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05-31(火)

「月魚」  三浦しをん著 角川文庫

古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。 【目次】 水底の魚/水に沈んだ私の村/名前のないもの


<感想> ★★★★☆

先日、リンクさせていただいている「読書人ゆきさん」が感想をUPされてい

た作品です。古書店の当主、真志喜とその友人の瀬名垣を描く連作短編です。

文庫版の解説であさのあつこさんも書いていますが、この作品が優れているの

は、その冒頭です。


その細い道の先に、オレンジ色の明かりが灯った。

古書店『無窮堂』の外灯だ。瀬名垣太一は立ち止まり煙草に火をつけた。

夕闇が迫っている。道の両側は、都心からの距離を考えれば今どき珍しい、

濃縮された闇を貯蔵する雑木林だ。街灯はあるが、それも木々に覆い隠され

ている。 瀬名垣の訪れを予知したがごとく、『無窮堂』の灯かりは薄暗い道

を淡い光で照らした。



七五調の文体は、現代小説というより近代小説のそれに近いものを感じます。

生まれながら古書の世界に生きている二人は幼なじみでもあり、共通の苦い過

去を持っています。


古書の世界といえば『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞した出久根達郎さん。

海外ではJ・ダニングも描いていますが、本書でも古書の世界に生きる人々

や、彼らの古書への思い入れが生み出す様々な人間模様が語られています。

語り口も巧いし、なによりこの文体がクセになりそうです。


ただ個人的には、二人の濃密すぎる関係に若干の違和感が・・・(汗)
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05-29(日)

ディープインパクトと西村京太郎

日本ダービーをTVで見ましたが、ディープインパクトめちゃ早かっ

たですね。普段、競馬中継を見ないせいもあると思いますが、最後の

ストレートから一気に馬群を抜き去る姿は凄かったです。単勝の配当

は110円でしたが、見る価値のあるレースでした。

今日買った本

『ブラックティー』   山本文緒著 角川文庫

『イノセントワールド』 桜井亜美著 幻冬舎文庫

『月魚』        三浦しをん著 角川文庫

『シェラザード』    浅田次郎著 講談社文庫

ブッ○オフに行くたびに気になっているんですが、一番在庫の多い作家って

誰だとおもいますか?並べられている本の見当で行くと・・

3位赤川次郎さん(ふむふむ)

2位内田康夫さん(はいはい)

それでもって1位は西村京太郎さんなんですよぉ~(へぇ~へぇ~へぇ)

その在庫数はハンパじゃなくてコミックコーナーも含めてブッ○オフでは

最強!!まぁ~一時期の旧竹下派みたいな勢いです。

私は読んだことありませんが、鉄道ミステリーをお書きになっている方です。

でも、あまり感想も見かけないし・・私の知人でも読んでいる人はいません。

いったい誰があんなに読んでいるんでしょうか?スゲェ謎です。


 
05-28(土)

「まぶた」 小川洋子著 新潮文庫

15歳のわたしは、高級レストランの裏手で出会った中年男と、不釣合いな逢瀬を重ねている。男の部屋でいつも感じる奇妙な視線の持ち主は?―「まぶた」。母のお気に入りの弟は背泳ぎの強化選手だったが、ある日突然左腕が耳に沿って伸ばした格好で固まってしまった―「バックストローク」など、現実と悪夢の間を揺れ動く不思議なリアリティで、読者の心をつかんで離さない8編を収録。 【目次】 飛行機で眠るのは難しい/中国野菜の育て方/まぶた/お料理教室/匂いの収集/バックストローク/詩人の卵巣/リンデンバウム通りの双子
「まぶた」小川洋子著 新潮文庫


<感想> ★★★★☆

リンクさせていただいているagehaさんの『密やかな結晶』の感想を拝見した

らモーレツに小川洋子さんの作品が読みたくなりました。『博士の愛した数

式』で数多くの読者を獲得した小川さんですが、最近の作品は小川洋子色が

少し薄まっているかなぁ~とも思います。この作品はタイトルや表紙からお察

しいただけると思いますが、かなり濃ゆ~い作品です。

さて、表題作の『まぶた』は『ホテルアイリス』に設定がよく似ていますが、

違った意味でハード、ひとことで言えばキモイ作品です。『匂いの収集』

『バックストローク』もキモさ加減は負けていませんが、静謐が支配する独

特の世界に一歩足を踏み入れたなら容赦なくひきずり込まれ、そこから抜け

出すことはできません。緻密な構成と圧倒的な文章力がなせるワザだと思い

ます。感覚的に、好き嫌いが分れる作品だと思いますが、ある意味小川洋子

さんの真骨頂です。

興味のある方は、精神的にゆとりのある時に読んで下さいね(汗)
 
