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Author:きたあかり
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10-31(木)

9月の書籍代

9月の書籍代 17冊 1,376円

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:3384ページ
ナイス数:240ナイス

憤死憤死感想
表題作は既読です。そのせいか収録されている二篇も同じテイストの作品だと思い込んでいましたが・・・。『トイレの懺悔室』『人生ゲーム』は男性が主人公。 綿矢作品にあってはそれだけでも異質ですが、その内容も今までにはない味付けがなされています。 もちろん大半の読者が求める綿矢りさは表題作にあって私もそこに面白さを感じるわけですが、この異質な二作もアリだろうと思います。 新境地などという月並みな言葉は使いたくありませんが、綿矢さんの持つ可能性を垣間見たような気がしました。
読了日:9月30日 著者:綿矢りさ


クララクララ感想
初出1947(昭和22)年。 読友さんの感想を拝見して。 林芙美子はかなり読み込んでいるつもりですが、こんな毛色の違う作品があったことにびっくりしました。 童話集の収められた作品なので文章は平易ですがその内容は怖すぎです((((;゚Д゚))) ガクプル  しかしタイトルのクララっていったい??
読了日:9月27日 著者:林芙美子


夫婦善哉夫婦善哉感想
初出1940(昭和15)年。 友達に『夫婦善哉』ってどんな話よ?と聞かれたので読んでみました。 最近ドラマ化されて話題になっているようですね。 次々と商売を手がける二人に花登筺的なオチをイメージしていましたが・・・・。 典型的なダメ夫としっかり者の妻。現代の視点で言うならだメンズウォーカーとか共依存などというキーワードで括られてしまう物語かもしれません。 単純な話ですが読者の人生経験によってはディープな物語になりえるように思います。 夫婦でしみじみとぜんざいを啜る最後のシーンが沁みました。
読了日:9月25日 著者:織田作之助


すっぽん心中すっぽん心中感想
前回の芥川賞候補作だった表題作と『植木鉢』書き下ろしの『鳩居野郎』の三作が収められた作品集です。 初読みは『鳩居野郎』のみでしたが他の二作も再読してみました。 う~ん相変わらずとってもイイです。 でも読書メーターの登録数38ってどういうことっすか(笑) やっぱこの脱力系まったり感を堪能できるのはオッサンだけなのか?ドーデもいいんだけど戌井さんよほど鳩が嫌いなんですね。
読了日:9月24日 著者:戌井昭人


路(ルウ)路(ルウ)感想
台湾の新幹線建設にまつわるドラマを様々な角度から描いた作品です。人物描写はもちろんですが、舞台になっている台湾の湿った空気までを表現するさまは秀逸としか言いようがありません。 ただストーリー自体は淡々としていて盛り上がりを欠いた感が否めません。 フィクションとは言え実際の事業を元にしているので、そのあたりの配慮もあったのかもしれませんが、もうすこしガツンと来てもいいのではないかと思いました。 
読了日:9月21日 著者:吉田修一


賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈下〉 (ちくま文庫)賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈下〉 (ちくま文庫)感想
上巻に引き続きカオス部屋の数々。 かなりヤバい感じの部屋もあるけどやたらエネルギッシュでもあります。 
読了日:9月19日 著者:都築響一


賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉 (ちくま文庫)賃貸宇宙UNIVERSE for RENT〈上〉 (ちくま文庫)感想
『TOKYO STYLE』の続編です。 掲載されているのは、いわゆるオシャレ系ではなく生活感溢れまくりの部屋。 
読了日:9月17日 著者:都築響一


石の肺 アスベスト禍を追う石の肺 アスベスト禍を追う感想
そういえば一時期やたらと騒いでいたのに最近あまり聞かなくなったよなぁ・・という感じで手に取りました。 前半ではかつて電気工だった佐伯さんがどのようにアスベストと関わっていたのか?後半ではアスベスト問題を客観的に語っています。 タイトルだけを見ると迫真のルポルタージュを想像しますがそれほど硬い書き方はされていません。 その点は一方から見ると中途半端な印象を受けますが、私小説として読むと逆にリアルさが際立つように思います。 
読了日:9月16日 著者:佐伯一麦


海炭市叙景 (小学館文庫)海炭市叙景 (小学館文庫)感想
読友さんの感想を拝見して・・著者の故郷である函館をモデルにした架空の町「海炭市」を舞台とした連作短篇。 収められた18の短篇は短めですが、それぞれが丁寧に書かれているので読みゴタエは十分でした。全体的に重苦しいトーンが支配しているので万人向けとは言いがたい作品ですが、市井の片隅で生きている人々を描く筆に著者の強い愛情を感じ取ることが出来ます。そのせいか読後感はそれほど悪くありません。特に一作目の『まだ若い廃墟』はワケもわからなくズルズル引き込まれる感覚を味わいました。著者の早世が悔やまれます。 
読了日:9月15日 著者:佐藤泰志


秋の花 (フィールド検索図鑑)秋の花 (フィールド検索図鑑)感想
秋になったので・・郊外に住んでいると道端に生えている花の名前が気になります。
読了日:9月11日 著者:


鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る感想
昨年の直木賞受賞作。 図書館では順番が廻ってこないし古本屋さんでも見かけないので購入。 あらすじから『ゼロ・ハチ・・』のような作品をイメージしていました。 地方都市に住む20代の女性を主人公に据えている点では共通していますが『ゼロ・ハチ・・』ほどの読者サービスはないし、場合によっては読後感の悪さのみが残ってしまいます。しかし違う角度から見るならセーブの利いた作品。手練れた作家による燻し銀の作品集という言い方もできます。 さらに同じ立場に置かれている読者なら感情移入も容易いように思います。    
読了日:9月9日 著者:辻村深月


