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Author:きたあかり
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09-30(日)

「八日目の蝉」 角田光代




逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。



<感想> ★★★★★

おもしろ過ぎます!!と角田ファンの私が書いてもイマイチ信憑性がありませ

んが、ホント面白いです。 個人的には、今年のナンバー1です(今のところ・・) 


さて、主人公が不倫相手の妻が産んだ新生児を連れ去るシーンからはじまる

本書ですが、2~3頁読むといつもの角田作品とは明らかに違うものを感じ

ます。 不倫相手の子供を衝動的に奪う突飛な行為に出るイタい女は角田さ

んの十八番といえるキャラです。 しかし、従来の作品であれば追い詰めら

れて停滞するというパターンが多いわけですが、この主人公は独特の嗅覚を

持ち、次から次へ場所を変えて逃亡していきます。 

逃亡先で出会う個性の強い女性たち、一心不乱に逃げ延びようとする強い意

志を持った主人公。 彼女たちの生きる世界や、価値観は桐野夏生さんの描

く世界の住人のそれに似かよっています。 

母子関係を母親の立場から描いているのも、今までの角田作品にはないと思

います。

あらすじに書かれている長編サスペンスという表現が適切であるとは思いませ

んが、いい意味で、著者は今までのこだわりを捨て、エンターテイメントに徹し

た描き方をしています。  


二部構成の後半は、前半の二十年後が語られています。 

こちらは一転して従来の角田光代さんの持ち味が活きています。  ネタバレす

るので内容には触れませんが、ラスト間際は84%ぐらいの確率で泣いちゃま

す。 母子のせつない物語を読みたい方、女性同士の友情物語を読みたい方、

良質のエンターテイメントを読みたい方。 そして、なにより本を読む楽しみを

味わいたいとお考えの方にオススメします。

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09-28(金)

「蹴りたい背中」 綿谷りさ


“この、もの哀しく丸まった、無防備な背中を蹴りたい”長谷川初実は、陸上部の高校1年生。ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、彼の部屋に招待されるが…クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、文学史上の事件となった127万部のベストセラー。史上最年少19歳での芥川賞受賞作。



<感想> ★★★★☆

アマ○ンをチェックすると400近くのカスタマーレビューが書かれている本書

ですが、酷評が目立ちます。 しかし、それほど悪くないだろう!!というのが

私の感想です。 


クラスの異端者である主人公ハツと、クラスメイトのにな川の奇妙な関係が軸に

なっていますが、この関係を恋愛に置換えてもいいし、ハツの抱える闇の部分を

クローズアップしてもそこそこ面白い作品に仕上がると思います。 読者ウケを

狙うことなく、あえて平板化した展開をチョイスした著者に作家としての強い意

志を感じます。 流れるような文章は軽さと紙一重ですが、平板な展開を引っ張

っていく牽引力と言い換えることも可能です。 


ただ『インストール』の感想でも指摘しましたが「10代の女性が書きましたよぉ~」

という姿勢が気になります。 まぁ~そこが、初期の綿谷作品の持ち味なんだろ

うと思いますが、同世代で老成した作品を描く島本理生さんの作品を読み慣れて

いると、そのあざとさと折り合いをつけるのに苦労するかもしれません。 

興味はあるけどまだ・・という方であれば一読の価値はあると思います。   
 
 
09-26(水)

「ハルカ・エイティ」 姫野カオルコ



滋賀県に生まれた持丸遙は女子師範学校を経て、見合い結婚で専業主婦になったが、夫はまもなく出征。太平洋戦争が勃発し、舅姑と大阪で暮らす。やがて敗戦を迎え、経済的理由から職業婦人となったことから、ハルカは女性として開花してゆく―。