05-26(木)

「これからはあるくのだ」 角田光代著 文春文庫



自分が住んでいる町で道に迷い、路上で詐欺にひっかかり、飛行機が嫌いなのに海外旅行に出かけてしまうカクタさん。騙されても理不尽な目に遭っても自らの身に起こった事件を屈託なく綴るエッセイ集。そのボケッぷりとユニークな発想は、少女時代から大炸烈!大人になってよかった、と思える一冊です。
「これからはあるくのだ」角田光代著 文春文庫


<感想> ★★★★☆

最近、ハマっている角田光代さんのエッセイ集です。

先日、ブログ検索をしていたらこの本を発見!速攻で買いに行きました。

吉本ばななさんや村上春樹さんは、かなりシリアスな小説を書きますが

エッセイは爆笑系です。ある意味このお二人よりシリアスで毒を持った小説

を書く角田光代さんのエッセイって・・・。すごく興味がありました。

さて内容ですが、忌野清志郎が好きなフツーの30代シングル女性の日常

(かなり笑える)から孤独について(ちょっとシリアス)など様々なエッ

セイが収められています。シリアス路線はエッセイと呼ぶより随筆と呼ん

だほうがピッタリくるものが多かったように思います。(まぁ~同じ意味

なんだけどね)印象的な作品は『バッグのなかの』です。女性達が持つバ

ッグの中にある小さなバッグから話しを広げています。とっても巧いなぁ

~と感じました。

角田光代ファンはもちろん女性の方に広くオススメです。

ちなみに表紙に写っているワンピの半身は角田さん自身らしいです。
 
05-24(火)

「臨場」  横山秀夫著 光文社



“終身検視官”
死者の人生を救えるか……
辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、倉石義男。
その死体に食らいつくような貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、彼には“終身検視官”という異名が与えられていた。 誰か一人が特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、倉石の異質な「眼」が見抜くものとは…。 組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界。

「臨場」横山秀夫著 光文社


<感想>

横山秀夫さんの作品はかなり読んでいます。今回は検視官の活躍を描く連

作短編です。

いわいる変死体が出た場合、基本的には行政解剖もしくは司法解剖がなさ

れるわけですが、当然ながらそれには時間がかかります。そこで事件の現

場にいちはやく駆けつけ事件性の有無をその場で判断するというのが検視

官の仕事です。その判断は初動捜査に大きな影響を与えるためミスは許さ

ません。検視官というと医師資格を持つ者というイメージですが、日本の

警察の検視官は特に資格をもたない一般の警察官です。鑑識出身の警察官

が多いようですが経験や勘、直感力の要求される職人でもあります。

さて、そんな主人公が活躍する本書は、その職人ぶりの凄さが強調されて

いてかなり楽しめますが、一方で主人公の内面や警察社会特有の倫理観や

考え方、警察官同士の葛藤などがイマイチ深く描かれてないかなぁ~と感

じました。横山さんの描く警察小説が白眉といわれるのは、それらがとて

も丁寧に深く描かれているからに他なりません。その点はちょっと物足ら

なかったように思います。まぁ~それでも充分楽しめる作品ではあります。
 
05-22(日)

ありがとうございます

今日アクセス数が10,000件突破しました。

昨日までは、そろそろ大台だなぁ~と思っていたんですが、緊張感なく

10,000突破しました。自分自身の性格からどうせ長続きしないだろう

ぁ~と思っていましたが、半年近く続けることができました。これもひ

とえにリンクさせていただいている皆さんや書きこみやROMをしてい

ただいている方々のおかげです。

ありがとうございます♪♪♪

お名前を出して恐縮ですが10,001アクセスはリンクさせていただいている

さとうみみさん♪でした。

10,000アクセス目ですかぁ~?だから~緊張感なかったと

いうか・・すっかり忘れていたんですよぉ~(汗)
 
05-22(日)

お豆づくし

近所の方から、絹さやとそらまめをいただいたので今夜は豆づくしでした♪

日曜の夜なので本屋さんに行ってきました。ブッ○オフでは前から狙って

いた本が105円コーナーに移動していました(笑)