あのころのデパートあのころのデパート感想
長野まゆみさんってデパガだったんですね。 本書は著者が子供だった60~70年代と勤務していた80年代のデパートの様子が書かれているエッセイです。 他の方がお書きになっているようにところどころ挟まれる毒が気になりましたが、ほぼ同じ目線でこの時代のデパートを知っているのでやたら懐かしく感じました。 吉祥寺のK百貨店は撤退した近鉄百貨店。銀座のP百貨店はプランタン銀座だと思われます。 
読了日:9月8日 著者:長野まゆみ


桐生通信桐生通信感想
1954(昭和29)年初出。 読み友さんの感想を拝見して。 桐生の話というかゴルフの話やら映画の話などその他雑感って感じのエッセイです。 昭和23年以降の新潟平野の気候変動について興味深く読みました。
読了日:9月8日 著者:坂口安吾


アニバーサリーアニバーサリー感想
本書は出産と震災をテーマにした窪美澄さんの最新刊。 前半では75歳の晶子の半生。後半では震災を契機に晶子と関わりを持つ真菜の物語となっています。 主人公は晶子と真菜ですが、この作品は真菜の母である真希を含めた三世代にわたる母親達のクロニクルのような気がします。 私が願ったせいで真菜はこのような立場に追いやられている。だから無関心ではいられない。そんな晶子のセリフが印象的です。 加えて、震災直後(原発事故)に出産することがどのようなことだったのか?若いお母さんたちの想いを改めて知る機会にもなりました。
読了日:9月5日 著者:窪美澄


半七捕物帳 04 湯屋の二階半七捕物帳 04 湯屋の二階感想
湯屋の二階で屯っている怪しげな浪人者の正体とは・・・オチはイマイチですが、そこに辿り着くまで十分に楽しめました。 しかし時代が移ろうとも外回りの仕事をしている人間が考えることは同じです。 
読了日:9月4日 著者:KidoOkamoto


汚ない家汚ない家感想
関東大震災直後のボンビー自慢的なエッセイ。 余談ですが菊池寛は罹災して行方不明になった利一を必死こいて捜したそうです。 
読了日:9月3日 著者:横光利一


花に眩む花に眩む感想
最近アンソロジーでよく見かける彩瀬まるさん。 R18文学賞/読者賞受賞作のKindle版があったので読んでみました。 ご存知の通り新潮社主催のR18文学賞は女性向けの官能小説がその対象となっています。 その点から言うなら明らかにツボを外しているように思います。 独特の世界観は川上弘美さんのそれと似ていますが、安部公房もちょっと入ってます的な印象を受けました。 ただ単なる模倣ではない安定感が作品を支配しています。 R18文学賞というよりは芥川賞候補作的な視点で読むと楽しめるかもしれません。 
読了日:9月2日 著者:彩瀬まる

読書メーター
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09-27(金)

8月の書籍代

8月の書籍代  20冊 1,450円

2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:3466ページ
ナイス数:306ナイス

街の底街の底感想
初出1925(大正14)年。 プロレタリア色の濃い作品です。 いやぁ~貧乏は本当にイヤですなぁ~という内容で、葉山嘉樹の「プロレタリアホラー」と比較するなら迫力不足ですが、冒頭からの街の描写が映画を観ていると錯覚してしまうほど映像的です。 このあたりが「新感覚派プロレタリア」なのでせうか? 
読了日:8月29日 著者:横光利一


松竹梅 (真夜中BOOKS)松竹梅 (真夜中BOOKS)感想
相変わらずのユルユルです。どれくらいユルさかと言えば小学生がちんちろりんに興じていたりします。 ソープ嬢の姉、カラオケスナックのママをしている母親、タクシードライバーの父親。子供たちを支えている大人たちのしょうもなさ加減がたまらなくイイです。 子供が主人公なので、最後は人情話的にうまく纏めすぎたきらいはありますが、戌井ファンならなんとなく納得のいく展開だと思います。 舞台はいわゆる谷根千と呼ばれる地域ですが、その範囲を浅草、鶯谷、吉原まで広げているので、ヘンに谷根千風になっていないところも好感がもてます。
読了日:8月26日 著者:戌井昭人


カレチ(5)<完> (モーニングKC)カレチ(5)<完> (モーニングKC)感想
完結篇の五巻では国鉄最後の5年間が描かれます。 先鋭化する労組とこれに対抗する当局側。 その狭間で揺れ動く荻野たち国鉄マンを描く筆は前半までのホノボノ路線と大きく異なります。 ここで語られる物語は分割民営化という荒波の中で実際に起きていた出来事のごく一部に過ぎません。 「でも君や僕の知る”職場”ではそんな弱さも受け入れられていたように思う」荻野の最後の反論は、あの時代あの場所に立っていた人たちからの強いメッセージです。 ※作中に出てくる長野政雄に関しては三浦綾子の『塩狩峠』に詳しく描かれています。 
読了日:8月24日 著者:池田邦彦


色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年感想
『ねじまき鳥・・』以降村上ワールド炸裂な作品が多かったせいか、久しぶりのリアリズムでちょっと拍子抜けというのが正直な感想です。 文体や翻訳調のセリフ回しは慣れ親しんだものだし、それを踏まえるなら紛うことのない村上春樹作品なんだけど・・・個人的には灰田父のエピソードは脈略を無視してでも深く浚って欲しかった気がします。 とは言うもののクオリティーは言うまでもなく、テーマもすっきりしていてリアリズム小説としては申し分のない作品であることに間違いはありません。 ただなぁ~(←しつこくてスンマソン)
読了日:8月22日 著者:村上春樹


淫売婦淫売婦感想
★勝手に晩夏のプロレタリアフェア開催中★ 1925(大正14)年初出 「将来の足場同様のプロレタリア文学といつても相当芸術作品としてものになつてゐるものでなければならない」と芥川センセイは書いています。 たしかにこの作品はイロモノといえばイロモノなんだけど、そのインパクトと描写力はピカイチ。 「私は淫売婦の代りに殉教者を見た。」←この一文、葉山嘉樹のドヤ顔が浮かびます。
読了日:8月18日 著者:葉山嘉樹


