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02-27(日)

「博士の愛した数式」 小川洋子著 新潮社

<あらすじ>

交通事故が原因で記憶が80分で消えてしまう博士。博士のもとに

通う家政婦の私。私の息子ルート。3人の心の交流を描く

<感想> ★★★★☆

この本とにかく売れています。

私の手元にある本の奥付けは、04年8月20日発行で初版から一年経

っていますが、なんと39刷!一刷りで何部出すのか知りませんが、昨

今の文芸書では脅威的な売れ方です。

博士がこだわるのは、数式と元プロ野球投手の江夏豊。小川洋子さ

んの読者層は、本をよく読む女性ではないかと思うんですが・・・・。

でも大丈夫!発行部数がそれを裏付けているし、数学が苦手でもプ

ロ野球は見なくても充分小川洋子ワールドを堪能できます。

小川洋子さんの作品は一時期よく読んでいました。

純文学畑の人で、特に大きな出来事があるわけではなく淡々と進む

平板なストーリー展開の中に潜む「怪しさ」そして独特な文体。本

書も基本的には変わりませんが、それぞれをいたわりあう優しさが

ひしひしと感じられます。博士の胸にぶら下がっている江夏豊のプ

レミアムカードは泣いちゃいますよ。

この本、正直言って購入するのを相当ためらっていたんですが、りえ

こ♪さんの感想を拝見して購入を決意しました。おかげでまたひと

つイイ本と巡り合えました。ありがとうございました。りえこ♪さ

んとりえこママに感謝です。

博士の愛した数式

博士の愛した数式

価格:550円(税込、送料別)


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02-26(土)

魔都・名古屋

土曜日だというのに午前中、仕事で千葉市内に行ってきました。

駅前には、旗を持った人達がパンフ配ってました。県知事選なんで

すね。前回の県知事選でも噂になっていたけど今回は森○健作さん

が立候補しているみたいです。

帰ってきたらAmazonで注文してあった『東京するめクラブ・地球

の歩き方』(村上春樹・吉本由美・都築響一)が来ていました。旅

行記でカラー写真も満載で楽しめそうです。とりあえず一番目の

「魔都・名古屋に挑む」を読んでみました。名古屋における独自の

食文化や風習には目を見張るものがあります。

ウォータースライダーが部屋にあるラブホ(写真入り)はぶっく

り!ご休憩13,000円らしいです。
 
02-24(木)

「刹那の街角」  香納諒一著  角川文庫

<あらすじ>

「俺達の仕事は、人を疑うことだ」拳銃は要らない―。同情は敵。

捜査に必要なのは、心の襞を辿る指先と人の哀しみを見極める眼

だ。運命に翻弄され、いつしか犯罪に巻き込まれていく人々の哀感

を刑事部屋の目を通して描く、出色の連作短篇集。著者初の警察小

説集。               (本書あらすじより抜粋)

<感想> ★★★☆☆

『幻の女』が、そこそこ良かったので購入してみました。

警察小説の連作短編です。最近この分野は横山秀夫さんの独走状態

です。その横山秀夫さんに『第三の時効』という作品(なつ。さん

が感想をお書きになっています)がありますが、本書も構成的には

ほとんどかわりません。警察という組織がリアルに描かれていると

いう点では『第三の時効』に軍配があがりますが、刑事と刑事を取

り巻く人物はとても上手く描かれていました。

ひとむかし前の刑事ドラマを見るように楽しめまます。二つの作品

を読み比べてみてもおもしろいかもしれません。
 
02-23(水)

小川洋子・川上弘美・白石一文・翻訳ミステリ

関東では今日春一番が吹きました。

立春を過ぎて春分までの間に吹く風速8メートル以上の南風。

というのが、春一番の定義だそうです。

本日もブック○フへ・・・。

『博士の愛した数式』 小川洋子著 
『偶然の祝福』    小川洋子著
『いとしい』     川上弘美著
『不自由な心』    白石一文著
『モータウンブルース』ダグ・アリン著

久しぶりに小川洋子さんの本を買いました。

翻訳ミステリーのダグ・アリンさん。未読の作家ですが訳が田口俊

樹さんなので衝動買いしました。当たるといいな!
 