『家守綺譚』梨木香歩著 

『ハードボイルド』原りょう著 

『臨場』横山秀夫著 

『FINE DAYS』本多孝好著

『東京湾景』 吉田修一著

『これからは歩くのだ』角田光代著


『家守綺譚』は梨木さんの新作。本多孝好さんは初めて読みます。

吉田修一さんは再チャレンジ。『これからは歩くのだ』は角田さん

のエッセイです。


 
05-21(土)

レッサーパンダ


千葉市動物公園にいるレッサーパンダが話題になっているようです。

レッサーパンダは立つことはあまりないそうですが、このレッサーパ

ンダの風太クンは10秒以上も直立

不動の姿勢を維持できるそうです。

ちなみに今日は大勢の来場客に応えて30秒以上も立っていたそうです。

私が子どもの頃、動物園といえば京成電車に乗って上野まで行ってい

ましたが、最近遠足の定番といえば千葉市動物公園です。

さきほどまたニュースにでていましたが、ちょっとお疲れ気味かも・・。


 
05-21(土)

「空中庭園」 角田光代著 文藝春秋


東京の西郊外の団地に住む平凡な一家それぞれの視点を通して、外面を整えつつも内側はばらばらな現代家族の孤独を描く連載形式の長編小説。「何ごともつつみかくさない」というモットーで結ばれた一見、暖かで開放的である京橋家。しかし、実態は夫婦不和や不倫、引きこもりなどを抱えた崩壊寸前の家族である。


<感想> ★★★★☆

あたしはラブホテルで仕込まれた子どもであるらしい。どのラブホテル

かも知った。高速道路のインター近くに林立するなかの一軒で、ホテル

野猿(のざる)という。ホテル課外授業とか、ホテルアロハとか、ホテ

ル回転木馬とか、命名者のセンスを疑うものは多々あれど、野猿、という

のはもっともひどい。地獄級である。


本書はひとつの家族を、それぞれの視点で描く連作短編です。引用したのは

高校生の長女の視点で描く『ラブリー・ホーム』の冒頭ですが、今までの角

田さんの作品と比較するとかなりくだけた感じです。この点が読みやすくも

あり、違和感を覚えた部分でもあります。でも、語り手が変わる度に角田さ

んらしくなっていきます。

『鍵つきドア』は家庭教師の視点で描かれていますが、彼女は家族の団欒に

接して吐いてしまいます。この作品に含まれた「毒」が最も発露するシーン

だと思います。

『空中庭園』とは、植物が置かれているダンチのベランダの事です。ダンチ

の近くにある「ディスカバリー」というショッピングセンター。林立するラ

ブホテル。それらは、それぞれに舞台装置としての役割を果たすと同時に象

徴でもあります。語り口も軽いし文体もそれほど凝っていませんが、角田さ

んの貫いている姿勢が揺らぐことはありません。

「なつさん」も感想で触れていますが、最後の『光の、闇の』この短編があ

るとないとでは作品の雰囲気が180度変わってしまいます。

「まぁ~そんな感じだけどみんな家族だし・・」みたいな終り方も悪くない

と思います。

 
05-19(木)

「報復」 ジリアン・ホフマン著 吉田利子訳 ビレッジブックス

太陽の街フロリダは、キューピッドに怯えていた―それは若い金髪美人ばかりを狙う連続殺人鬼の名だ。捜査は難航したものの、偶然、キューピッドが捕らえられる。女性検事補、C・Jが裁判を担当することになったが、法廷で犯人の声を聞いた彼女は愕然とした。それは12年前に自分を執拗にレイプした男の声だった!この男を無罪放免にしてはならない―恐怖に震えながらも固く心に誓うC・Jだったが、次々と検察側に不利な事実が発覚しはじめ…。期待の大型新人による戦慄のサスペンス。

「報復」ジリアン・ホフマン著 吉田利子訳 ビレッジブックス

<感想> ★★★★☆

リンクさせていただいている「まるさん」が、感想をUPされていた作品です。

昨今、アメリカのミステリーで売れている作家といえば・・・

女性検死官を主人公にしたシリーズ作品を描くパトリシア・コーンウェル

リーガルサスペンスというジャンルを確立したジョン・グリシャム

そして『羊たちの沈黙』のトマス・ハリスの名前があげられます。

これらの作家の作品が、数多くハリウッドで映画化され、広く浸透しているのも

その裏づけのひとつです。

 さて、本書の作者であるジリアン・ホフマンは、この作品がデビュー作。

騙しあいや駆け引きの応酬の場である法廷シーンや、残虐な犯行を繰り返す

連続殺人犯の描き方は要領を得ているし。過去にレイプ被害に遭い深く傷つい

ている主人公の女性検察官の心理がとてもよく描けています。

そして何よりコワイ・・。

この点は、翻訳者の手に負う部分が大きいと思いますが、描写がズバ抜けてい

てラスト近くの迫力のある描写は秀逸です。

「P・コーンウェルが裸足で逃げ出す」という帯のコピーはオー

バーではありませんでした!!講談社文庫の翻訳ミステリーシリーズがお好き

な方には、強くオススメいたします。

そしてなにより「まるさん」に感謝♪♪♪の一冊でした。
 
05-15(日)

