。 さっそく、積読になっている『一瞬の風になれ』に着手しよう

と思います。

 
12-25(火)

このミス1位



サンタ


今朝は早起きしてサンタさんからプレゼントを確認しましたが、

何も届いていませんでした 

今日から一年間良い子で過ごして、来年のクリスマスイブに

サンタさんからのプレゼントを待ちたいと思います 



今読んでいる  は・・・・↓


  


「このミス」↓第1位に選ばれています。




第2位の『赤朽葉・・・』は女性三代の物語でしたが、

こちらも警官親子三代の大河系で、読み応えバッチリ!!

今年はこの本が最後の一冊になりそうです。

「あっ!おいらもサンタさんからのプレゼントが届いてないぜ!!」

というお父さんにオススメです。 

感想は後日UPします。


 
12-22(土)

「赤朽葉家の伝説」  桜庭一樹

「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。--千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。


<感想> ★★★★★

先日発表された「このミス」第二位に選ばれた本書は、今年直木賞にも

ノミネートされました。 

さて、そんな本書は製鉄業を営む旧家の女性三代を描く大河小説です。


三部構成の第一部は、語り手の祖母である赤朽葉万葉の物語。 

時代は戦後復興が一段落した昭和28年から昭和50年までになります。 

舞台になる鳥取の地域性に民俗学と伝奇小説の要素を絡ませて、高度成

長が生んだ新しい価値観とそれによって失われたものを描いています。 


第二部は、語り手の母である赤朽葉毛鞠の章です。 

時代は校内暴力の嵐が吹き荒れていた昭和54年から昭和の終焉までで、

丙午(1966年)生まれである毛鞠の中学、高校時代が語られています。 

第一部が伝奇小説風だとすれば、この章は青春小説風に描かれています。

私も毛鞠と同い年ですが、当時の中高生の考え方や周囲を取巻く環境を

的確に描いています。 


第三部は、万葉の孫になる語り手赤朽葉瞳子の物語で、時代は現代です。 

こちらは「殺人者」というサブタイトルがついていてミステリー仕立てになっ

ています。 一部、二部を総括する役割を担っていますが、地方で生きる

若者の等身大の姿や、疲弊しながらも徐々に再生しつつある町の姿を描い

ています。 


本書を書店で見かけて、大河小説の割には薄いなぁ~とお感じになる方も

いらっしゃると思いますが二段組なので読み応えも充分です。 

舞台になる中国地方の町とそこで流れた時代。 そして、その流れの中で

生きた女性三代の物語は、幅広い読者に受け容れられることと思います。

激しくオススメしちゃいます。
 
12-15(土)

「東京バンドワゴン」 小路幸也



古本も事件も引き取ります。
下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。ちょっと風変わりな四世代の大家族が、転がりこんでくる事件を解決する。おかしくて、時に切なく優しい、下町情緒あふれる春夏秋冬の物語。




<感想> ★★★★☆

本書は、東京の下町にある古書店を舞台にした連作短編です。

古書店といえば、間口が狭くて奥で気難しいオヤジがお茶を啜っている・・

というイメージがありますが、舞台になる古書店は四世代が暮らす大家族

です。


さて、私が子供の頃(70年代)、テレビでは数多くのホームドラマが放映さ

れていました。  代表的なものをあげれば、下町の石材店を舞台にした

「寺内貫太郎一家」、同じく銭湯を舞台にした「時間ですよ」。 核家族化が

急速に進んでいた当時、そこにはホノボノとした懐かしさがありました。


本書で描かれているのは、まさに70年代ホームドラマの世界です。

正直言って、万人ウケする内容をどのように受け止めるかで評価のわか

れるところだと思いますが、舞台が古書店というのがポイントです。


70年代ホームドラマを知っている世代なら懐かしく感じるし、ホームドラマ

といえば「渡る世間は鬼ばかり」しか知らない世代なら新鮮に感じるかもし

れません。 のんびりしたお正月を過ごしたいと思っている方にオススメ。

きっとイイお正月になりますよ♪

 
12-13(木)