<感想> ★★★★☆

姫野カオルコさんは今まで三度、直木賞にノミネートされています。

『受難』(第117回)、『ツ、イ、ラ、ク』(第130回)、そして第134回にノミネート

されたのが本書です。  なかでも『ツ、イ、ラ、ク』は玄人スジの評価が高い

作品でしたが受賞を逃しています。 

先日リンク先の方が『ツ、イ、ラ、ク』の感想の中で姫野カオルコを好きだと

は、何となく恐ろしくて人には言えない。
とお書きになっていましたが、著

者の作品の本質や文壇でのポジションを言い当てているように思います。 

もちろんそこが姫野カオルコさんの魅力であることは言うまでもありません。


さて、本書は大正9年生まれの主人公、持丸遙(ハルカ)の半生を描いていま

す。 ハルカの子供時代から結婚するまでは、当時の風俗や戦争を絡めて巧

くまとめています。 しかし、ちょっと意地悪な言い方をするなら、激動の昭和

初期はエピソードに事欠くことがありません。 ある程度のテクと取材力があれ

ば、そこそこの作品を描くことは難しいことではないように思います。 そのせ

いか、ちょっとカゲキな姫野カオルコっぽさが影を潜めているような印象を受け

ました。


しかし、終戦から昭和50年代までのハルカは、かなりラディカルな女性に変貌

を遂げていきます。 また、ここで語られる女性論や恋愛論はチョイとカゲキな

がらフムフムと肯いてしまいます。 姫野ファンは、後半でカタルシスを得るこ

とが出来ます。 


女性読者ならハルカが通ってきた年齢と自分の年齢を重ね合わせて、共感で

きる部分やそうでない部分を見つけることが出来ると思います。 もちろん

時代背景も丁寧に書き込まれているので、男性読者も楽しめます。 

年齢を問わずあらゆる方にオススメできる一冊です。 
 
09-23(日)

「マドンナ」 奥田英朗


人事異動で新しい部下がやってきた。入社四年目の彼女は、素直で有能、その上、まずいことに好みのタイプ。苦しい片思いが始まってしまった(表題作) ほか四十代・課長達の毎日をユーモアとペーソス溢れる筆致で描く短編5編を収録。




<感想> ★★★★☆

先日の人事異動で、他の部署で中間管理職をやっていた同期の社員

が退職していました。 他にも年度初めに辞めた同期が一人、精神的

に追い詰められて休職中の同期が2名。 そんな状況下で仕事をして

いる40代のサラリーマンは私だけではないと思います。


さて、本書の主人公たちも40代のサラリーマン達です。 

正直言って、組織はそんなに甘くないし、楽しくもないぜ!!という

のが偽らざる感想ですが、主人公たちのモノの考え方にはフムフムと

肯いてしまいました。 会社で「あのオッサンは何を考えているのか

さっぱりわからん」と思われ、家でも同じように思われている40代

サラリーマンも、心の中ではいろいろと考えているものなんですよ!


個人的には納得のいかない面もありますが、 奥田作品はハズれが

ないなぁ~と思わせる一冊でした。 

『パティオ』という作品がイチオシです。

 
09-23(日)

「第一阿房列車」  内田百けん


「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。借金までして一等車に乗った百けん先生、世間的な用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマラヤ山系」を共づれとして旅に出た。珍道中のなかにも、戦後日本復興の動きと地方の良俗が描き出され、先生と「ヒマラヤ山系」の軽妙洒脱な会話が彩りを添える。読書界の話題をさらった名著を新字新かな遣いで復刊。


<感想> ★★★★☆

本書は、鉄ヲタ界の巨星、内田百けんの阿房(あほう)列車シリーズ第一作。

かつて、鉄ヲタ少年だった私から言わせれば、昨今の鉄道は新幹線の普及で

輸送力とスピードは昭和のそれと比較にならないぐらい向上していますが、

一方で日本全国の路線が平板化して面白味に欠けているように思います。 

本書が連載されていた昭和20年代の終わりから30年代の半ば、新幹線は

まだなくて主要路線では特急列車、地方路線では急行列車が幅を利かせてい

た時代で、バラエティーにとんだ鉄道の旅が出来ました。 しかし、一方で

東京大阪間は半日、三等の座席は硬いし、行商列車の中は魚臭い、雪が降

れば止まってしまう。 唯一の長距離移動手段である鉄道は当時、かなり

理不尽な側面を併せ持っていたようです。

本書では、そんな理不尽さをブーブー言いながらも楽しんでいる百けん先生

がとてもユーモラスで笑わせてくれます。 


さて、鉄ヲタ的な観点で感想を述べるなら上記のようになりますが、内田百

けんの随筆(エッセイ)の魅力はなんといっても、キレとコクのある文章です。 

鉄道・旅のエッセイとしても読めるし、ユーモアエッセイとしても読める。 

文章家としても優れているし、その洞察力は教養エッセイとしてもピカイチで

す。


汎用性という言葉が文芸作品を語る上で、適切なのかどうかわかりませんが、

それが脈々と読み継がれている理由なのかもしれません。

 
09-21(金)