プロレタリア文学論プロレタリア文学論感想
以下引用ー彼等の目的はプロレタリアの天下を将来させるための一つの啓蒙的な一時的なものであるといつても、将来は文学として立派なプロレタリア文学が出来るが、現在ではその踏み台だ。それでいゝ、それだからまずくてもいゝといふ論は立たないと思ふ。ー引用ここまで。 というわけで「勝手に晩夏のプロレタリアフェア」を開催します。
読了日:8月17日 著者:芥川竜之介


のろのろ歩けのろのろ歩け感想
北京、上海、台北を舞台にした作品集。主人公はそれぞれの地を訪れる日本人女性です。 強く印象に残ったのは99年の北京を舞台にした『北京の春の白い服』 現在、世界第二位の経済大国となっている中国ですが、その前夜である99年の北京に吹いていたであろうと思われる風が巧みに表現されているように思います。 お世辞にも良好と言えない日中関係ですが、我々日本人は欧米と同じ見方ではなくアジアの一員同士という前提で互いを語り合っていく必要があるのではないかなどと感じました。
読了日:8月16日 著者:中島京子


サクラ秘密基地サクラ秘密基地感想
表題作を含め6作が収められた作品集。 朱川本の分類で言うなら、黒くないノスタルジック系。 作品集によって関西Vrと関東Vrがあるように思いますが本書は関東Vrです。 関東住みとしては舞台になっている街のイメージはしやすいんだけど、関西Vrでの言葉の魅力という点ではヒケを取っているように思います。『スズメ鈴松』は関西弁で書かれていたなら更に魅力的な作品になっていたたのではないでしょうか? 他に印象に残ったのは表題作と最後のオチが悲しすぎる『コスモス書簡』
読了日:8月14日 著者:朱川湊人


新生の門 ——栃木の女囚刑務所を訪ねて新生の門 ——栃木の女囚刑務所を訪ねて感想
初出1937(昭和12)年。 平たく言うなら女子刑務所ルポです。 もう少し突っ込んで欲しい気もしますが、時代が時代だからこのあたりが限界なのかもしれません。 泉ピン子や三原じゅん子のような人たちがいたのではないかと勝手に想像してみる↓(笑)
読了日:8月13日 著者:林芙美子


桜庭一樹短編集桜庭一樹短編集感想
『少女には・・』以降ほとんどの作品を読んでいますが、桜庭一樹さんはホントに巧いなぁ~感じています。 ただ個人の好みで言うなら大当たりを引く分だけハズレを引くことも多いです。 本書は短篇6作が収められていますが、やはりツボ押されまくりの作品とそうではない作品がありました。 しかし、どの作品でそのように感じるかは読者によって異なるのではないかと思います。 もしイマイチと感じる作品があっても桜庭ファンなら次の一作で楽しむことが出来るはずです。 私は『このたびはとんだことで』『冬の牡丹』が当りでした。 
読了日:8月12日 著者:桜庭一樹


すれ違う背中をすれ違う背中を感想
芭子&綾香シリーズ二作目。今回も二人はイイ感じでした。 この作品ドラマ化されていたんですね。 綾香に関しては原作の段階で意識していたのではないか?と思われるほどドンピシャのキャスティングだと思います。 三作目で完結するようですが怒涛の感動が待っているような気がします。 だけど図書館は91人待ち。Kindleだと1分以内に読めるらしい・・・ http://www.nhk.or.jp/drama10/itsuka/
読了日:8月10日 著者:乃南アサ


旅屋おかえり旅屋おかえり感想
すご~く読みやすい作品で旅に出たくなる一冊です。 ただ個人的にはちょっと軽すぎて物語りに入り込めませんでした。 最近ちょっと重めの作品ばかり読んでいるせいかもしれません。
読了日:8月9日 著者:原田マハ


無菌病棟より愛をこめて無菌病棟より愛をこめて感想
えっ?加納朋子さん白血病だったの!と驚いたのは私だけではないはずです。そんな本書は発病とその後までの一年半を綴った闘病記です。ただそのスタイルは作家の闘病記ではなく、あくまで子供を持つ主婦のそれとなっています。治療の内容はかなりハードですがあえてポジティブに書かれています。それを踏まえるなら本書は全ての読者に感動を与えるという目的ではなく、同じ病気を背負わされしまった人々に向けて書かれているように思えます。 「諦めたり、投げたりてしまう患者を救えるほど医療従事者は万能ではない。」強く印象に残りました。  
読了日:8月8日 著者:加納朋子


クラウドクラスターを愛する方法クラウドクラスターを愛する方法感想
クラウドクラスターってなんじゃらほい?水川あさみがCM出てるやつ??それはプラズマクラスター・・という感じで読み始めました。 主人公はどこにでもいるような、いわゆる等身大の女性。 年末に恋人と喧嘩をしてしまい、ビミョーな関係にある母親のもとで正月を過ごすことになります。 二作目まで見られたリーダービリティーの良さはなりを潜めて淡々とした仕上がりになっていますが、そこが最高にイイです。 克子さんもいいんだけど、私は母親の再婚相手のおじさんがたまらなく好きです。 そしてなによりこのタイトルは秀逸です。
読了日:8月7日 著者:窪美澄


蠅感想
勝手に真夏の利一フェア開催中!!蜘蛛の巣から逃れた蠅の視点で語られる掌編。 新感覚派ってこんな感じっすよ的な作品です。 なかなか面白い作品なので文学的な側面からグダグダ語るのも悪くありませんが、単純にそのシュールさを味わうだけでも十分楽しめます。 沈黙の後、青空の中を飛び去る蠅が印象的です。
読了日:8月6日 著者:横光利一