農林29号

ブログを始める時にHNを決めなくてはならないのでずいぶん

悩みました。

カッコいい名前より覚えやすい名前を・・と思って、野菜か果物

の名前にしようとしましたが、メジャーどころは他の方がお使い

になっていらっしゃるようで・・・。

お米の品種で探しましたが、これもダメ・・。

結局じゃがいもの品種である「キタアカリ」に落ちつきました。

ちなみに「キタアカリ」は、地方番号「北海63号」、農林登録番

号は「農林29号」だそうです。

断念した名前

ほうれんそう・たまねぎ・れんこん・とまと・あすぱら・ささにし
き・こしひかり・どまんなか・きらら・・・・。

HN占いいろんな占いがありますね(笑)




 
05-15(日)

「ランドマーク」 吉田修一著 講談社



関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき―。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で“現代”のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説。

「ランドマーク 」吉田修一著  講談社


<感想> ★★★☆☆

吉田修一さんの作品は、初めて読みます。

芥川賞作家で玄人筋のウケはいいようですが、ちょっとムズカシイかなぁ~と

いう先入観があってとりあえずこの作品を選びましたが、やっぱり苦戦しまし

た(汗)さいたま新都心の高層ビル建築現場で働く建築家と鉄筋工の青年。

決して交わることのない二人をパラドックスで描き、最後のシーンで結実する

という設定だと思うんだけど、普段ストーリー中心の作品を読んでいるせいか

自分の中ではイマイチの感が否めませんでした。

ただ、文体はかなり個性的なので、ハマるとハマるんだろうなぁ~と思います。

とりあえず次は『パークライフ』にチャレンジしてみます。
 
05-14(土)

今日も土曜出勤


仕事中なのでメールで更新しています。仕事は午前中でカタがつき

そうなので午後は『空中庭園』を少し読んでから事務所に帰る予定

です。とりあえず文字数を計算して打ったんだけどどんな感じにな

っているのかなぁ~夜チェックしてみます 終
 
05-12(木)

「聖の青春」 大崎善生著 講談社文庫


重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。第13回新潮学芸賞受賞作。

「聖の青春」大崎善生著 講談社文庫


<感想> ★★★★☆

平成10年8月8日、一人の棋士が死んだ。

村山聖、29歳。将棋会の最高峰であるA級に在籍したままの死であった。

村山は幼くしてネフローゼを患いその宿命ともいえる疾患とともに成長し熾

烈で純粋な人生をまっとうした。

彼の29年間は病気との闘いの29年間でもあった。

村山は多くの愛に支えられて生きてきた。

肉親の愛、友人の愛、そして師匠の愛。

もうひとつ、村山を支えたものがあったとすればそれは将棋だった。


将棋の世界に疎い私は、棋士といえば羽生善治、谷川浩司、先崎学ぐらいしか

知りません。棋士の世界は、プロとアマがありますが、四段以上がプロ。

さらにプロの中でもC級B級A級に分かれていて、前出の人達はA級の属す

る棋士ですがその数はわずか十人。本書に描かれている村山聖(さとし)

もA級に属し彼らと同じ時代を生きたトップ棋士の一人です。

現在、作家として活躍している著者ですが当時、日本将棋連盟で雑誌の編集に

携わり、直に村山聖と接していた一人でもあります。とりわけ村山の師である

森信雄と親交が深く村山の子供時代、入門、棋士としての活躍が余すところな

く描かれています。

厳しい年齢制限のあるプロ棋士までの道のり、深夜まで及ぶ一流棋士達との対

決。静のイメージがある将棋ですが、激しいぶつかりあいの中で村山は、勝利を

勝ち取るたびに自らの命を消耗させ、29歳で燃え尽きてしまいます。

将棋会に革命をもたらしたといわれる同期の棋士達は現在でも華々しい活躍を

しています。もし村山聖が生きていたらどのような棋士になっていたのだろう

かと考えます。しかしそれは意味のないことかもしれません。

子供の頃から病に悩まされつづけた村山聖の将棋への情熱。それは常に死を

意識しなければならなかった者だけが持つ生への執着そのものだったように

思えるからです。

将棋なんてぜんぜんわからないという方も何かを感じ取れる作品です。
 
05-10(火)