イマドコかんたんサーチ


10月1日からDOCOMOに新しいサービスが加わります。

「イマドコかんたんサーチ」

誰でも、ケータイを持っている相手の居場所(現在地)が

わかるというとても便利なサービスです。 


今までは任意の契約者同士のみで運用されていましたが、新しいサー

ビスでは、予め拒否設定をしない限り、全てのIモード契約者が対象に

なる
というのが大きな違いです。 

もちろん、ある程度のセキュリティーが用意されるとおもいますが、

基本的には不特定多数の人間に自分の居場所を知れられてしまう

可能性があるということです。 


あまりにも便利なサービスなので、すかさず拒否設定にしましたが、関係

各位から「なぜ、拒否設定にしているのか?」と詰問されそうで怖いです 

きっと、法人(会社)の契約増えるんだろうなぁ~


20日に発表になったプレスリリースです。

最新の情報はご自分でお確かめになってください。


 
09-18(火)

2000ptで浮かれる・・


先日、楽天カードを作って2,000ポイントもらいました。

どうやら現在は3,000ポイントもらえるらしい・・・

新しいパソを購入した後、煙草代にも事欠く生活を強いられている

私にとってはヒジョーにアリガイことです 

そこで・・・・



パソコンの増設メモリです 

VISTAだと1GB必要だと言われていますが、

私の激安パソは512Mなんです。 

でもな・・立ち上がりがちょっと遅いけど動くしな・・・



ということで、結局・・・・

      

買っちまいました・・・


お金が入って有効に使いたいなぁ~と思いつつ、

ついついお酒をのんでしまう心理と同じです。 


というか、そんなコトより、たかが2,000円ぽっちの

臨時収入で、深夜の一時過ぎまで、浮かれてしまう・・・

そんな自分が悲しかったりします。



    


おしらせです 

リンク先のケイプコッドさんが、

ハンドメイド製品を販売するネットショップをオープンされました 

ショップは↓

HAPPY BELL

ぜひ!遊びに行ってみてくださいませ 
 
09-18(火)

「だれかのことを強く思ってみたかった」 角田光代


レインボー・ブリッジを背にした制服の男女。頼まれて、シャッターを押しながら、思う。「この世界はどのくらいの強度でなりたっているんだろう?私たちはどのくらいの強度でそこに立っているんだろう?」(『ファインダー』)。水族館、住宅街、東京タワー、駅のホーム…。一年間にわたり、角田光代と写真家・佐内正史がふたりで巡り、それぞれが切りとった、東京という街の「記憶」。



<感想> ★★★★☆

本書は、写真家の佐内正史さんが撮った写真にあわせて、角田光代

さんがストーリーを書くというフォト&ストーリーというカタチの作品集です。


ひとつのストーリーは3頁程度なので電車の中や、ちょっと時間が空いた

時に少しづつ読むというがオススメです。 写真の掲載数がかなり多いの

で、都内に在住の方や過去に住んでいたという方なら「あ~ココ知ってる」

という場所を見つけることができると思います。 その場所に自分はどんな

記憶を残しているのか?そんなことを考えながら読むと更に楽しめると思い

ます。

 
09-18(火)

「99%の誘拐」  岡嶋二人


末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。そして十二年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第十回吉川英治文学新人賞受賞作。