「水底の森」 柴田よしき


下町のアパートの一室で、顔を潰された身元不明の死体が発見された。その部屋に住んでいた若い夫婦は行方不明。現場にはエンドレステープに録音されたシャンソンが流れ続けていた。誰が、何のために?歌に込められた犯人のメッセージは何か?やがて第二の殺人が―。所轄刑事の遠野は行方をくらましたその女・風子を追い始める。ノンストップサスペンスの幕があがる。



<感想> ★★★★★

ここしばらく柴田よしきさんの作品を読んできた甲斐がありました。

本書は文庫二冊組の長編で、読み応えも充分な一冊でした。 


二人の刑事が、殺人事件の容疑者と目される「風子」の足跡を辿って、

故郷である日本海側の町を尋ね歩く前半。 彼女はなぜ故郷をあとに

したのか・・靴底をすり減らしながら、細い糸を手繰り寄せる刑事は松

本清張の『砂の器』を彷彿とさせます。


中盤からは「風子」の視点が加わります。 境遇に恵まれないながらも

前向きに生きようとしますが、運命に翻弄されていく彼女は常に不幸を

手にしてしまいます。 こちらは『嫌われ松子の一生』の主人公を思い

起こさせます。


終盤はこの二つの物語が収斂して、意外な方向に話が展開していきま

す。 もちろんミステリーなので犯人は・・・というオチも巧く出来ています

が、それ以上に運命に翻弄され、墜ちていく「風子」の描き方が秀逸で

す。 不確かだと知りながらも、自分の全てを差し出しててしまう「風子」

の生き方は愚かです。  しかし、それは誰かと繋がっていないと壊れて

しまう彼女自身の生存本能と言えます。 そこには、恋愛に限らず常に

誰かと繋がっていたいと願う人間の本質が描かれているような気がしま

す。


全体のトーンも暗いし、余韻を残す結末も明るいものではありませんが、

ズシリとくる重さは、読者の心の中に何かを残します。

前段でも引き合いに出しましたが『砂の器』『嫌われ松子の一生』

お好きな方なら、どっぷりハマることの出来る一冊です。

 
12-11(火)

下書き保存使ってます


先日気がつきましたが「下書き保存」機能がついたようです。

いつも深夜にパソコンを立ち上げて、日記を更新している身

としてはたいへん有難い機能です。


ブログをはじめた頃から比べるとかなり便利になっていますが、

ブックレビューを書くときは、まずアフィリエイトリンクを作成

して、そのあと感想を書くとなると、そこそこ時間を要します。

うぅ~と詰まってしまうと、保存ができないので、

パソの前で寝てしまうこともしばしばでした。

とりあえずカンタンに保存が出来れば、そこで一区切りをつけるこ

とができます。 前から「あったらなぁ~」と思っていたので、

すげぇ~うれしいです。


さて、そんな「楽天ブログ」には充分満足していますが、

あえて、もうひとつ希望する機能は・・・・

コメント欄のURL入力欄

どこのブログサービスでもあるんだけど「楽天ブログ」だけありません。

他のブログサービスの方は、書き込みをしていただくときに戸惑うようです。

そのあたりは「楽天市場」を抱える「楽天」の思惑があるんだと思いますが・・・

まぁ~ケチなコト言わないで、太っ腹になっていただきたいものです。


 
12-11(火)

「K・Nの悲劇」 高野和明

夏樹果波は、幸福の絶頂にいた。仕事で成功した夫、高層マンションでの新しい生活。ところがそんな矢先、子供を身ごもった。予期せぬ妊娠だった。中絶という苦渋の選択をした瞬間から、果波の精神に異変が起こり始める。精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。科学と心霊の狭間で、夫と精神科医が治療に乗り出すが、二人の前には想像を絶する事態が待ち受けていた―。男女の問題。性の迷宮。生命の神秘。乗り移られる恐怖。心の中の別の人。『13階段』の著者が描く、戦慄に満ちた愛の物語。