犯罪犯罪感想
勝手に真夏の利一フェア開催中!!以下引用→其時不意に私の頭の中へドストエフスキーが現れた。彼は悲痛な顔をしてゐた。頬をげつそり落して、蒼白い額を獄砦の円木の隙間へ押しあてて、若芽の燃え出た黄緑色の草原のずつとかなたから漂うて来るキルギスの娘の唄に耳を傾けてゐた。←引用ここまで。 なぜいきなりドストエフスキー??
読了日:8月5日 著者:横光利一


明治の学舎(まなびや) (ショトル・トラベル)明治の学舎(まなびや) (ショトル・トラベル)感想
学校に特化した近代建築本。 一般的な近代建築本だと関東圏、関西圏が多く取り上げられますが、本書で突出しているのは長野県。 教育県と呼ばれますが、その素地が垣間見えます。
読了日:8月4日 著者:中村哲夫


よだかの片想いよだかの片想い感想
本書は島本理生さんの最新刊。 容姿に強いコンプレックスを持つ女性が恋愛を経て成長する過程を描きます。 主人公の恋愛の相手は先天的にズルい大人の男性。 変に悪意がない分始末が悪いわけですが、島本作品では『ナラタージュ』以降しばしば登場するお馴染みキャラです。従来の主人公たちは傷つき、薄暗い雨の廊下に何度も立たされてしまいますが、本書の主人公アイコはしたたかで清々しくもあります。 余談ですが、作中の喫茶店は特定こそされていないものの道玄坂の「ライオン」だと思われます。 私もそんな街を愛しく思います(笑)
読了日:8月3日 著者:島本理生


新潮 2013年 01月号 [雑誌]新潮 2013年 01月号 [雑誌]感想
目当ては今期芥川賞候補作『すっぽん心中』 相変わらずのヌルさ加減がたまりません。 受賞を意識するならもう少し尖がった方がいいのかもしれませんが、戌井さんにはこれからも飄々とした文章を貫いていただきたいものです。本作でも上野・浅草近辺の描写が秀逸でした。 他に本書では「新しい世紀にデビューした作家たち」という特集が組まれています。青山七恵・伊坂幸太郎・佐藤友哉・島本理生・中村文則・西村賢太・各氏の短篇新作を読むことができます。 バックナンバーは品切れのようです。興味のある方は図書館で探してみてください。
読了日:8月2日 著者:戌井昭人


絲的サバイバル絲的サバイバル感想
ジミでテンションの低いアウトドアライフを至高とする絲山秋子さんの企画ものエッセイです。 基本的には一人でキャンプ場に行きテントに一泊して帰ってくるパターンです。 えっ!?女性が一人でキャンプ?などという視点は皆無で、あくまで男前な絲山さんのサバイバルライフが綴られています。 キャンプはみんなでワイワイ楽しく・・という概念を覆すことができたかどうかは疑問ですが、一人キャンプも楽しそうだなと感じました。 しかし、いつもながら炸裂する群馬愛には頭が下がります。  
読了日:8月1日 著者:絲山秋子

読書メーター
 
08-27(火)

7月の書籍代

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:3826ページ
ナイス数:355ナイス

晴天の迷いクジラ晴天の迷いクジラ感想
ギリギリまで追い込まれた三人が鯨を見に行くという筋立ての本書は窪美澄さんの二作目に当たる作品です。第三章までがそれぞれの生立ちや経緯、最終章でそれらを収斂させます。 正直言って最終章は出来すぎの感が否めませんが、とにかく三章までが巧みなのでそんなラストでもすんなり受容れてしまいます。 それなりに面白かったけど勢いが勝っていたデビュー作。あまり期待していなかったので二作目は今更の読了となりましたが、本書では読みやすさと読み応えが見事に両立しているように感じました。 案外この人ホンモノかもしれません。
読了日:7月31日 著者:窪 美澄
逃走逃走感想
本書はラーメン屋の主人を殺めてしまった男を主人公にした逃走劇です。 頁を捲る手が止まらない。ノンストップエンターテイメント・・書評の常套句ですが、本書はまさにそれです。 まだ十分な燃料があるにも関わらず次々と新しい燃料が投入され、常にフル加速でストーリーが進行していきます。 下手な書き手がこれだけ加速すると脱線(破綻)してしまいますが、ギリギリのスピードでカーブをかわす手腕は見事です。 ただ、薬丸作品の真骨頂はテーマに沿ってじっくり描くという点にあると思います。 その部分はちょっと弱かったかな・・
読了日:7月26日 著者:薬丸 岳
北の無人駅から北の無人駅から感想
目的地に向かう途中で通り過ぎる無人駅。 乗降客もなく、すっかり寂れてしまった駅。 どのような人たちが暮らし、どのような歴史があったのか?そしてそこにはどのようなドラマがあったのか?本書はそんな想いに応えてくれる渾身のルポルタージュです。 舞台は北海道のローカル線。 秘境駅で生きた両足のない漁師(室蘭本線・小幌)の話しと、かつて鰊で隆盛を極めた町(留萌本線・増毛)の話が印象的でした。 折りしも、桜木紫乃さんが直木賞を受賞しましたが、桜木作品がお好きな方なら興味深く読むことができると思います。 
読了日:7月24日 著者:渡辺 一史,並木 博夫
境遇境遇感想
デビュー作の『告白』では、その筆力にただただ圧倒されましたが、以降の作品はその文体に慣れてしまったせいか、大当たりは引いていません。 ただ他のベストセラー作家と比較するなら、一定のクオリティーを保っていて、とりあえず本を開いている時間は確実に楽しませてくれます。 それを踏まえるなら本書では初めてのハズレを引いてしまった感が否めません。 全体的に薄っぺらでラストはあまりにもグダグダです。 ドラマ版のキャストを見るのが唯一の余韻かもしれません。http://asahi.co.jp/kyogu/cast/ 