<感想> ★★★★☆

岡嶋二人は、徳山諄一さんと井上泉(夢人)さんの共作筆名です。

活動期間は80年~90年までの10年間ですが、乱歩賞や推理作家協会賞を

受賞。 それなりに注目されていたユニットでした。


さて、吉川英治新人賞を受賞した本書は、過去の誘拐事件の被害者が

最新鋭のコンピューターシステムを駆使して復讐を果たすという筋立てです。 

最新鋭のコンピュータシステムといっても本書が上梓されたのは88年。 

インターネットはもとよりケータイ電話も珍しかった時代です。 当時は

「よくわからないけどスゲェ~ことが出来る機械=パソコン」という程度

の認識でした。 

20年後の現在から考えると古臭かったり、ヲイヲイ・・という箇所がほとん

どですが、キャラクターの造形、ストーリー展開などがピカイチで、古さを

感じながらも小説としての面白さは充分堪能することができました。

 
 
09-16(日)

「感染」  仙川環

ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、未来を嘱望されている外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。幼子は焼死体で発見されるという最悪の事件となったにもかかわらず、啓介は女からの呼び出しに出かけていったきり音信不通。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿り着く―。医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス!第一回小学館文庫小説賞受賞作。


<感想> ★★★☆☆

数年前に流行った「感染モノ」です。

著者は、医療ジャーナリストだそうです。 作品の中に移植医療のあり方や

医学界の内幕を盛り込んでいるのは読んでいて面白いのですが、もともと、

海外でブームとなった「感染モノ」。 ブームの末期となると一捻りが必要

にとされるのはわかりますが、その一捻りにイマイチついていけませんでし

た。 まぁ~全体を通じて面白いんだけど、あらすじの三行目を読んで嫌悪

感を覚える方にはオススメ出来ない作品です。 

ストーリーの必然性云々ではなく、なんとなく嫌な気分になってしまいました。


 
09-16(日)

「眠れぬ夜を抱いて」 野沢尚


ひとつの町で連続して起こる一家失踪事件。平凡な主婦、中河悠子(33)は、その町の開発者でもある夫を助けるために独自に調査に乗り出していく。だがそれが悲劇の始まりだとは気づきもしなかった…。悠子までを巻き込んで展開する残酷な復讐の罠、罠、罠!果たして彼女は夫の嫌疑を晴らして真相に辿りつけるのか。超大型サスペンス長編。



<感想> ★★★★☆

本書は、早逝した野沢尚の01年の作品です。

いわゆる、巻き込まれ型サスペンスの典型で、33歳の平凡な主婦が主人公です。

媒体を問わず、日本のサスペンスというジャンルに絶大な影響を与えたのは

ヒッチコックと、二時間枠のサスペンスドラマだと思います。

昭和50年代のサスペンスドラマの原作で最も多く使われていたのが、ウィリアム

アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)という作家の作品です。 ヒッチコック

も『裏窓』でウィリアム・アイリッシュの原作を映像化しています。

TV業界出身の野沢尚でしたが、作品を読むと、ウィリアム・アイリッシュの影響

を色濃く受けていることを感じます。 


さて、本書では主人公と過去の事件が密接に関係してきますが、この設定がか

なり強引です。 しかし、主人公が抱える不安や緊張感は、ビンビン伝わって来

ます。 ウィリアム・アイリッシュの作品は人物描写が優れているが、プロット

(筋立て)がイマイチという評価が定番ですが、この作品にも同じことが言える

ように思います。 あらすじにある「ひとつの町で起きる失踪事件」を頭におい

て手に取ると失敗すると思いますが、野沢原作の小説や、脚本を手がけたドラマ

が好きだという方にはオススメです。

 
09-12(水)

「インストール」 綿谷りさ


学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。ゴミ捨て場で出会った小学生、かずよしに誘われておんぼろコンピューターでボロもうけを企てるが!?押入れの秘密のコンピューター部屋から覗いた大人の世界を通して、二人の成長を描く第三八回文藝賞受賞作。書き下ろし短篇を併録。



<感想> ★★★★☆

いまさらながらの綿谷作品初チャレンジです。

芥川賞をW受賞した金原ひとみさん、『ナラタージュ』の島本理生さんとは

同い年のために比較されることが多いようですが、読者層はビミョーに異な

っているように思います。 それは、誰が優れているかとか、誰の文体が好

きという問題ではなくて、おいら島本派だから・・・私は綿谷派だから・・

というファン心理なのではないかと思います。 


特に島本派としては、なんであの二人が芥川賞?という思い入れが強かった

りするわけです。 その結果、綿谷・金原作品なんて頼まれたって読んでや

らないぜ!!という意固地な人間も出てきたりします・・ハイ!私です


さて、前置きが長くなりましたが、面白かったです・・(汗)