<感想> ★★★★☆

様々なジャンルを手がける作家の高野和明さんですが、本書のテーマは

憑依です。 妊娠した女性に何者かが憑依するという筋立てで、前半は誰

が憑依しているのか?という犯人探し、後半は憑依現象の正体について

語られていきます。 そこに中絶の問題を絡めて奥行きを深めています。


さて、憑依という言葉には霊的な響きがありますが、精神医学の世界でも

使われているようです。 つまりは憑依現象は科学的に証明できるという

ことです。 しかし、一方では必ずしもそうではないとする意見もあるよう

です。 著者はこの点を踏まえて、この憑依現象を科学的(臨床)な部分と

そうではない部分を行きつ戻りつしながら描いています。 正直言ってこの

点に関してはホラーなのか?それとも心理サスペンスなのか?という中途

半端なスタンスに混乱させられましたが、重い内容に関わらず読後感は悪く

ないので、まぁ~それもアリかなぁと納得しました。 


本書は文庫も出ていますが、すげぇ~怖い装丁だったので単行本のアフィ

リエイトリンクを使いました。 どれぐらい怖いか興味のある人はご覧にな

ってくださいませ(笑)

 
12-09(日)

「そして粛清の扉を」 黒武洋



卒業式を翌日に控えた高校で、突如として発生した学校ジャック事件。武器を手に、生徒を人質にとったのは、普段は目立たない中年女性教諭だった。彼女の周到に練られた計画と驚くべき戦闘力は、対峙した警視庁捜査第1課の精鋭「特警班」さえをも翻弄する。焦燥し、混乱する警察、保護者を前に、一人また一人と犠牲者が…。第一回ホラーサスペンス大賞を受賞した衝撃の問題作。


<感想> ★★★☆☆

本書は、パッとしない女性教師が教室に立て篭もって生徒を次々と殺していく

という筋立てです。 いわゆるどんでん返しも用意されていますが特に目新し

いものではありません。  


殺戮の限りをつくす教師にはそれなりの理由があるし、殺される生徒も同様で

す。 そのあたりを読者に同意を求める作者のポーズと捉えるのか、それとも

女教師の狂気を表現していると見るかで、この作品の読み方は異なってきます。

しかし、前者の立場で読めば女教師はぶっ飛びすぎているし、後者の立場で読

めばぶっ飛び具合が中途ハンパです。 


この作品を「反社会的だ!」などという野暮は言いませんが、傑作文芸作品とは

言い難いです。 ただ、それなりに力のある作家さんだと思います。 もう一冊

読んでみます。


 
12-07(金)

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」 桜庭一樹


大人になんてなりたくなかった。傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。でも、早く大人になりたかった。自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。実弾が、欲しかった。どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。山田なぎさ―片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。海野藻屑―自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。全ては生きるために、生き残っていくために―。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。