02-22(火)

『星々の船』  村上由佳著  文藝春秋 

<あらすじ>

禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を

探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて-。愛とは、

家族とはなにか。こころふるえる感動の物語。
                      (本書帯より)

<感想> ★★★★☆

村山由佳さんの作品は、デビュー当時に読んだ『天使の卵』最近読

んだ『すべての銀は雲の・・・』に続いて三作目です。

見た目は「直木賞受賞」という帯がついているものの、他の二作と

比較するとかなり落ちついた感じの装丁です。6部構成の本書

は、次男、次女、長女、長男、長男の娘、父親のそれぞれが自分の視点

で語って行くという形式です。

前半の3部(次男・次女・長女)は、次男と長女の関係を軸に進行し

ていきます。読み始めは、この関係にかなり戸惑いますが、前半が終

わる頃には納得してしまいます。特に長女にはかなり感情移入させ

られました。従来から持っている村山由佳さんの筆の確かさを再認

識しました。

問題は後半です。長男、長男の娘、父親が語りはじめますが、全共闘

世代の長男、イジメにあっているその娘。そして戦前生まれの父

親。すべての作品を読んでいないので断言できませんが、今までの

村山さんの作品で、主人公としてはあまり出てこないキャラクター

ではないでしょうか?前半の兄妹の関係からもそれて行ってしまう

し、なにより戦時中のことに踏み込んで行きます。従来からの読者

であれば多少の違和感を感じると思います。作家としてはある意味

冒険ですが、この冒険が直木賞受賞に繋がったような気もします。

最終章、戦争を引きずる父は、極北の愛を貫こうとする長女

と自分を重ね合わます。

ー幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。
                        (中略)
叶う恋ばかりが恋ではないように、みごとに花と散ることもかなわ

ず、ただ老いさらばれて枯れていくだけの人生にも、意味はあるのか

もしれない。何か・・・・こうしてまだ残されているなりの意味が。

村山由佳さんのファンの方はもちろんですが・・・・

「村山由佳?恋愛小説苦手だからなぁ」

とお嘆きにの貴兄にもオススメしちゃいます。
 
02-20(日)

「星々の船」を読み始めました。


村山由佳さんの『星々の船』を昨夜から読み始めています。

かなりイイ感じで読み進めていますが・・・。

なっなんと晴れて来たではないですかぁ~。

洗濯物と布団を干さなくては(急)

花粉飛んでないといいな。
 
02-19(土)

「おめでとう」 川上弘美著  新潮文庫


<あらすじ>

忘れないでいよう。今のことを。今までのことを。これからのこと

を。 小田原の小さな飲み屋で、あいしてる、と言うあたしを尻目

に生蛸をむつむつと噛むタマヨさん。「このたびは、あんまり愛し

てて、困っちゃったわよ」とこちらが困るような率直さで言うショ

ウコさん。百五十年生きることにした、そのくらい生きてればさ、

あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし、と突然言うト

キタさん……ぽっかり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景。

<感想> ★★★★☆

『蛇を踏む』(芥川賞受賞作)が、かなりトンガッているように感

じてしまったので川上弘美さんの作品は敬遠していました。(ファ

ンの方すんまそん)『センセイの鞄』を読んでかなり印象が変わり

ましたが、なかなか「次」に踏み出せませんでした。

先日、リンク先のさとうみみさんが、年間ベストにあげていらっしゃ

ったので今回手にとってみた次第です。

さて、本書には12の短編が収められています。

同性愛、恋愛、不倫など、様々な場所に身を置いている主人公たち。

その一瞬の時間が切り取られていて、短編小説のメリットを最大限

に活かした作品集です。

私は『冬一日』『川』という作品が心に残りました。

二人の主人公の居場所は異なりますが、同じ時間の上に立っていま

す。輝いてさえいると思われるその時間の中で彼女達は、不確かな

モノに寄りかかっている自分に気がつき、ホントに確かなものなん

てないだと悟ってしまいます。

そのとてもせつない一瞬が見事に切り取られています。

みみさんありがとう♪

すべての方にオススメです。
 
02-17(木)