主人公の女子高生が小学生とエロチャットでボロ儲けするストーリーは、

設定が突飛だし、やたら世慣れした小学生の人物描写がイマイチだという

批判もあるようです。 それを否定するつもりはありませんが、プロット

のしっかりした島本作品と比較するなら、多少危ういものの、そこには純

文学的な面白さがあります。 一方で島本作品にない、あざとさを感じる

部分もあって、このバランスは絶妙だと思います。 必ずしも「話題性」

だけで売れたわけではないと感じました。 


ちょいとハマりそうです(笑)

 
09-03(月)

「あなたの呼吸が止まるまで」 島本理生



舞踏家の父と暮らす12歳の少女、野宮朔。夢は、作家になること。一歩一歩、大人に近づいていく彼女を襲った、突然の暴力。そして、少女が選んだたった一つの復讐のかたち。





<感想> ★★★★★

「かまいません。 その代わり私はあなたを逃さない。 

絶対にあなたを許さないから」
 


本書の中で12才の女の子が放つセリフです。

前作の『大きな熊が来る前に、おやすみ。』で読者の意表をついた島本

理生さんですが、本書も新境地というのにふさわしい作品だと思います。

引用した一節もそうですが、読者の心に斬りこもうとする姿勢が従来の

作品と比較して、とりわけ強いように感じます。 


さて、12歳の女の子の視点で描かれる本書は、12歳の日常を描いた

前半部分と、事件が起きる後半部分に分けられます。 

思春期独特の自意識の強さを描く前半部分は『ツ・イ・ラ・ク』『永

遠の出口』
の主人公達のそれとも共通します。 しかし、私自身ローティ

ーンの女の子だった経験がないので、たしかなことは言えませんが、こ

の二作に関しては、大人目線で描かれている彼女たちの言動に若干の

違和感がありました。 もちろん姫野カヲルコさんや森江都さんがイマイ

チだと言っているワケではなく、大人の男である私にもなんとなくそれを

理解できてしまうという違和感です。  

本書に子猫を拾うエピソードがあります。 それを受け止める側にとっては

不条理とさえ感じるほどの不可解な純真さを描いていますが、その思考に

違和感を覚えつつも、あ~たぶんこれが12歳の女の子なんだろうなぁ~

と感じさせます。 父親との関係や、自分のもとを去っていった母親への想

いもよく描けています。


ここまで、長々と書いてしまったので後半の展開については触れませんが、

正直言ってかなり不快です。  主人公は不快な登場人物によって、

とんでもない不条理を味わいます。
 そんな状態で思春期の入口立たな

くてはならない主人公の決意が冒頭に引用した一節です。 


余談ですが、主人公の父親は舞踊家の設定ですが、作者である島本さんの

お母さんも舞踊家です。 そして、小説家になった少女・・

正直言って着地点を練りすぎた感が否めませんが、そこには作家としての

強い意志が働いているような気がしてなりません。


※後記※

一部分を削除して 訂正しました。


 
09-02(日)

8月の書籍代


9月になった途端に涼しい毎日が続きます。

夏が終わったなぁ~って感じです。

先日、レンタルショップに行ったら数年前の夏に放映していた

「すいか」をみつけました。


    



視聴率はふるわかなったようですが、コミカルタッチでありながらも

登場人物がなにげなく放つセリフやカットが泣けました。

小林聡美さんといえば『かもめ食堂』が高い評価を得ていますが、

このドラマには、もたいまさこさんと片桐はいりさんが出ています。


    


というわけで8月の書籍代です。

11冊 2,435円 

パソコンを買ったので、今月は激貧状態。

ブック○フの100円コーナーを吟味しながらの一ヶ月でした。


 8月の大当たり 



↑ただし芥川賞を意識せずに読んだほうがいいかも・・です。



 8月の当たり 

        



さきほど届きました↓




 
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