読了日:7月22日 著者:湊 かなえ
いつか陽のあたる場所でいつか陽のあたる場所で感想
いただいたコメントで知り読んでみました。 刑務所を出所した二人の女性のその後を描いた連作短篇。 常に物事を深く考える芭子と常にのほほ~んとしている綾香。 そんな綾香の描き方が甘いなぁ~などと思って読み進めていたら、最後にガツンとやられて泣きそうになりました。 やはり乃南アサさんに抜かりはありませんでした。 舞台になっている谷根千の描写もいいです。 シリーズ化されているようなので、次も読んでみようと思います。
読了日:7月20日 著者:乃南 アサ
横光利一 (新潮日本文学アルバム)横光利一 (新潮日本文学アルバム)感想
最近、横光利一にハマっているので借りてきました。 利一が激怒した直木三十五の「文壇諸家価値調査票」(文藝春秋・大13)が笑えました。 肴にされている作家たちの「好きな女」のカテゴリーが女教師・看護婦・女学生・素人とかAVっぽい(汗)。 個人的には風采98・人気79・資産「病気」・腕力10・性欲100・好きな女「女学生・看護婦」とめちゃくちゃに書かれている倉田百蔵が気になりました。 一方で文壇の辣腕プロデュサー菊池寛に対する心配りも忘れてはいません。 菊池が直木賞を創設するのはこの記事から12年後です。
読了日:7月19日 著者:
ホテルローヤルホテルローヤル感想
今期の直木賞受賞作である本書は、道東にあるラブホテルの開業から廃墟に至るまでの過程を遡りながら描く連作短篇です。 1年半前候補作に留まった『ラブレス』と比較するならジミですが、エンターテイメントの枠を超えた文藝作品としての魅力を兼ね備えています。 一生懸命生きている人の口からは幸せとか不幸とか言う言葉を私は聞いたことがない。そこを書いていけたらいいなあと思います。 とは受賞会見での弁ですが、その点では直球ストレートです。 ちなみにタイトルのホテルローヤルは実家(父親)が経営していたホテルの名前だそうです。
読了日:7月18日 著者:桜木 紫乃
逆回りのお散歩逆回りのお散歩感想
デビュー作の『となり町戦争』を強く意識した二作が収められた作品集。 表題作は市町村合併の騒動を描いていますが、『となり町戦争』発表時にはそれほど影響力のなかったネットを絡めながら話が展開していきます。 東日本大震災(原発事故)以降、既存のメディアに対する不信感が増大する一方で、ネット情報を妄信する人たちがいます。 なにより恐ろしいのは思考停止なのではないかと思いました。 
読了日:7月13日 著者:三崎 亜記
津軽百年食堂津軽百年食堂感想
読友さんの感想を拝見して・・都会でのモラトリアム期間を終えようとする青年を主人公にした作品。 淡々とした展開ですが感情移入しやすい等身大の主人公に好感が持てます。 そのメインストーリーに実家で代々営んでいる食堂にまつわる物語を織り交ぜています。そちらの物語は前後に少しだけ差し挟まれる程度ですが、メインストーリーに奥行きを与えています。 青森出身の方はもちろんですが、首都圏出身の方でも普段意識することのない郷土愛に目覚めてしまうと思います。 感動と言うほどではありませんが、ジワジワくるいい作品でした。
読了日:7月11日 著者:森沢 明夫
佐渡の三人佐渡の三人感想
本書は佐渡へ納骨に行く家族を描く連作短篇です。 この作品の最大の魅力は引きこもり、介護、変わり者の親戚など、負のオーラ出まくりのパーツを用いているにも関わらず、思いっきりのユルユル仕上げなところです。 『ジャージの二人』や戌井昭人さんの雰囲気が好きだと言う方なら楽しめると思います。 しかし、なぜ曽我さんなのか・・(汗)
読了日:7月9日 著者:長嶋 有
鳥と雲と薬草袋鳥と雲と薬草袋感想
読友さんの感想を拝見して・・・タイトルといい装丁といい梨木ファンのハートを鷲掴みの本書は地名にまつわるエッセイ集です。 チョイスされる地名やその解釈は梨木流。 かつて都内の古い地名を無味乾燥な住居表示するのは如何なものか?という論調がありましたが、平成の大合併はそれを市町村単位でやってしまったんですね。 西日本新聞の連載なので九州の地名が多く取り上げられています。 関東住みの私は親近感のある場所がひとつもありませんでしたが、そこにはどんな風景が広がっているのか?梨木さんの文章と相俟って想像が膨らみます。
読了日:7月6日 著者:梨木 香歩
嵐のピクニック嵐のピクニック感想
従来の作風とは異なるシュールな味付けの作品13篇を収めた短編集。文芸誌連載のせいかコクとキレのある通好みの仕上がりになっているように思います。 個人的には一瞬の狂気を描く『アウトサイド』が本谷さんらしくていイイと思いますが、張詰めた緊張感が秀逸な『亡霊病』  栗田有起風味の『いかにして私がピクニックシートを・・・』あたりもかなり好きです。 痛い女の話は苦手だけど、最近芥川賞候補常連になっていて本谷さん気になるぅ~という方におススメします。
読了日:7月5日 著者:本谷 有希子
赤い着物赤い着物感想
突然の展開にえっ?それ何?と戸惑っていると何事もなかったように話が終わってしまいます。 読者は思いっきりおいてきぼりにされますがそこがこの作品の面白みかもしれません。 冒頭とラストで繰り返される点燈夫の燈した灯りに浮かび上がる梨の花の白さがちょっと怖いです。
読了日:7月4日 著者:横光 利一
快楽快楽感想
青山七恵さんの最新刊。 ベニスを舞台に二組の夫婦の倒錯した世界を描きます。 4人それぞれの微に入り細を穿つ心理描写が秀逸で、作品としての完成度は極めて高いように思います。 ただ、初のエロエロモードは青山さんの新境地かもしれませんが、井上荒野さんの作品のように噎せ返るような匂いが頁から立ち上がってくるエロエロ感は味わえませんでした。 『わたしの彼氏』の時のようなザンネン感はないものの、次回は通常モードに戻っていただきたいなぁ~と思う次第であります。(笑)  
読了日:7月3日 著者:青山 七恵
花園の思想花園の思想感想
初出1927年(昭和2)『春は馬車にのって』に連なる短篇。 当時サナトリウムが多く点在していた湘南が舞台だと思われます。 静かにその時を待つ二人。そこに流れこんでくる風と眩いばかりの光を描くさまが秀逸です。 小説は人並みに読んでいるつもりですが、なぜ今まで横光利一を読まなかったのか・・一生の不覚とはこのようなことを言うのかもしれません。
読了日:7月2日 著者:横光 利一
春は馬車に乗って春は馬車に乗って感想
初出1926年(大正15) 肺結核の妻を看病する夫の話です。 死の影に怯えながらその苛立ちをぶつける妻。それを淡々と受容れる夫。「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を捲き捲きやって来たのさ」 という台詞がタイトルの由来になっています。 死の床に就く妻を介護する夫の苦悩。生(春)と死の対比。そして訪れる静寂・・横光利一は初読みですがそのクオリティーの高さにただただ唖然です。 これだから青空文庫は止められません。
読了日:7月2日 著者:横光 利一
線路の果てに旅がある (新潮文庫)線路の果てに旅がある (新潮文庫)感想
一時期、書店の平積台を占領していた紀行文の名手宮脇俊三。 気がつくと没後十年になります。 本書の中に収められているエッセイの中では東北新幹線の終着は盛岡。九州新幹線はもちろんありません。 目的地に至る手段として鉄道は格段に早く、便利になりましたが、そこに至るまでの過程を楽しむ交通手段としての魅力は薄らいでいるように思います。 朴訥としていながらもキレのある文章で語られる鉄道の旅は懐かしいものになりつつあります。 
読了日:7月1日 著者:宮脇 俊三