川上弘美&香納諒一

 私の住んでいる所では、昨日は雨。今日も予報は晴れだったけど

イマイチはっきりしない天気でかなり寒いです。立春以降の寒さを

「余寒」といいます。立秋以降の暑さは「残暑」ですよね。対語な

んだけど「残暑」ほどメジャーではないですね。まぁ~どうでもい

いんだけど・・・。

今日も仕事帰りにブック○フへ・・。

リンクさせていただいている、さとうみみさんのイチオシ、川上弘美

さんの『おめでとう』と先日感想をUPした香納諒一さんの『天使

たちの場所』『刹那の街角』を購入してきました。いずれも短編集

です。先日購入した『星々の船』と併せて在庫が4冊になりまし

た。ちょっぴり幸せな気分です。
 
02-16(水)

「幻の女」 香納諒一 著  角川文庫

<あらすじ>

 五年前に愛を交わしながらも突然姿を消した女、瞭子と偶然の再

会を果たした弁護士の栖本誠次は、翌朝、彼女の死を知った。

事務所の留守電には、相談したいことがあるとの短い伝言が残され

ていた。手がかりを求めて彼女の故郷を訪ねると、そこには別の人

間の少女時代が…。愛した女は誰だったのか。

時を遡る執拗な調査は、やがて二十年前の産業誘致をめぐる巨大な

陰謀と、政財界をも巻き込んで蠢く裏社会の不気味な構図に行き当

たる。謎とサスペンスの中に孤独で真摯な愛の行方を描き切った第

52回日本推理作家協会賞受賞の傑作、待望の文庫化。
                    (本体あらすじより)

<感想> ★★★★☆

 ひとことで言えばとても「地味」な作品です。一人称語りで紋切

り型の科白。文体はハードボイルドのそれですが、派手なアクショ

ンがあるわけでもないし、主人公の弁護士はちょっと軟弱です。そ

の上とても長い(文庫700頁)。それでも最後まで読ませるのは、作

家の力量でしょうか?香納諒一さんの作品は初めて読みますが、筆

の立つ作家なのかもしれません・・・。

主人公のかつての恋人が殺されてしまいます。出だしは「犯人は

誰?」という単純なミステリーで謎を解き明かすために弁護士の主

人公が乗り出すという設定です。しかし、彼女の出自を調べ行くう

ちに彼女が、自ら名乗っていた人物と全くの別人である事が明らか

になります。そこからは、「なぜ彼女は別人にならなければならな

かったのか?」が焦点になって行くわけですが、これ以降、語られて

行くのは彼女の物語で、主人公の弁護士は狂言回しにとって代わり

ます。彼女の真実が明かになる過程がちょっとまどろっこしいんだ

けど、別の言い方をすれば丁寧に描いているとも言えます。ラスト

を読むと、作者は結局これを言いたかったんだなぁ~と妙に納得さ

せられました。
 
02-14(月)

2月14日

今年は、三年ぶり平日のバレンタインディーでしたね。

義理チョコがたくさん出るから業界は潤っているかもしれません。

私は職場でいくつか義理チョコをもらって帰ってきました。

奥さんは数年前からくれないので(義理もねぇのかよ!!)長女か

らチョコをもらいました。はっきり言って子供からもらうチョコが

イチバンうれしいです。

来年もくれるのかな・・・・。

みなさんもちゃんとパパ(おとう)にあげてくださいよ。

すげぇ喜ぶと思うからさ!
 
02-13(日)

昨夜ブック○フで・・

昨日ブック○フに行って『星々の船』村山由佳著と『幻の女』香納

諒一著を買ってきました。『天使の梯子』もあったけど『天使の

卵』の続編なんですね。復習してから取りかかりたいと思います。

しかしブック○フに行くたびに思うんだけど店員さんがちょっとう

るさくないですかぁ~?万引き防止とかイロイロあるんだろうけ

ど・・・・。あんなに声を張り上げられるとビックリしちゃいま

す。あと焼肉チェーンでもやたらと店員さんが声を張り上げるとこ

ろがありますよね。マニュアルがそうなっているから店員さんは悪

くないと思うんだけど、あのノリにはついていけません。
 
02-12(土)

「ふしぎな図書館」  村上春樹・佐々木マキ 著  


<あらすじ>
 村上春樹と佐々木マキが贈る大人のためのストーリー。魅力溢

れる絵。ぼくは「図書館」から、脱出できるのだろうか?懐かしい

“羊男”も登場!