<感想> ★★★★★

やはりタダモノではありませんでした。 

本書はそんな桜庭一樹さんの出世作です。 初版はライトノベルの文庫で

上梓されましたが、重版を重ねて単行本化されました。 つまり、初版当

時はまったく注目されてなかった特定ジャンルの作品が読者の口コミで広

まり、より多くの読者に支持されたということです。 


さて、本書も『少女には向かない職業』と同じく主人公は地方に住む二人

の少女で、それぞれ周囲の圧迫された閉塞状態に置かれています。 

そこから抜け出すために社会で必要とされている「実弾」を撃ちまくる山田

なぎさ。 一方で現実に目を背けてモノを撃ち抜くことのできない「砂糖菓

子の弾丸」を撃ち放つ海野藻屑(←人の名前です・笑)。 


扱っているテーマはヘビィーだし、冒頭で明らかになってしまう結末は救

いようのないものですが、13歳の少女には何が必要なのか?周りにいる

人間はもちろんですが、もしかすると一番気がついていないのは少女達な

のではないのか?  思春期の少女を対象としたライトノベルで作者が言

いたかったことは、そのあたりにあるのかもしれません。 


しかし、読者層が広がれば作者の思惑以上に作品は一人歩きをはじめ

ます。 結果的には、そこにこめられた普遍性がモノを言うことになります

が、このテーマは作者が思った以上に普遍性があったということです。 

もちろん作者の力量が、それを一級の文芸作品に押し上げているのは言

うまでもありません。


 あたしは、暴力も喪失も痛みもなにもなかったふりをしてつらっとして

ある日大人になるだろう。 <中略>

だけど十三歳でここにいて周りには同じようなへっぽこな武器でぽこぽ

こへんなものを撃ちながら戦っている兵士たちがほかにもいて、生き残

った子と死んじゃった子がいたことはけして忘れないと思う。 

 忘れない。  <中略>

 この世界ではときどきそういうことが起きる。 砂糖でできた弾丸(ロ

リポップ)では子供は世界と戦えない。 

 あたしの魂は、それを知っている。 



↓文庫なら半額で買えるんだけどね・・(汗)



 
12-06(木)

「クローバー」  島本理生

ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬冶。今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。冬冶も微妙に挙動不審な才女、雪村さんの捨て身アタックを受け…騒がしくも楽しい時は過ぎ、やがて新しい旅立ちの予感が訪れる。理想の人生なんてありえないけれど、好きなひとと手をつないで、明日も歩いてゆきたい―。『ナラタージュ』の島本理生がおくる、キュートで痛快、せつなくて愛おしい、最新恋愛長編。

<感想> ★★★★☆

島本理生さんの最新作です。

今年に入って三冊目の長編ですが、前二冊は重たかったとお思いの方も

多いと思います。 とはいうものの大半の島本ファンは評価しているようで

す。 しかし、一方で版元が最も狙っているであろう20代独身女性へのアピ

ールという点では弱かったのではないかと思います。 


その反動かどうかはわかりませんが、本書は非常に読みやすい作品に仕

上がっています。 正直言って冒頭で語られる華子の女子力全開ぶりは

「オヂさんはそんなの望んでないんだけど・・」

という感じでしたが、ちょっとカゲのある華子の双子の弟冬治と、かなり不器

用な雪村さんのオーソドックスな恋愛模様は、リオっちワールド全開でファン

を安心させてくれるはずです。


さて、この作品の特徴をいくつかあげるなら、まず第一に男性の一人称で語ら

れている点です。 今まで女性の一人称ばかりだったので、とても新鮮でした。

もうひとつは、主人公である双子の姉弟の関係性です。 お互いの性格や生

活を知り尽くしていて精神的に依存度の高い関係ですが、突き放すところは突

き放している関係でもあります。 単に姉弟ではなく双子としたところに著者の

意図があるような気がします。 


日々、女子力UPに励む独身女性から、えびちゃんと山田優さんの見分けがつ

かないというオッサン(←あんまりいないと思うが)まで、あらゆる方にオススメで

きる普遍の恋愛小説です。
 
12-05(水)

11月の書籍代


サラリーマンのお楽しみであるボーナスの明細が来ました。

成果主義の導入や給与体系の見直しで、総支給額でもピーク時の

8割程度になっていますが、数年前からボーナス時に社会保険も

徴収されるようになり、所得税とあわせて3割近く天引きされて

しまいます。 そうなると手取り額はピーク時の半分ぐらいです。


障害者自立支援法、生活保護を打ち切られて餓死する人、中央線

に飛び込んで死亡保険金を借金返済に充てる中小企業経営者・・

税金がこのような人たちのために役立つなら応分の負担であると

考えるし、視聴率を稼ぐ目的でヒステリックに公務員を叩く下劣な

マスコミや、勘違いした自称有識者に同調するつもりもありません。

でもね・・・家族の目はビミョーに冷たいんだよね 


      

    
というわけで、サラリーマンの嘆きを聴いていただいたあとは

今月の書籍代。

11月の書籍代  9冊   3,190円

ここまでの書籍代は1月から42,812円


11月の大当り 





11月の当たり 






柴田よしき『Riko』


おぉ~日記「下書き保存」が出来るようになったの?


 
 
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