狼の桃と北のほたる

少し前に入手した「狼の桃」というスゲェ名前のトマトジュースが、

濃厚で甘みがあってすご~く美味しかったので、それ以来トマトジュ

ースにハマっています。昨日手に入れて、今飲んでいるのは「北のほ

たる」というトマトジュースです。これも濃厚でかなりイケます。

いずれも北海道産です。ホント北海道はおいしいモノが多いですね♪

先週の終わりぐらいから仕事やゴミ出しが忙しくてなかなか読書時間

が確保できません。

昨日は、久しぶりにブック○フに行きました。

昨日買った本。

『聖の青春』  大崎善生著   講談社文庫

『空中庭園』  角田光代著   文藝春秋

『ランドマーク』吉田修一著   講談社

『Love Songs』 桜井亜美他著 幻冬舎文庫

『聖の青春』読み始めました。

大崎善生さんって将棋雑誌の編集者だったんですね!
 
05-07(土)

「袋小路の男」絲山秋子著 講談社


指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。“現代の純愛小説”と絶讃された表題作、「アーリオ オーリオ」他一篇収録。注目の新鋭が贈る傑作短篇集。第30回川端康成文学賞受賞。
【目次】
袋小路の男/小田切孝の言い分/アーリオ オーリオ

「袋小路の男」絲山秋子著 講談社


<感想> ★★★★☆

出会って十二年がたって、私達は指一本触れたことがない。厳密にいえ

ば、割り勘のお釣りのやりとりで中指が触れてしびれたことがあるくらい。


という二人の純愛を描くこの作品は、女性主人公の一人称で語られる『袋小

路の男』と三人称で書かれた『小田切孝の言い分』の二部構成です。

プラトニックな関係にある二人ですが、友達以上恋人未満と言う関係ではあ

りません。お互いに恋愛感情は抱いています。また、女性主人公も決して古

風な女性ではなく「でも、小田切さんがしなくても、私は誰ともセックス

しないわけにいかないです。そこまではおつきあいできない」
と言い

放ち簡単に手に入る他の男達と寝ています。

一方、相手の男性が、女性主人公を肉体的に求めない理由は明確に書かれて

いません。ここから先は私見ですが、男女間って恋愛に至るまでにいくつか

のステップがあると思います。知人、友達、恋人。ステップアップするたび

に新しい関係を得て古い関係を失っていきます。そういう点からいえばセ

ックスというのは、最終的な意志確認だと思います。(そうじゃないことあ

るけどね・・)そこまで行ってしまうとそれ以前の関係に戻るのは、かなり

難しくなり、そこから先は限られた選択肢しか残されていません。この男性

は、経済的にも精神的にもかなり不安定な側面があります。

何かをはじめると言う事は、即ちその終わりに向かって突き進んでいくこと

にほかなりません。その袋小路に追い詰められて男は、どうしてもそこから

進むことができないのだと思います。

恋人未満家族以上という言葉が出てきますが、結局二人はそんな感じで

落ちついていきます。

プラトニックであること、それは絶対に相手を失いたくないという強く激し

い愛のカタチなのかもしれません。

もうひとつの短編『アーリオ アーリオ』もなかなかの佳作でした。

この本は、初めて読む作家さんの作品なので購入をかなり躊躇していましたが、

リンク先の初月さんの感想が、購入のきっかけになりました。

おかげでいい作品とめぐりあうことができました。ありがとうございました。

 
05-06(金)

「アジアンタムブルー」 大崎善生著 角川書店


「私が死んでも…」そう言って、葉子は声を詰まらせた。そして、声を振り絞るようにして続けた。「優しい人でいてね」愛する人が死を前にした時、いったい何ができるのだろう。喪失の悲しみと“優しさ”の限りない力を描き出した、本年最高の恋愛小説。

「アジアンタムブルー」大崎善生著 角川書店


<感想> ★★★★☆

片山恭一さんの『世界の中心で愛を叫ぶ』と比較される事の多い本書は

その場所は、孤独というものが自分の周りを月のように周回している

ことを確かめるためにあるような空間だった。
という書出しで始ま

ります。『世界の中心で愛を叫ぶ』は未読なので比較のしようがありま

せんが『パイロットフィッシュ』と同じく冒頭から一気に引き込まれま

す。デパートの屋上、アジアンタムの鉢植え、主人公に声を掛ける左手の

薬指に指輪をした女性。

主人公は・・・33歳の編集者?ポリスのアルバム?永遠とは三千畳敷

きの・・?