「いかような本をおさがしになっておられますかな、坊ちゃん?」

「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について知りたいんです」

とぼくは言った。老人の目がきらりと光った。「なあるほど、オス

マントルコ帝国の税金のあつめ方、ですか。それは、ああ、なかなか

興味ぶかい」         (本書帯より引用)

<感想> ★★★★☆

 ネット書店で予約してあった本です。

1,500円するので、ちょっと厚めの本を予想したんだけど・・(だ

って『アフターダーク』より100円高いんですぜ) 函入りですが、

小さくてスゲェ薄くて15分ぐらいで読めちゃいそうです。ハッ

キリ言ってコストパフォーマンス悪いです。

しかし読了後、自分がムラカミハルキ教信者である事を再確認させ

られてしまいました。佐々木マキさんのイラストもいいし、図書館

の地下にいる羊男。おやつはドーナツ。そして凝ったメタファー

(隠喩)。村上春樹ワールドにどっぷり浸れます。

「ムラカミハルキってどんなの描いてるの?」といわれれば私は迷

わず本書と『村上朝日堂』を差し出します。

リンクさせて頂いている方は図書館派の方が多いようですが、平日

の図書館でお読みいただければ本書を堪能していただけると思いま

す。
 
 
02-10(木)

「一瞬の光」 白石一文 著   角川文庫


<あらすじ>
 
 三十八歳という若さで日本を代表する企業の人事課長に抜擢され

たエリート・橋田浩介。彼は、男に絡まれていたところを助けたこ

とがきっかけで、短大生・中平香折と知り合う。社内での派閥抗争

に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなっ

ていった。橋田は、香折との交流を通じて、これまでの自分の存在

意義に疑問を感じ、本当に大切なことを見いだしていくのだっ

た…。―混沌とした現代社会の中で真に必要とされるものは何かを

問う、新たなる物語。各紙誌書評で絶賛と感動の声を集めた気鋭の

デビュー作、待望の文庫化。  (本書あらすじより)

<感想> ★★★★☆
 
 この作品は、本屋さんでも平積みになっていてかなり売れている

ようです。私もかなり前からチェックしていましたが、あらすじを

読む限り企業小説風で敬遠していました。しかし実際に読んでみる

と男性読者を意識した恋愛小説という感じでした。

企業小説のウェイトが大きい前半は組織の派閥論理やその策略など

に多くの頁を割いているので正直ちょっとダルかったです。こうい

う人達は時代劇みたいなこと考えてるんですね(汗)

後半は恋愛小説に移行してきます。従来の女性読者を意識して描

かれている恋愛小説などと比較すると、守る者と守られる者という

パターンで女性が都合よく描かれているという感じは否めません

が、DVのトラウマを抱える香折が主人公を求める恋愛以上の強い

感情。それを理解しようと努力する主人公の姿はちょっとうるうる

モノです。

ラストは守る者と守られる者という究極のカタチで幕を閉じます。

主人公の選択に違和感を覚える読者も少なからずいると思います

が、何も持ち合わせない丸裸の状態の自分を求めてくれる相手がい

て、その相手を100%理解してあげられるなら、その選択はたぶん間

違っていないのではないかと思います。
 
02-09(水)

「東京するめクラブ」が・・・・・

『東京するめクラブ』村上春樹・吉本由美・都築響一著。

年末から読みたいと思っているんだけど、なかなか読めません。

近所の本屋さんにもないし・・結局「楽天ブックス」で注文したん

だけど、在庫がないのでお届けできませんというメールが本日来ま

した。「Amazon」でチェックしたけど、なんと発送まで4~6週間

待ちだって・・・・。

いつになったら読めるのかなぁ~。ちょっと悲しいです。
 
02-06(日)

「エンジェル・エンジェル・エンジェル」 梨木香歩著 新潮文庫

<あらすじ>

 コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引

き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋

で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウ

コと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目

にしたものは―なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おば

あちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす…。
                    (あらすじより)