読書メーター
 
07-31(水)

6月の書籍代

6月の書籍代 12冊 980円


2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3707ページ
ナイス数:224ナイス

地の底のヤマ地の底のヤマ感想
読友さんの感想を拝見して・・866頁二段組の本書は炭鉱町に生きる警官を主人公にした一代記。 昨年「このミス」にも選ばれた注目作です。ミステリーの要素もあり佐々木譲さんの『警官の血』を彷彿とさせますが、著者の思惑は炭鉱節にも唄われている福岡県の三井三池炭鉱とその城下町である大牟田市の隆盛と凋落、そしてそこで暮らす人々の織り成す光と影を描くことにあります。 それはこの国が近代から現代へ成長を遂げる過程の縮図であるような気がします。大長編ですが、得られる満足感と達成感は長さ故ではなく、その濃さにあります。   
読了日:6月30日 著者:西村 健


それでも三月は、またそれでも三月は、また感想
本書は3・11(東日本大震災)をテーマにしたアンソロジー。 川上弘美さんの『神様 2011』目当てで読んでみました。 クマと散歩に出かけたりするさまは従来の川上作品ですが、そこに出てくる専門用語の数々を耳慣れた言葉として読んでしまう恐ろしさのようなものを感じました。  デイヴィッド・ピースさんの文章も久しぶりに読みました。
読了日:6月27日 著者:谷川 俊太郎,多和田 葉子,重松 清,小川 洋子,川上 弘美,川上 未映子,いしい しんじ,J.D・マクラッチー,池澤 夏樹,角田 光代,古川 日出男,明川 哲也,バリー・ユアグロー,佐伯 一麦,阿部 和重,村上 龍,デイヴィッド・ピース


土門拳の昭和 (4)土門拳の昭和 (4)感想
1935年~1967年までの日本を切り取った土門拳の写真集。 とにかくスゴい写真家だとは耳にしていましたが写真集を見るのは初めて。 ちょうど三池炭鉱を舞台にした小説を読んでいたので、筑豊の子供たちや三井三池闘争を収めた写真が印象に残りました。専門的なことはわかりませんが、リアリズムに徹し、社会の現実を写真という手段を用いて訴えかけるさまは、土門拳がいかに優れた表現者だったことを如実にあらわしています。 被写体になっている何百人もの日本人。 私はこの中に自分の父母や祖父母がいるように思えてなりません。
読了日:6月25日 著者:土門 拳


調律師調律師感想
読友さんの感想を拝見して・・一人称形式で描くピアノ調律師の連作短篇。骨太が売りである著者のイメージからあまりにもかけ離れていて、期待せずに読み始めましたが、あちこちに小技が効いていてそれほど悪くはありませんでした。 しかし私が最も注目したのは、郷土(宮城)を強く意識している作家である熊谷さんが東日本大震災に初めて触れているという点です。 さらりと描いているようですが、罪悪感に苛まれるという言葉が印象的でした。 短めのあとがきも強く心に残ります。
読了日:6月23日 著者:熊谷 達也


芥川賞物語芥川賞物語感想
読友さんの感想を拝見して・・本書は第1回から147回まで、各回ごとのエピソードと解説を加えたムック本です。 最も有名な文学賞。純文学の登竜門。世間サマではイロイロと言われているようですが、大半の小説好きの関心は専ら直木賞にあります。 それなのになぜ・・・その答えは著者にあります。川口則弘という名前に聞き覚えがなくてもサイト「直木賞のすべて」の管理人といえば肯く人も多いのではないかと思います。礼賛するわけでもないが揶揄するわけでもない。 その微妙な距離感は大半の小説好きの想いと重なるのではないでしょうか?
読了日:6月21日 著者:川口 則弘


乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)感想
『腑抜けども・・・』が暴走する自意識だとすれば、本書はデフォルメされた自意識。 相変わらず気持ち悪い小説ですが、あちこちに「あ~わかる」が散りばめられています。 漏らすまでは行きませんが、トイレのくだりは激しく肯いてしまいました。 それは「どっちにしてもあんたも自意識の塊なんだよ」というメッセージを突きつけられているようで、さらに気持ち悪い気分にさせられるわけですが、そこが最高にイイ(笑)  近頃、読みやすいばかりの小説が多くて・・とお嘆きの方に本谷作品を強くおススメします。   
読了日:6月20日 著者:本谷 有希子


東京ディープ散歩東京ディープ散歩感想
08年の本ですが特に目新しいものはありませんでした。 ただ定番スポットはしっかり抑えてあるので、おっさん系散歩の入門書としてはいいかもしれません。 さらにディープなスポットをお探しなら【東京DEEP案内】がオススメです。
読了日:6月18日 著者:町田 忍


はぶらしはぶらし感想
角田光代の痛い女系と桐野夏生の胸糞系心理サスペンスを足して二で割ったような作品でした。 前半は鈴音を翻弄する水絵を徹底的に描いていきますが、少しずつトーンが変わっていく後半に作品のテーマがあるような気がします。 すべての根源は水絵の生きづらさにあって、それを象徴するのがはぶらしです。 ただ、そんな女性をさらに追い込んでしまうシステムがこの社会には存在するわけで、その最悪の結果を私たちはニュースで知ることになります。 読み方はそれぞれですが、ただ単にイライラ小説としてしまうのは勿体ないように思います 
読了日:6月12日 著者:近藤 史恵


末裔末裔感想
鍵穴がない・・で思いっきり掴まれました。 鍵穴を巡る冒険?は従来の絲山作品と異なっていて村上春樹的(パラレルワールド)な面白さがありましたが、ストーリーとタイトルの末裔が一致してくるころになると絲山さんらしさが顔をのぞかせて、一粒で二度美味しい作品に仕上がっています。 妻に先立たれた定年間際の公務員という主人公の設定もツボでした。  
読了日:6月10日 著者:絲山 秋子


半七捕物帳 03 勘平の死半七捕物帳 03 勘平の死感想
う~ん。これを人情味のある解決としてしまうのは当時の価値観なのかな?
読了日:6月9日 著者:岡本 綺堂


償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)感想
私は世界中の人が健康で心穏やかに暮らせる事を願う小市民ですが、ただ一人例外がいます。それは本書の主人公スカダーです。 シリーズ最高傑作の『八百万の死にざま』以降、新作が出るたびに健康になっていくスカダーには、ネオハードボイルドミステリーの狂言廻しとしての胆力は備わってきましたが、葛藤を抱える都市小説の主人公としての魅力は薄まって行きました。 ミックとの昔話で幕を開けるシリーズ最新作の舞台は80年代。25¢を片手に、壊れていない公衆電話を探しながらNYの街角を歩くスカダー。彼はまだ葛藤の中にいます。   
読了日:6月7日 著者:ローレンス・ブロック


検事の本懐検事の本懐感想
本書は『最後の証人』の主人公佐方の個人的なエピソードを中心としたスピンアウト的な位置づけの連作短篇です。 正直言ってストーリー自体はありきたりですが、それを綴る著者の筆力がハンパなくて読みゴタエという点では『最後の証人』を遥かに上回る作品でした。 特に最後の『本懐を知る』は申し分のない出来栄えです。 ドラマでは「リーガルハイ」のような法廷戦術を重視したモノがウケているようですが、ジミながら王道を歩む佐方のようなキャラクターも悪くありません。 続編を強く希望します。
読了日:6月3日 著者:柚月 裕子

読書メーター
 
06-30(日)

5月の書籍代

5月の書籍代

14冊 540円




2013年5月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:3094ページ
ナイス数:241ナイス



光降る丘光降る丘感想
08年に発生した岩手・宮城内陸地震で壊滅的な被害を受けた栗原市耕英地区をモデルにしたフィクション。 耕英地区は終戦直後に入植が開始された開拓地です。 地震に見舞われる現代と開拓当初の様子をクロスしながら描いていくことで、被害を受けた地区はどのような歴史を経て成り立ち、そこにはどのような人々が暮らしているのか?を立体的に描いていきます。 入植直後の艱難辛苦を描く筆致は熊谷作品の真骨頂といえますが、それ以上に宮城県出身である著者の強い想いを感じ取りました。 今後は東日本大震災に触れる作品も手がけるのかな・・?
読了日:5月31日 著者:熊谷 達也


文学2013 (文学選集)文学2013 (文学選集)感想
本書は文芸五誌に発表された短篇の中から日本文藝家協会がチョイスして編むアンソロジーシリーズの最新版。 売れ筋作家の最新短篇から文芸誌でしか読むことの出来ない作家の作品までを網羅しています。昨年文芸誌にはこんな作品が掲載されましたよ・・純文学系では今こんな作家が注目されていますよ・・現代文学の今を伝えるのがコンセプトです。 毎年ありえない高価格設定で発売されていますが、文芸五誌を全てチェックする時間とその金額を踏まえるならお得なアンソロジーと言えるかもしれません。 収録作品は↓  
読了日:5月29日 著者:


半七捕物帳 01 お文の魂半七捕物帳 01 お文の魂感想
シリーズ第一作。 15分程度でサクッと読める半七捕物帳シリーズ。 ちょっと時間があったので車をコンビニの駐車場に入れて読みました。本作の初出は1917年(大正6年)。 百年近く前の読者はどのようなシチュエーションで読んだのでしょうか?(青空文庫・Kindle)
読了日:5月26日 著者:岡本 綺堂