この主人公、時間設定が違うものの『パイロットフィッシュ』の主人公と

同一人物でした。この二つの作品の整合性とか、編集者の意図とか・・ち

ょっと図りかねますが、まぁ~このキャラクターやエロ本の編集者という

設定も好きなので番外編ということで読み進めることにしました。

愛するものの死というありがちな筋立ては作者の力量が試されるジャンル

ですが、ちょっと長めイントロダクションは、タイトルのアジアンタムブル

ーを描き、後半を際立たせるために極めて重要だと思います。メインの後

半は主人公の恋人葉子が癌で余命いくばくもないと宣告され、それを受け入

れる過程を描きますが、暗喩も巧いし、小道具の使い方も秀逸です。私など

明日から本屋さんで鳥類図鑑を見るだけで泣いちゃいそうです。

人は、愛するものの死をどのように看取るのか、そして自分はどのように看

取られたいのか、それがこの作品のようであれば、どんなに理不尽な死でも

受け入れることができるのかもしれません。

タイトルのアジアンタムブルーですが、アジアンタムという観葉植物は水の

管理が難しくて、ちょっとでも管理を怠ると葉がちりちりになってしまい

それが全体に広がってしまうそうです。その状態がアジアンタムブルー。

アジアンタムの憂鬱。

アジアンタムってこんな感じの植物です


 
05-05(木)

村上龍さんが・・

村上龍さんがテレビ(報道ステーション)に現在、出演中です。

顔が少し小さくなったような・・(汗)

『半島を出よ』の話しをするようです。
 
05-03(火)

生ゴミがっ・・・

私の近所のゴミ収集日は火・木・土なんだけど、先週の土曜日

すっかり出すのを忘れていたらGWでゴミの収集がない・・。

どうしませう?温かくなってきて臭うし・・。

生ゴミだけでも密かに裏山に埋めてしまおうかととも考えて

いますが、ヘビが怖くて行けません。EM発酵でもはじめよう

かな(笑)
 
05-03(火)

「ミステリオーソ」 原りょう著 ハヤカワ文庫



<著者略歴>1946年佐賀県鳥栖市生れ。九州大学文学部美学美術史科を卒業。70年代はおもにフリージャズのピアニストとして活躍。30歳頃から意識的に翻訳ミステリを乱読し、特にレイモンド・チャンドラーに心酔する。88年、私立探偵・沢崎が初登場するハードボイルド長篇『そして夜は甦る』によって日本のミステリ界に颯爽とデビュー。89年に長篇第2作『私が殺した少女』を発表、第102回直木賞を受賞。

<感想> ★★★★☆

私の好きな作家である原りょうさんのエッセイです。

95年に出された『ミステリオーソ』とその後書かれたエッセイ・対談・

短編と加えて再編集。本書と続刊の『ハードボイルド』の二冊にまとめら

れました。本書は、ジャズピアニストだった著者が作家になるまでの紆余

曲折。小説、映画(フィルムノワール中心)そしてジャズについて書かれ

ています。ジャズと言えば、かつてジャズバーのオーナーをしていた村上

春樹さんも数多くの寸評やサイドストーリーを書いていますが、ジャズピ

アニストだった原さんの寸評もかなり力が入っています。バド・パウエル

についてはかなりページを割いていて、久しぶりに帰宅後「クレオパトラ

の夢」を聴きまくりました。原りょうさんのファンは勿論のこと、フィル

ムノワールやジャズの好きな方には強くオススメいたします。
 
05-01(日)

フツーの日曜夜

来週からもGWは継続するようですが、私は来週はフツー通り祝日も

関係なく組織の歯車として働く所存です。さて、日曜夜の恒例である

本屋で来週の活力源を仕入れてきました。

今日買った本

『あの道この道』吉屋信子著 文春文庫
秋月さんの日記で見かけたような・・・ドラマの原作本らしいです。

『袋小路の男』絲山明子著 講談社
初月さんの感想を拝見して・・・・純文学の雰囲気がします。

『ミステリーオーソ』原りょう著 早川文庫
原りょうさんのエッセイです。ついに文庫が出たので・・。

これに加えて在庫『アジアンタムブルー』と『報復』で一週間頑張ります。

GWの方は、エンジョイしてくださいね♪
 
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