<感想> ★★★★☆

 梨木香歩さんの作品は『裏庭』『西の魔女が死んだ』『りかさ

ん』を読みました。私は好きな作家の作品に関しては集中的に読ん

でしまう方です。梨木香歩さんも好きな作家ですが、次々と読むに

はもったいないぐらいイイ作品を描いているように思います。

この作品は、主人公である少女と、そのおばあちゃんと話しです。現

代とおばあちゃんの少女時代が各章ごとにクロスするカタチで、お

ばあちゃんの章は旧かな使いで書かれています。おばあちゃんの現

在や主人公の存在は、その少女時代の出来事と大きな関わりがりあ

ります。読者はそれを少しづつ知るという仕組みになっていますが

その辺が、とても巧いです。

最終章で過去と現在が一つの「エンジェル」によって繋がります

が、主人公もおばあちゃんもそれを知る由はありません。

もしかしたら自分にもそんな物語が隠されているのではないか?と

思わせる作品です。
 
02-05(土)

「破裂」 久坂部羊著    幻冬舎

<あらすじ>
 
 医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は、“医療

過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院

の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て、医師たちの過

去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程

で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の

人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起

こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で

統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接

触を始める…。枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松

野の運命は?そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?

大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法ま

で提示する、医療ミステリーの傑作。 (楽天ブックスより引用)

<感想> ★★★☆☆

 一粒で二度美味しいのはグリコアーモンドキャラメルですが、本

書も二つのテーマが並行して描かれています。医療ミス裁判と老人

医療問題です。医療ミス裁判とその周辺(大学病院)は、『白い巨

塔』を彷彿とさせるというか、そのまんまです。老人医療問題につ

いては、専門家ならではのなかなか鋭いツッコミを入れています。

ただ、小説(物語)としては、もうちょっと救いがあってもいいんじ

ゃないかと思います。

読み出しはかなりひきつけられるんだけど、キャラクター設定がイ

マイチで、二つのテーマが巧くリンクしていないようにも感じまし

た。まぁ~そこそこ面白いんだけど・・・・グリコアーモンドキャラ

メルには負けちゃうかも。帚木蓬生さんがお好きな方にはオススメ

です。

 

 
 

 
02-02(水)

「すべての雲は銀の・・・・」  村山由佳 著


<あらすじ>
 
 恋人由美子の心変わりの相手が兄貴でさえなかったら、ここまで

苦しくはなかったのかもしれない。傷心の祐介は、大学生活から逃

れるように、信州菅平の宿「かむなび」で働き始める。頑固だが一

本筋の通った園主、子連れでワケありの瞳子…。たくましく働く明

るさの奥に、誰もが言い知れぬ傷みを抱えていた。
           

<感想> ★★★★☆
 
 恋愛小説を読むぞぉ~と気合を入れて臨みましたが、本書は恋愛

小説ではなくどちらかというと青春小説というジャンルに属する作

品です。青春小説と言うと青春時代の苦悩を赤裸々に綴っていく過

程で、叶わない恋や人の死がエピソードとして挿入されていて、ある

程度の重さを伴います。個人的には宮本輝さんの『青が散る』な

どが代表的な作品ではないかと思います。

さて、本書もご多分にもれず従来のそれを踏襲していますが作品全

体が明るく仕上がっています。理由は主人公を取り巻く周りの人達

が、それぞれ心の傷を負っているにも関わらずあっけらからんと生

きているからだと思います。

特にキーになっている瞳子さん。彼女は終始明るくてワイルドです

が、小さい子供を抱えている未亡人で、重たい「荷物」を背負ってい

ます。そんな瞳子さんは主人公に「今、幸せか?」と聞かれ次のよ

うに応えています。

「・・・・私なんて、たとえば結婚とか、安定した生活とか、人も羨む家

庭とか、そういう基準で物を考える人から見たら、不幸な部類に入れ

られちゃうかもしれない。でもね、祐介くん。そういうふうな、他人

から認めてもらいやすいものをまず目標に据えて、そこからみみっ

ちく逆算して今を選んだり決めたりするのって、私、大嫌いなのよ。

他人の基準を自分にあてはめてどうしようっていうの?」


正直いって途中までは、語り口がちょっと軽すぎるかなぁ~思って

読んでいたんだけど、この科白で私は圧倒されてしまいました。思

わず「アニキ・・・」ってつぶやいちまいました。

最近、ちょっと心がささくれだっているなぁ~と感じている方に強く

オススメいたします。


 
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