最後の証人最後の証人感想
柚月裕子さんは初読みです。 タイトルと装丁から想像がつくと思いますが本書は法廷モノミステリー。 後半で用いられているどんでん返しの手法はあまり好きではありませんが、この作品はそれ以上に物語として読みごたえがありました。 「証言」のくだりはもちろんですが、夫が覚悟した妻を送り出すシーンが秀逸でした。 次は『検事の本懐』を読んでみようと思います。
読了日:5月24日 著者:柚月 裕子


凍原凍原感想
釧路湿原を舞台にした本書は大戦末期の樺太(サハリン)と現代をクロスさせながら描くミステリー。 桜木作品ではお馴染みのどよ~んとした雰囲気と家族の系譜というパーツに松本清張を思わせる社会派ミステリーの要素が加わっています。 樺太から身一つで逃げ延びたものの、敗戦日本の底辺で生きなければならなかった女性を泥臭く描くさまは思いっきりツボでしたが、更にもうひとつのエピソードを加えてミステリー仕立てにしたせいで展開が強引だと感じてしまいました。 悪くはないんだけど、もっと単純に楽しませて欲しかった気がします。 
読了日:5月22日 著者:桜木 紫乃


日本の近代遺産(日経プレミアシリーズ)日本の近代遺産(日経プレミアシリーズ)感想
取り上げている近代遺産(建造物)に関して特に目新しいものはありませんが、建物それぞれが持つ物語を解説としているところが他のムック本と一線を隔しています。 富士屋ホテル(箱根)の創業者は牛を売ったお金を元手とした・・・。ホテルニューグランド(横浜)は第三セクター方式で建てられたために横浜市に賃貸料を支払い続けている・・・等々。 写真もきれいだし、近代遺産って??という方でも楽しめると思います。
読了日:5月20日 著者:近代遺産選出委員会


半七捕物帳 02 石灯籠半七捕物帳 02 石灯籠感想
一話完結型の連続時代小説。初出は1917年(大正6年)から1937年(昭和12年) 岡本綺堂は初読みですが語り口や文章表現は極めて現代的で読みやすいです。 新作の時代小説だと言われたなら素直に肯いてしまいます。 シリーズは全68作。『鬼平犯科帳』的な楽しみ方ができそうです。 時間が空いたときにぽつりぽつりと読んで行こうと思います。
読了日:5月19日 著者:岡本 綺堂


野草で楽しむ散歩術野草で楽しむ散歩術感想
最近、野草にはまりつつあるので・・やっぱ野草と言えばこの人なので読んでみました。 さっそく野蒜を食してみました。野趣あふれるワイルドな味でした。 
読了日:5月18日 著者:岡本 信人
天地明察(上) (角川文庫)天地明察(上) (角川文庫)感想
時代小説をここまで読みやすくしてしまっていいのかな?とも思いますが、とりあえず面白いので下巻に進みます。 
読了日:5月17日 著者:冲方 丁


深夜食堂 2 (ビッグコミックススペシャル)深夜食堂 2 (ビッグコミックススペシャル)感想
ドラマ化の影響で世代を問わず読まれているようですが、本書はオッサン向け課題図書にすべきなんじゃないかと思います。 心がささくれ立っているオッサン達に強くおススメします。 ごちそうさまは爆笑しました。
読了日:5月15日 著者:安倍 夜郎


ユリゴコロユリゴコロ感想
まほかる本は三冊目ですが大当たりな一冊でした。 この作品の半分を占める手記の使い方が秀逸でした。ズルズルと物語りに引き込まれて行く感覚を味わいましたが、そのあたりが著者の真骨頂なのかもしれません。 本書は内なる衝動に突き動かされて殺人を犯してしまうサイコパスを扱った心理サスペンスですが同時に家族の物語でもあります。 それはストーリーに深みや味わいを与えていますが、それ以上に最後に明かされる真実を導き出す最大の伏線となっているように思います。 いやぁ~ホント面白かったっす!!
読了日:5月13日 著者:沼田 まほかる


暗渠の宿暗渠の宿感想
デビュー作である『けがれなき酒のへど』と表題作を収めた作品集。著者の文体に慣れてくると私小説というより、もてない男のドキュメンタリーを読んでいるようです。 DVシーンの多い表題作は生理的に受付け難い面もありますが、風俗嬢に金を騙し取られる『けがれなき・・』は「その考え方大丈夫かよ?」「ヲイヲイそろそろ気がつけよ!!」とか「男ってバカだよな・・」などと勝手な突っ込みを入れながら読むとブンガク云々抜きで楽しめます。 文学的なアプローチをなさりたい方は葛西善蔵・嘉村礒多を軽く浚っておくことをおススメします。
読了日:5月9日 著者:西村 賢太


ひらいてひらいて感想
本書は、その装丁から高校生が主人公の甘口恋愛小説をイメージして読むと大やけどをします。 前半こそ小技の利いた片思い小説と言った趣ですが、主人公が暴走する後半は怒涛のひと言に尽きます。 近作では壊れる女性を主人公に据えることの多い綿矢さんですが、この主人公の壊れっぷりはハンパなくて、どちらかといえば姫野カオルコさんの描くキャラクターに近いような気がします。 一方で「ひらいて」が強い余韻を残すラスト数ページはとても練られていて巧みです。 再読する度に深みを増す作品だと思います。      
読了日:5月6日 著者:綿矢 りさ


ポーカー・フェースポーカー・フェース感想
『バーボン・ストリート』『チェーン・スモーキング』と同じスタイルのエッセイ集。 みなさんご指摘の通り、前出の二作と比較するなら丸くなった印象を強く受けました。 少し寂しい気もしますが、同時代に生きる作家の作品を読むとはそういうことなのかもしれません。 少なくとも今の私は本書の沢木耕太郎を好意的に受容れています。 それもちょっと寂しいことなのかな? 学生時代、熱り立つように読んだ『深夜特急』 あれから四半世紀が過ぎました。
読了日:5月3日 著者:沢木 耕太郎

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